小林佳樹
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小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

麻生一族企業が廣済堂を買収か すでに20%の筆頭株主に

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 麻生太郎副総理兼財務・金融相の一族企業である「株式会社麻生」が印刷大手の廣済堂の筆頭株主に躍り出たことが市場の話題をさらっている。4月17日に提出された株式の大量保有報告書で20・01%まで買い増していることが明らかになったもので、「買収も視野に入っているのではないか」(大手証券幹部)と囁かれている。

 隠れた超優良企業として知られる廣済堂は終戦直後の1949年に「櫻井謄写堂」として創業した。創業したのはその後、政財界のフィクサーとして知られることになる櫻井文雄氏で、高度成長からバブルの波にのり、祖業の印刷のみならず不動産開発やゴルフ場経営、出版など、さまざまな事業に手を広げた。

 スポーツ事業にも熱心で、クラウンライターライオンズの事実上のオーナーを務め、女子ゴルフトーナメント「廣済堂レディス」の冠スポンサーでもあった。しかし、2004年11月に櫻井氏が83歳で死去した後は、バブルの清算に苦慮し、ゴルフ場など資産を次々に手放していった。

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