松山市の小田医師に聞く
マスクの多用、肌荒れに注意 トラブル時のケアには保湿が大切
2020年5月27日(水)(愛媛新聞)
マスクによる肌荒れを軽減するため、肌に触れる部分には「ガーゼなどを挟んで」と呼び掛ける小田富美子医師=20日午前、松山市枝松6丁目
新型コロナウイルスの感染予防のため、マスクの着用が浸透している。高温多湿な夏場は不快感や肌トラブルが起こりやすくなる。肌に優しいマスクの着用方法や肌の手入れについて、小田ひ尿器科・ふみこ皮フ科(松山市枝松6丁目)の小田富美子医師(38)に聞いた。
―マスクが肌に与える影響は。
不織布マスクは表面がけば立っていて、ニキビなどの肌トラブルの原因になる摩擦が起こる。通気性もあまりよくないのでマスクの中は蒸れやすく、湿度が高くなることで雑菌も繁殖しやすくなる。
一方で、マスクを外したときに蒸散して乾燥も起こる。日本の夏は外気の湿度も高いので、これからどれだけ乾燥するかは読めないが、蒸れも乾燥も肌にはよくない。
―マスクによる肌荒れ患者は増えているのか。
ほぼ全員がマスクを着けている状況なので、例年より多い。毎日のように肌荒れやニキビ、乾燥などの相談がある。夏場はもっと増えるのではないか。マスク不足のため、一度使って消毒したものを着けてかぶれたという患者もいた。
―マスクを使う際の注意点は。
綿100%の布マスクは通気性がよく、表面が起毛していないので摩擦も軽減できる。不織布マスクを使うときは、滅菌ガーゼや手ぬぐいの生地などを間に挟んで毎日取り替える。挟むときは上下5ミリくらいはみ出させれば、不織布が直接肌に当たらない。汗をかいたら、こまめにティッシュで押さえるように拭き取り蒸れを防ぐ。
―肌が荒れたときのスキンケア方法は。
保湿が大切。市販のスキンケア用品を選ぶ際は、保湿成分のセラミドと、抗炎症剤のトラネキサム酸が入った低刺激のものを使うとよい。ニキビが気になる人は、ニキビができにくい製法であることを示す「ノンコメドジェニック」の表記がある製品を選ぶ。
それで改善しなければ皮膚科へ。疾患や肌トラブルがある人も使える化粧品を取り扱っているクリニックもあるので、気軽に相談してほしい。
新型コロナの影響で、本来は医者の指導の下で購入、使用するスキンケア用品がネット上に出回っている。医者が扱っているのは、強い作用があったり、副作用が出たときに治療する必要があったりするから。口コミはうそが交じっていることもあり、自分の肌に合うかどうかの判断は難しい。自己判断で購入するのはやめて、皮膚科を受診してほしい。
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