圧巻の奪三振ショーだ。阪神・藤川球児投手(25)が、2回で6者連続三振を奪い、虎の最強セットアッパーとして貫録を見せた。中継ぎ転向後、6三振は自己最多で、無失点記録も27回2/3に。結果的に、久保田が打たれて延長10回サヨナラ負けを喫したが、球児の右腕に陰りはない。口元にたたえたかすかな笑みは、悔しさのカムフラージュ。足早にバスへと向かいながら、球児がつぶやいた。「仕事を果たせなかったのと同じことですから…」。周囲への気遣いでも何でもない。自身のどんな活躍も、チームの勝利なしには喜べない。無念のサヨナラ負け。球児はただただ、敗戦の苦みをかみしめた。