『テラスハウス』花さん自殺は、SNSじゃなくて番組事業者の問題だ

現代日本のいじめとカスケードの構造
山本 一郎 プロフィール

メディアが騒げば、人は簡単に蹂躙される

人間はもっと多面的であり、善良で倫理的なところもあれば、善良なのにそのときの経緯や感情のほとばしりで犯罪を犯してしまうこともあるかもしれない。

しかし、異常な犯罪であるほど、あるいは普通の人から見てこの人は変だという部分を切り取って「この人にはこういう側面がありました」と言われれば、SNSではバッシングになるだけでなく、過去の投稿内容や写真、交友関係は掘られ、不必要にメディアは問題人物の自宅に殺到し、何とか本人を映像に納めようとします。

ある種の「撮れ高」を求めてメディアが騒ぎ立て国民が熱中するとき、その人の本来の人間性や実績や大事な人をも簡単に蹂躙してしまうことは、あるのです。

もちろん、本当に事件を起こした、酷いことをした、ということであれば、その問題や事件、人物に対して人々の興味や関心が集まるのもまた事実です。

ニュースは消費されるためにある、たとえそれが望ましくないものだとしても。

 

SNSに限らずヤフーニュースやYouTubeでのコメントだけでなく、場合によっては実名で書いているNewsPicksですら、あんなにすごい肩書を持っている中年男性でも、いったん専門外になると、ここまでゴミのような発言をするのかと驚くことすらあります。