CBDが慢性痛や痛みに効果あり?!CBDに期待される鎮痛作用

CBD

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医療、健康、美容など、CBDには幅広い効果が期待されており、アメリカやヨーロッパを中心に世界的な流行になりつつあります。

アメリカにおけるCBDを利用する理由として最も多いのが、慢性痛など痛みの緩和のためと報告されており、多くの消費者が実感としてのCBDによる鎮痛効果をSNS上などで共有しています。

そこで今回は、CBDが「痛み」に対してどのように作用するのか、期待される効果や影響のある疾患などについて紹介していきます!

CBD(カンナビジオール)とは

CBD(カンナビジオール、英:Cannabidiol)とは、植物の大麻で生成されるカンナビノイドと呼ばれる成分の一つです。大麻由来の成分と聞くと「麻薬」を連想されるかもしれませんが、CBDは 「陶酔」や「ハイになる」といった症状を引き起こさない成分です。また、WHO(世界保健機関)でも安全性と一定の効果、効能があることが報告されています。

医療、美容、健康といった幅広い分野での効果が期待されており、アメリカ・ヨーロッパを中心に効果を利用した数多くのCBD製品が販売されています。

アメリカでは大麻由来の成分(CBD)を利用した医薬品として初めて「エピディオレックス(Epidiolex®)」が、国から認可され、難治性のてんかん治療薬として処方されています。

※CBDについて詳しくはこちらの記事も合わせてお読みください。

 

CBDが本当に「痛み」に効果があるのか?

CBDが痛みにどのように作用するのか、普段私たちが生活の中で感じる「痛み」とはどういうものなのか、についても理解する必要があります。

疼痛、痛みとは

「痛み」は医学の世界では「疼痛(とうつう)」と表されており、ほとんどの先進国での医師への受診理由の最上位のものが「疼痛」であり、世界人口の三分の一以上の人々が、痛み、慢性痛に悩まされているとされています。

痛みの役割

痛みというのは私たちにとっては、非常に不快なものであり、痛みが好きだという人は少ないと思います。

しかし、不快ではありますが、痛みは私たちにはなくてはならない生体機能の一つです。

潜在的に、身体などに損傷を誘発する危険性を伴う熱的要因、機械的要因あるいは化学的要因との接触に対して「痛み」として警告を発し、私たちの身体や命を危険から守るという役割を担っています。

このように痛みがなければ、身体の異常や異変に気付くことができず、また危険を察知したり、回避することができず、命の危険につながることもあります。

しかし、痛みの中に生命活動に必要ではないものもあり、長く続く痛みや、原因がわからない痛みは、大きなストレスになり、うつ病や不眠症など、ほかの病気を発症するきっかけにもなります。

痛みを感じる仕組み

痛み一般的には末梢神経への刺激により生じるものです。

切り傷や火傷、打撲などにより身体が刺激を受けると、侵害受容器と呼ばれる器官が「身体が傷ついた、傷つきそうだ」という情報を電気信号に変えて発信します。その刺激に関する電気信号が神経を伝わって、脳に届き、痛みを感じます。

通常は、痛みの原因となった組織の損傷や危険がなくなると、痛みも消えていきます。

痛みの種類

「痛み」といっても、原因や状態によってさまざまであり、痛みは大きく3つに分類されます。

  1. 侵害受容性疼痛
    切り傷や火傷、打撲、骨折など、外因的な刺激による病的な意味を持たない痛みと、炎症が起こり痛みを起こす物質が発生する、炎症性痛が含まれます。これらの刺激が抹消神経にある「侵害受容器」という部分を介し、痛みが発生するため、侵害受容性疼痛と呼ばれています。
  2. 神経障害性疼痛
    侵害受容器を介さない疼痛であり、何らかの原因により神経が障害され、それによって起こる痛みを「神経障害性疼痛」といいます。帯状疱疹が治った後の長引く痛みや、糖尿病の合併症に伴う痛み、坐骨神経痛、頚椎症に伴う疼痛などこれに含まれ、傷や炎症などが見えないにもかかわらず痛みがある場合には、神経が原因となっていることがあります。また、幻肢痛と呼ばれる怪我や病気によって四肢を切断した多くの患者が体験するものも神経障害性疼痛の一種です。
  3. 原因が明らかでない痛み
    上記の侵害受容性疼痛にも神経障害性疼痛にも当てはまらない分類の痛みもあります。現在の医学では、依然として異常が発見できない場合もあります。しかし、これらの痛みは原因が無く痛みを感じているわけではなく、脳に何らかの変化や脳の認知の異常によって生じる痛みであると考えられています。

痛みへの対処と問題

痛みへの対処は症状や原因、疾患によりさまざまなですが、原因を取り除くことが一番の対処法となります。外傷や火傷であれば、安静にし自然に治るのを待つことや、ひどい骨折の場合は手術をすることもあります。

原因が治る、取り除かれるまでは痛みが続くため多くの人はそれに対処するために、市販で販売しているロキソニンやイブプロフェン、アスピリンなどを含む鎮痛薬を購入し使うことが多いかと思います。

これらの鎮痛薬は痛みに作用し、緩和してくれますが、慢性痛などのために長期的な使用や、過剰な使用により、頭痛薬で頭痛になったり、内臓機能に障害が出る、依存症になる、など一般的に市販されている鎮痛薬にも薬物乱用の危険性があります。

CBDによる様々な痛みへの効果

現時点では、CBDの疼痛に対する研究は行われている最中であり、実際にCBDが疼痛に効果があるという実証された臨床試験などはありません。

しかし、初期段階の研究や調査により、さまざまな疾患に効果がある可能性が示唆されています。また、実際の消費者からの事例報告としても様々な「痛みへの効果」が報告されています。

一般的な様々な疼痛の他に、下記はCBDが治療や緩和に効果があると期待される疾患の一部です。

  • 関節炎
  • 多発性硬化症(MS)
  • 慢性痛
  • 片頭痛
  • 線維筋痛症
  • ニューロパチー

CBDがどのように痛みに作用するのか??

THCやCBDといった、大麻に含まれるカンナビノイドは通常、人間の体内にあるCB1やCB2といわれるカンナビノイド受容体と相互作用し、さまざまな効果を発現するとされています。

また、私たちの体にはエンドカンナビノイドシステム(ECS)という機能が備わっており、ECSはカンナビノイド受容体、体内で生成されるカンナビノイドであるエンドカンナビノイドにより構成されています。

ECSは私たちの生命活動に関わる多くの機能調整に重要な役割を果たしていると研究によりわかっており、CBDがECSに働くことにより、さまざまな効果が発現するとされています。

下記においてご紹介する、CBDが痛みや炎症に作用し、影響することを示すものは、ほんの数例にすぎません。

CBDの疼痛に関連する研究は現在も数多く行われており、今後このような作用の仕組みは増える可能性は大いにあります。

※ECSについて詳しくはこちらの記事を合わせてお読みください。

CBDによる疼痛や炎症に関わる受容体への作用

CBDは通常、「受容体」と呼ばれる器官と相互作用することにより、さまざまな効果を発現するとされています。

疼痛への作用も、これらの「受容体」に作用することにより、痛みの緩和や疾患などに効果があると考えられています。

CBDは、複数の研究により、疼痛緩和に重要な役割をもつGタンパク質共役受容体(GPCR)や疼痛知覚や炎症、体温を調節するバニロイド受容体(TRPV1)、TRPA1およびTPRM8、GlyR、PPARなど、痛みや炎症に関わる受容体と相互作用することが報告されており、これにより炎症を抑えたり、痛みの緩和に効果があると期待されています。

※CBDがどのように身体に作用するかはこちらの記事を合わせてお読みください。

CBDがエンドカンナビノイドの機能を強化する

カンナビノイドは大麻おいてのみ生成される成分ではなく、人の体内でもカンナビノイドが自然に生成されます。

これらは、エンドカンナビノイドと呼ばれ、ECSを構成する要素であり、主にアナンダミドと2-AGと呼ばれるものがあります。

これらのエンドカンナビノイドも疼痛に関わる受容体と相互作用し、痛みの調整機能に影響します。

CBDは、アナンダミドの分解する酵素を阻害する作用があり、これにより体内のアナンダミドのレベルが上がり、結果、痛みの緩和効果があるとされています。

※エンドカンナビノイドについてはこちらの記事を合わせてお読みください。

なぜ痛みの緩和にCBDが選ばれるのか?

CBDは他の鎮痛薬にある副作用が少なく、依存性もなく、安全であるとされている点が疼痛の緩和や治療に選ばれる理由の一つです。

アメリカの民間会社が行ったCBDの利用に関する調査では、アメリカ国内では人口の約14%のもの人がCBD製品を利用している、または利用したことがあると回答され、CBDに関しての興味関心のあるアメリカ人は50%以上にも上るという報告がされています。

また、前述したように、アメリカ国内でのCBDの利用に関して、最も多い理由が痛みや慢性痛への対処です。

アメリカの消費者がCBDの鎮痛作用する理由は他にもあります。

それは、アメリカではオピオイド系鎮痛剤に関連する依存症や過剰摂取による死者数が、交通事故による死者数を超えるといった状況があり、2017年には1日に約130人がオピオイド系鎮痛薬に関連して依存症や過剰摂取により死亡しており、社会的な問題となっています。

多くの研究がCBDがオピオイド系鎮痛薬の処方容量を効果的に減少させることを示しており、処方薬の副作用や依存症に苦しむ人にとってはCBDは、副作用も少なく、一定の安全性が認められているものとして、薬物中毒や依存症を引き起こさない新たな治療法になるのではと期待し、使用されています。

CBDの副作用やリスク

CBDはWHO(世界保健機関)によって「CBDには健康に有害性がなく、複数の医療用途がある」また、「身体的依存を誘発せず、乱用の危険性はない」と報告されていますが、少なからず副作用はあります。

また、他の薬との飲み合わせや、摂取による肝機能障害になる可能性も示唆されているため、CBD使用に関するリスクについても理解しておく必要があります。

まとめ

今回はCBDと痛みへの効果についてご紹介しました!アメリカ国内でCBDを利用する理由の最上位が痛みの緩和や慢性痛への対処です。ただ、そのほかの鎮痛に関する薬と同じように、疼痛への緩和はプラセボ効果も高いため、医学的には実際の消費者の事例証拠などは信頼性が低いとされています。

また、THCとCBDの両方の成分を使用しての鎮痛作用についてはある一定の効果が実証されておりますが、前述したように現段階では、CBDの単一成分による鎮痛効果に関しては研究が行われている真っ最中であることは理解しておかなければといけません。

しかし、これだけ多くの消費者が実感としてCBDの痛みへの効果を感じていることは、決して無視できることではありません。

今後、CBDの研究が進み、痛みへの効果が実証されれば、依存性のあるオピオイド系鎮痛薬や副作用や体への悪影響が心配される鎮痛薬の代わりに、疼痛を緩和する新たな方法の一つになる日も近いかもしれません。

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