
製造業向けの購買・営業支援クラウドサービスを展開するアペルザ(横浜市)は26日、製造業における新型コロナウイルスの影響についての調査結果を発表した。全体の72.8%が通常業務に「既に影響が出ている」と回答し、「影響はない」は4.7%にとどまった。
買い手側より売り手側で影響が出ているとした回答が多く、生産財の営業・販売業務が一部停滞している状況が明らかになった。売り手側が営業しようにも「不要不急」として買い手側に門前払いされたり、対面営業の代わりにオンライン営業を認めてもらっても資料の事前準備などに手間取ったりするという回答があった。見積書や注文書などをファクスでやり取りする商慣習も根強く、在宅勤務をしていてもファクスのために出社を迫られるという意見もあった。
アペルザの石原誠社長は「新型コロナを機に、生産財の購買・営業活動がオンラインでも代替できそうだと考え直した製造業の担当者は多い。だが『ファクス出社』が根深い問題として残っている」と話す。調査は4月下旬にオンラインで実施した。センサーや制御機器などの生産財を扱う同社電子商取引(EC)サイトの買い手と売り手の約1000社が回答した。買い手には比較的規模が大きい製造業が多く、売り手には中小規模の生産財メーカーが多いという。
(日経クロステック/日経コンピュータ 清嶋直樹)
[日経クロステック 2020年5月26日掲載]