新型コロナウイルスの感染拡大による未曽有の体験を後世に残そうと、各地の博物館や図書館がアーカイブづくりに乗り出した。飲食店のテイクアウトのチラシや、住民手作りのマスクなどの資料を幅広く集める。のちに、コロナ禍で私たちの暮らしに何が起きていたのかを、きちんとたどれるようにするためだ。
「がんばる北海道」と記されたタイムセール自粛を伝えるスーパーの新聞折り込み広告や、地元商工会などが「食べて応援しよう」とテイクアウト可能な飲食店を紹介したチラシ。10種類以上の住民手作りの布マスク――。
北海道浦幌町立博物館は、2月末に北海道独自の緊急事態宣言が出された頃から、新型コロナに関わる資料の収集を始めた。学芸員やボランティアを中心に町民にも呼びかけ、すでに100点以上が集まった。
学芸員の持田誠さんによれば、「コロナな世相」を語り継ぐため、地域の空気感を伝える資料を集めて記録することが博物館の役割と考えた。町民の手書きとみられるマスクの作り方を紹介するチラシ、政府の「特別定額給付金」の申請書も集めた。春の選抜高校野球大会が中止となり、出場予定だった道内の高校野球部の支援組織が出した礼状などもある。持田さんは「閉塞(へいそく)した状況で起きている差別や、自宅学習などを強いられた子どもたちに関する資料も集めたい」と話す。政府が配る布マスクはまだ届いていないが、アーカイブに入れたいという。
2011年の東日本大震災で被…
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