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慶應義塾大学文学部英米文学専攻卒業。関東・東海地方の複数の予備校を経て、リクルートが主催するネット講義サービス「スタディサプリ」で教鞭をとる。「英文読解」の講座は年間25万人が受講する超人気講座となっている。『肘井学の作文のための英文法が面白いほどわかる本』、『語源とマンガで英単語が面白いほど覚えられる本』をはじめ著書も多数執筆。
相手の職業を聞く際、英語初心者であれば「What is your work?」、中級者であれば「What is your job?」と聞く人が多く見られます。
文法的には間違ってないですし意味は伝わりますが、この表現は、ネイティブは使いません。なぜならこれをネイティブが聞くと、ぶしつけでストレートな言い方に聞こえるからです。
例えるなら、日本語で「仕事なに?」といきなり聞かれた感じで、事務的に上から質問されている感覚になり、嫌な顔をされてしまいます。
これは、日本人が外国人の表現の仕方を理解せず、日本語の表現をそのまま英訳して会話に使っていることが原因です。
今回は、そんな日本人が間違いやすい「work」と「job」の違いについて説明するとともに、正しい使い方についてもレッスンしていきましょう。
また、「Work」と「Job」以外にも英語で“仕事”という単語に似ている表現についてもお話ししていきます。
目次 [表示する]
JobとWorkの違い
jobは名詞として使われており、「仕事内容」「一つ一つの作業」「ポジション」のことを表します。例えば、教師・医者・秘書などのように職業や職種を特定する場合に使われる単語です。
また、基本的に「お金が発生するもの」に使われます。
一方でworkは動詞と名詞のどちらにも使われており、「働く」という“行動”全体のことを表します。
働く場所について聞く場合や、「何かをする」という意味での活動全般を表す場合に使います。
jobの使い方
jobの使い方について、例文を使って説明します。
「あなたの仕事はなんですか?」
「私は新しい仕事を見つけました」
「私は、自分の仕事が好きです」
workの使い方
Workの使い方について、例文を使って説明します。
「仕事に行きます」
「職場はどこですか?」
「今日はやらなければならない仕事がたくさんある」
どうやって感覚を掴めばいいか?
「Job」と「Work」の感覚の掴み方として相応しい例文があります。
I work hard to get a job.
この英文の意味は「仕事に就く為に頑張っている。」です。
一つの文章に“仕事”という単語が二つ入っていますが、この場合workは「(見つけるために)動いている」となり、Jobは「仕事」という意味になります。
理解度チェックテスト
それではここで、JobとWorkを正しく使い分けることが出来るか、いくつかテストをしましょう。
以下の英文の(カッコ)の中にはJobかWorkのどちからが入ります。正しいと思うものを入れてみてください。
答えは記事の最後にあります。
- His ( )is cook.
彼は料理人です。 - Do you like your( )?
あなたは、自分の仕事は好きですか? - I have( )that day.
その日は、仕事があります。 - I have a lot of( )to do around the house.
家のことでやるべきことがたくさんあります。 - I am looking for a( ).
私は仕事を探しています。
「仕事」を表すその他の英単語
「仕事」を表す英単語はJobとWork以外にもあります。それらの英単語がどのように使用されるのか、例文を使って紹介します。
career
careerは、長い期間で訓練と成長が必要な仕事、職歴、履歴といった意味です。以下のように使われます。
business
businessは、事業、事業内容といった意味です。以下のように使われます。
occupation
occupationは、職業、業務(公的機関の書類で用いられることが多い)といった意味です。以下のように使われます。
Vocation
vocationは、天職や適職といった意味です。以下のように使われます。
task
taskは、仕事の中で割り当てられる一つ一つの作業のことを意味します。以下のように使われます。
labor
laborは、(肉体的な、精神的な)労働を意味します。以下のように使われます。
employment
employmentは、雇用関係に基づく“労働”を意味します。以下のように使われます。
profession
professionは、(専門的の高い知識が必要な)職業のことを意味します。以下のように使われます。
まとめ
今回はworkとJobの違いやそれ以外の“仕事”という意味の単語や使い方についてもご紹介してきました。
英語を学んでいると、英語表現の難しさを痛感することあると思います。文法上間違ってないし、直訳すると間違っていない表現でも、使うシチュエーションによって相応しくない場合があります。
また、ネイティブの誤解を招いてしまうこともあります。そのようにならない為には、同じ意味の単語があってもそれぞれの正しい使い方をしっかり理解して使うことが大切です。
テストの答え
- job(料理人は”職業“です)
- job(やっていることではなく、“職業”に対して好きなのかを聞いている)
- work(“働く”そのものを言っている)
- work(抽象的な意味でのやるべきことを言っている)
- job(“職業”を探している)
ライター(詳しいプロフィールを見る)
10歳までをフィリピンで過ごした英語と日本語のバイリンガル。優れた英会話力を活かし、初心者が抱く英語の疑問を解消する「ペラペラ英語塾」の記事を担当。また、英会話スクールやオンライン英会話、英会話カフェ等を体験してのレビュー記事も担当しており、体験したサービスの数は30以上を数える。