マイナンバー総合フリーダイヤルにかけ、ガイダンスに従って操作すると「更新」についての説明が自動音声で流れた。期限切れになる場合にいつから更新ができるかなど、ネットで見ればわかることの長々とした説明の後に、こう続いた。

「オンライン申請や郵送申請による更新手続きはできません。更新手続き可能な場所や手続きのご予約が必要かについては、お住まいの市区町村のホームページやお電話にてご確認いただきますようお願いいたします」

 オンライン申請ができない? 聞き間違いではないかと思い、聞き直したが、確かにそう言っている。今時、銀行に口座を開くのも、クレジットカードを取得するのも、オンラインでできるというのに。そもそも区役所から郵送されてきた案内には、オンラインによる更新ができると書いてあるのだ。

 総務省に電話すると、こう言われた。

「オンラインの申請ができないということですと、制度の設計になるかと思いますので、内閣府にお問い合わせください」

 伝えられた内閣府の番号に電話をすると、こちらの説明を遮って、こう言われた。

「マイナンバーについてはコールセンターにおかけください」

 コールセンターにかけたが、自動音声でオンライン申請ができないことがわかったのだと伝えると、「総務省にお電話してください」とのことである。

 総務省から内閣府に電話してくれと言われたのだと伝えると、「個人の方は受け付けておりませんので、コールセンターにお電話ください」。オンライン申請ができるという案内に書かれていることと実際は違っているという制度上の問題を聞きたいのだと質しても、「コールセンターにお電話ください」とくり返すばかりである。

 マイナンバーカードの更新がオンラインでできるというウソが書かれた案内が、税金を使って送られてきたわけだが、総務省も内閣府もまったく説明ができないのだ。マイナンバー制度に協力しようという国民にまで、なぜ政府はこのような仕打ちをするのか。政府の施策の隅々にまで、ウソノミクスが満ちている。

(文=深笛義也/ライター

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