山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

報道から学ぶ

大阪モデル 結果を見て基準を変更! (5月24日各社)

心配なニュースです。
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0523/mai_200523_5152472062.html
https://mainichi.jp/articles/20200523/k00/00m/040/251000c
大阪府が、いわゆる大阪モデルの基準を、結果を見てから黄色にならないように変更するというのです。元々の基準では、感染経路不明者の一週間の合計が、前週との比で1を超える、すなわち前の週より多くなると黄色信号にするとされていました。これが23日現在で0.91となっており、24日に仮に新規感染が0でも1を超えてしまうので、この基準を除外するというのです。
結果を見てから基準を決める。科学でこれをすると信頼性が揺らぎます。この報道が本当であれば、大阪府の対策が、科学から政治に移ったことを意味します。
大阪府民として非常に心配です。人は権力や上司に忖度するかもしれませんが、ウイルスは遠慮ありません。
報道が本当であれば残念ですが、科学者として貢献できるよう微力を尽くしたいと思います。

ランニングは人混みを避けよう。歩行者が多い時は、マスク等をしてゆっくり走ろう。(NHK)

5月になり蒸し暑い日が増えてきました。これからのランニングは熱中症が心配です。早朝や夜間などがおすすめです。周りに歩行者がおられず、1人で走るのであれば、マスクも必要なく爽快です(夜間は反射板やライトを忘れずに)。でも周囲に歩行者がおられる時は、マスク等をしてゆっくり走りましょう。ランニングする人も散歩する人も、お互いに気持ちよく過ごしたいですね。

専門家からの発信https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200510/k10012424091000.html

自治体からのお願いhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20200427/k10012408061000.html?utm_int=detail_contents_news-related_002

熱中症に注意https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200508/k10012422461000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001

中国では死亡例の報告もhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20200511/k10012424411000.html?fbclid=IwAR0SAmRiaOC3G4RZz2nMEMfOV9XPo9TwPsSjfd8mlby2XGEoTemjlwb0U3A

自宅療養 解除後に再陽性 (5月3日 NHK)

先月、新型コロナウイルスに感染した神奈川県の30代の女性が自宅療養のあと陰性が確認されないまま神奈川県から通常の生活に戻ってよいとされ、その後になって発熱し、感染が確認されていたことが分かりました。
(コメント)
女性は、2週間の健康観察で症状が軽快したため、普通の生活に戻って良いと指導されたとのことです。ウイルスの消失までには症状の軽重に関わらず4週間程度かかるという論文がありますので、経過観察の期間は、2週間では不十分と思われます。
一方で、陰性化確認のためのPCRを複数回行うと、新たな感染者同定のPCR数が限られてしまいます。対応は都道府県によってばらばらのようです。感染力のピークは発症の直前と報告されていますので、PCR検査のバランス(新規感染者の同定vs陰性確認)は透明性高く、明確な方針の下で行われるべきです。

退院後に再び陽性、家族が感染 (4月26日 西日本新聞)

3月28日に発症、4月3日に入院、PCRで2回陰性となり9日に退院。しかし17日から倦怠感と味覚異常、同居の家族も24日から倦怠感と頭痛が生じ、受診。2人とも陽性が確認された。
(コメント)
症状の軽重に関わらず、ウイルスが消失するまで4週間かかるという論文を以前、紹介しています。
https://www.nature.com/articles/s41591-020-0869-5

手法を見直す (4月21日 日経新聞)

日本電産 永守会長のインタビュー
「50年、自分の手法がすべて正しいと思って経営してきた。だが今回、それは間違っていた。テレワークも信用していなかった。収益が一時的に落ちても、社員が幸せを感じる働きやすい会社にする。そのために50くらい変えるべき項目を考えた。反省する時間をもらっていると思い、日本の経営者も自身の手法を考えてほしい」
(コメント)
非常に重いお言葉です。経営者のみならずすべての日本人にあてはまると思います。肝に銘じます。
今日は、やはり京都を代表する経営者、立石義雄オムロン名誉顧問が亡くなりました。心よりご冥福をお祈りいたします。

死亡者数は発表より多いかも (4月20日日本テレビ 4月21日日経新聞)

変死11人、コロナ感染 兵庫など5都府県、1か月で(4月11日 日経新聞)

自宅や路上で急変して亡くなり、警視庁が変死として扱っている例の中に、後にPCRで新型コロナウイルス陽性が判明する例が複数ある。
(コメント)
PCR検査を受けていないケースも相当数あるのではと推察される。
https://www.msn.com/ja-jp/news/video/容体が急変…“変死”新型コロナ判明相次ぐ/ar-BB12TxIq?ocid=spartanntp

エボラ治療薬が新型コロナウイルにも有望という報道(4月16日 STAT)

米ギリアド社がエボラ出血熱の治療薬として開発したRemdesivilが、新型コロナウイルスに対しても有望と期待されている。同社は2つの治験を実施中で、1つは全世界152か所、計2400名の重症患者が対象、2つ目は全世界169か所、計1600名の中等症患者が対象。
治験に参加しているシカゴ大学の医師が結果を報告したビデオ会議の録画を入手したという。シカゴ大学の治験には125名が参加し、113名が重症。全員にRemdesivilと投与したところ、死亡は2名のみで、他のほとんどの患者は退院したという。
(コメント)
治験結果が公表されていないので、過度な期待はできない。また適切なコントロール群も設定されていない。しかし日本の現状では、重症患者の2人に1人が亡くなっていることを考えると、結果の公表が待ち遠しい。ただ、ギリアド社はC型肝炎の治療薬を開発した時に、1錠10万円程度の高価格を設定した。同じことにならないことを心から祈るし、アビガンなど国産の治療薬開発にも期待したい。
https://www.statnews.com/2020/04/16/early-peek-at-data-on-gilead-coronavirus-drug-suggests-patients-are-responding-to-treatment/

死者、重症例の年齢分布 (4月14日 NHK)

死亡者は70代以上が多い。
重症例(集中治療室での治療、人工呼吸器での治療)は60歳以上が多い。しかし、30代や40代でも重症例あり。
厚労省のデーター
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000621405.pdf

一緒に走って大丈夫?

感染を防ぐため1から2メートルの社会的距離を空けることが推奨されています。これはじっとしているときの話です。ベルギーやオランダの研究で、ウオーキングでは4メートル、ジョギングでは10メートル、自転車では20メートル以上の社会的距離が必要なことが示唆されています。
https://medium.com/@jurgenthoelen/belgian-dutch-study-why-in-times-of-covid-19-you-can-not-walk-run-bike-close-to-each-other-a5df19c77d08

エレベーターが集団感染の原因に? (4月9日 読売新聞)

岐阜市内のナイトクラブで集団感染(クラスター)が発生しているが、同じビルの別の飲食店でも複数の感染者が同定された。エレベーター内での飛沫感染や接触感染の可能性が考えられる。
エレベーターやトイレでの接触感染が疑われるケースは、中国のショッピングセンターにおけるクラスター解析でも報告されている。
https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/26/6/20-0412_article

検査陰性でも感染か (4月3日 西日本新聞)

大分県は3日、同県別府市の会社員40代男性の新型コロナウイルス
感染が確認されたと発表した。男性は、3月27日に感染が判明し
自営業40代男性=大分市=の濃厚接触者の同僚で、県はこの濃厚接触者から感染したとみている。ただ濃厚接触者はこれまで症状がなく、PCR検査でも陰性が確認されており、県は「陰性が確認された無症状の人からも感染するリスクがある症例だ」と指摘する。

ドイツでの支援策 (NEWSWEEK日本語版3月30日)

25日、新型コロナウイルスによる経済への打撃を緩和するための総額7500億ユーロの財政パッケージがドイツ連邦議会で承認された。長年の財政均衡主義を改め、憲法で定められている借り入れ制限を一時停止、1560億ユーロの新規国債を発行する。さらに株式購入や企業への融資提供目的で設立するドイツ復興金融公庫が、必要に応じ最大2000億ユーロの債券を発行する。
ドイツの救済パッケージでとくに注目を集めているのが、フリーランサーや芸術家、個人業者への支援だ。モニカ・グリュッタース文化相は「アーティストは今、生命維持に必要不可欠な存在」と断言。大幅なサポートを約束した。https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/03/post-92928.php
距離をとってメディア対応するメルケル首相

予防措置をとってもライブハウスでクラスター発生(4月2日 ニュースゼロ)

東京で再開したライブハウス。客にマスク着用とアルコール消毒を要請。100席に50人くらいの入場で、客の間隔を空けたが、複数の出演者に感染者発生。

病院の休憩室がクラスターの場になった可能性(4月2日 NHK)

集団感染が発生した病院の解析。医療スタッフや患者もマスク等の感染防止の意識は高かった。しかしスタッフの休憩室での飲食を伴う休憩が、感染拡大につながった可能性がある。

山梨0歳児が重篤 (4月1日 NHK)

両親は陰性。一時、心肺停止に。

イタリアの状況(3月29日ABC サンステ)

7700人の医療関係者が感染、30名が死亡
(イタリア高等衛生研究所の発表)

世界の感染者54万人のうち、5万人は医療関係者 (3月27日 ニュースステーション )

医療関係者への感染は、病院内での集団感染(クラスター)発生、さらには医療崩壊につながります。
日本でも、一部の医療現場には相当の負担がかかています。医療関係者の献身的な活躍に心から感謝しています。

味覚や嗅覚異常が症状のこともある(3月26日 日本テレビ)

韓国の報告。感染者3191人から電話で聞き取りをした結果、15.3%にあたる488人が嗅覚か味覚に問題があると答えた。このうち251人は、嗅覚と味覚の両方に異常があると答えたという。

3月22日には、New York Times誌も、英国鼻病学会会長の話として、「嗅覚や味覚異常が新型コロナウイルス感染症の初発症状となることがある」と紹介している。
https://www.nytimes.com/2020/03/22/health/coronavirus-symptoms-smell-taste.html

台湾の対策(3月22日 NHK)

新学期を2週間遅らせ、その間に準備。
学校で頻繁に検温。37.5度以上は帰宅。手洗いを徹底。
感染者が一人出ると学級閉鎖、2人で休校
オンライン授業を整備。
指揮官に大きな権限。毎日、会見。情報公開。
マスク等も政府が管理し、公平に分配。
健康保険証で購入履歴が管理できる。

武漢の現状(3月22日 NHKスペシャル)

今も、外出は厳しく制限されている。買い物は宅配のみ。発熱外来には列ができている。感染者は毎日出ている。

イタリアの悲惨な状況(3月22日 NHK)

ICUに2倍以上の患者が入院。半数以上が亡くなる。感染予防のため、家族は臨終に立ち会えない。遺体は袋詰めにされ、地中深くに埋葬される。埋葬場所は家族に知らされない。

バンコクで感染者が急増(3月22日 時事通信)

タイ保健省の発表。前日より188人増えて、599人人に。1月13日、中国以外で初めてとなる感染者が確認されたが、その後は微増であった。しかし今月中旬から、バンコクのナイトクラブや格闘技ムエタイの会場で多くの感染者が出ている。
(コメント)
高温多湿のタイでの感染者急増していることから、新型コロナウイルスの勢いが5月6月になって減弱することは期待しない方が良さそうです。

韓国による対策の現状 (3月21日 TBSニュースキャスター)

韓国ではドライブスルー検査などにより、感染者の発見に注力している。検査だけでなく、買い物や図書館など多くのことをドライブスルー化し、Social distanceを徹底している。患者は、軽症、中症、重症、最重症の4つに分類し、異なる対応を取る。企業の研修センターなどを転用し、全国に27か所の生活治療センターを設置。軽症の感染者を隔離している。医師が24時間待機し、重症化に備えている。

PCR検査数の国際比較(3月18日 NHK))

中国は30万件以上、韓国は20万件以上ですが、日本は厚労省の発表で3万件程度。
図はクリックで拡大します。
(コメント)
厚労省のホームページでは1万5千件程度とあります。違いの理由は不明。

「地域医療の危機」感染で中核病院閉鎖 (3月18日 MBS)

医療関係者や患者に感染者が出ると、医療機関は閉鎖を余儀なくされる。兵庫県小野市の北播磨総合医療センターが閉鎖となり、救急医療は隣の市にある加東市民病院等に搬送していたが、加登市民病院も閉鎖となった。
(コメント)
新型コロナウイルスの急速拡大は、他の病気の医療にまで影響を及ぼす。日本でも、医療機関への負担は始まっている。

名古屋南東部の病院から分散を (3月16日 東海テレビ)

名古屋市南東部の病院に新型コロナウイルスの患者が集中していることから、同地区の医療機関の代表が、河村市長に対して、他の病院にも患者を分散させることや、防護服などの不足解消への取り組み要求した。
(コメント)
日本でも、一部の医療機関には超負荷となりつつある。

WHO報道官 (3月18日NHK)

新型コロナウイルスによる発熱時は、イブプロフェンではなく、アセトアミノフェンが推奨される
(コメント)
どれくらいの科学的根拠があるかは発表からは不明

マリア・ファンケルクホーク氏(WHO)記者会見 (3月16日 朝日新聞)

インフルエンザとは違い、子供が感染する確率は大人より低い。子供は症状が軽い傾向があるが、亡くなった子供もいている。弱者として守ることが必要。

イタリアから帰国の2名が検疫で感染確認(3月15日 NHK)

2人は10代と20代。2人とも発熱等の症状なし。

家族5名が感染(3月14日 埼玉新聞)

12日に感染が確認された70歳代女性と同居する40代の息子夫婦、高校生、中学生、小学生の孫全員の感染が確認された。息子夫婦は39度の、高校生の孫は38度の発熱。中学生と小学生の孫は無症状。

安倍首相記者会見(3月14日 各社)

日本の感染者数は、中国、イタリア、韓国などに比べて抑えられている。緊急事態宣言をする状態ではない。この1,2週間が山場とお願いしてから、2週間が経った。多くの方の協力で、一定程度、持ちこたえている。引き続き協力してほしい。卒業式は、保護者はオンラインでの参加にするなど、安全対策を取って実施してほしい。強力かつ柔軟な経済対策を間髪を入れず実施する。PCR検査は現在、1日6000件実施可能。今月中には1日8000件に。これを活用し、クラスターや患者の早期発見、そして重症化予防。12000床のベッドと人工呼吸器3000個を確保している。

男性が感染を知りながら飲食店を訪れ、2次感染 (3月13日 各社)

4日に感染が確認され自宅待機を要請されるも、飲食店へ。12日になって女性従業員の感染が確認される。この従業員は男性の接客はしていないが、男性が来店当初に座っていた椅子に、男性の後に座り、化粧などをしたという。男性の横で接客した女性従業員には感染は確認されていない。
(コメント)ソファ表面からの接触感染が疑われる。
(後日報) この男性は18日に入院先の病院で死亡(産経新聞)

吉村大阪知事 (読売テレビ 3月14日)

大阪の感染者のうち、重症3名、軽症60名、無症状19名、退院7名。21日からは条件付きで、社会活動を再開する。

横浜市立市民病院 立川夏夫医師(報道ステーション3月13日)

20名の感染者を診療。無症状2名、軽症13名、肺炎2名、重症3名。誰が重症になるかという点では、高齢で基礎疾患のある方としか、現状では言えない。重症例では抗HIV薬と投与し、一定の効果はあったように思う。PCR検査を増やすと、軽症例が増えてベッドが埋まってしまう。逆算して、PCR検査数を決める必要がある。本当は、もっと検査して、より多くの重症例に抗HIV薬などの効果を調べる必要がある。

クラボウが15分で判定できる検査キット販売へ(3月13日 各社)

ウイルスに感染した後、血中にできる抗体を検出する。中国の企業が開発したものを輸入。少量の血液を試薬と混ぜることにより、15分で判定できるという。16日から販売。1日10000人の検査キットを供給できるという。
クラボウの発表
https://www.kurabo.co.jp/news/pdf/kurabocovid19.pdf
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