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“強制わいせつ事件”も起きていた【テラスハウスの闇】 木村花さんを追い詰めた「過剰演出」と「悪魔の契約書」

各国で起きるリアリティー番組出演者の自殺

「米国では2004年から2016年のあいだにリアリティー番組の出演者20人以上が自殺したと報じられています。イギリスや韓国も同様の事態が起こっているそうです。いまや日本でもリアリティー番組は全盛と言えますが、メンタル面も含めた出演者のケアなどの対策を制作サイドが実施しているなんていう話は聞いたことがありません。

 日本の撮影現場でも、多くの出演者が自分の描かれ方に作為的なものを感じ、世間に誤解されることについて深く傷ついているのは事実なのです」(制作会社関係者)

 木村さんが亡くなったのは、3月31日配信の第38話が原因だと言われている。プロレスで使用する木村さんのコスチュームを男性共演者が洗濯機にかけて縮ませてしまい、男性に木村さんが激怒するという「コスチューム事件」に番組のファンが反応。木村さんのSNSには誹謗中傷が殺到した。

 当該のエピソードが配信されてから1カ月半以上が経っても批判を浴び続け、木村さんは母親に相談するほど悩んでいたという。

2020年1月4日、新日本プロレス岩谷麻優(左)を攻める木村花(東京ドーム) ©時事通信社

「もう一度やって」撮り直しは日常茶飯事

「花さんは真面目で、プロレスでも与えられたヒール役を一生懸命こなしていた。そのリング上での激しいキャラクターのイメージを踏襲して、番組でも木村さんが感情的になるシーンを選んで使っているように感じました」(前出・番組関係者)

 番組での木村さんの激しいキャラクターは演出によるものではなかったのか。実際の撮影現場に立ち会い、スタッフによる“過剰演出”を目撃したという芸能プロ関係者が打ち明ける。

「たしかに台本はありませんでしたが、告白やデートに発展するという局面では、スタッフが出演者に『どうしたいの?』『どういう方向にしたい?』と“振り付け”をしていました。ケンカや恋愛相談など、メンバー同士の話でわかりにくいところは、『もう一度やって』と指示して、撮り直しは日常茶飯事でした。