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ダイモン氏やフィンク氏が警鐘、最近の米株高は行き過ぎた可能性

  • 新型コロナの深刻な第2波はないと市場は想定-フィンク氏
  • 当局が「株式相場を支え続けることはできない」-ダイモン氏

大手金融機関のトップは新型コロナウイルス感染拡大を受けたロックダウン(都市封鎖)が緩和される中で、成長回復に楽観的な見方を強めている。だが最近の株価上昇については、実態に照らして行き過ぎた可能性があると懸念している。

  米ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は27日のバーチャル会議で、新型コロナの深刻な第2波や第3波は発生せず、治療法が見つかって新たな流行の影響は和らげられるというのが株式市場の想定だとした上で、「雇用回復は考えられているより遅いペースとなる」との見方を示した。

Key Speakers and Interviews at the Bloomberg New Economy Forum

ラリー・フィンク氏

フォトグラファー:Justin Chin / Bloomberg

  米株式市場では今週、楽観が際立った。新型コロナによる打撃が大きかったクルーズ船運航会社カーニバルや航空会社ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスなどの上げが目立ったほか、S&P500種株価指数は3月23日に付けた約3年半ぶりの安値から36%上昇している。

  米銀最大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは26日のバーチャル会議で、米経済について「かなり急速な回復を見る可能性がある」と指摘。「政府の反応はかなり速く、大企業に必要な資金があり、小規模企業も生き残っていると期待したい」と語った。ただし「株式相場を永遠に支え続けることはできない」とも付け加えた。

ダイモン氏「米景気急回復に十分な可能性」-1年下降続けば良くない

  金融株も最近の株高局面における勝ち組の1つで、S&P500種金融株指数は13日以降に17%上昇。シティグループはこの期間に29%上げ、モルガン・スタンレーは26%高、 バンク・オブ・アメリカ(BofA)は23%高となっている。

  こうした株高は、米大手銀が決算発表し不良債権引当金を計上した4月に見られた悲観論と対照的。JPモルガンは先月、失業者急増で米経済が今年40%のマイナス成長となる可能性があると予想し、BofAは景気の落ち込みが来年も続くとの見通しを示していた。

  市場に楽観が広がる中、シティグループのマイケル・コルバットCEOはやや慎重だ。新型コロナを巡る先行きは不透明だとして、「楽観的ではあっても、ある程度の用心深さは必要と思う」とブルームバーグのインタビューで語った。

マイケル・コルバット氏

出典:ブルームバーグ)

原題:
Finance CEOs Worry Markets Are Too Optimistic About Economy (1)(抜粋)

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