ブラジル、1日あたり死者数で米国抜く 新型コロナ

北米
中南米
2020/5/26 6:03

防護服を着て死者を墓地に埋葬する職員(8日、サンパウロ)

防護服を着て死者を墓地に埋葬する職員(8日、サンパウロ)

【サンパウロ=外山尚之】ブラジル政府によると、同国の24日の新型コロナウイルスによる1日あたりの死者数は653人だった。米ジョンズ・ホプキンス大の集計(日本時間26日午前5時時点)によると、24日の米国の死者数(633人)を抜き、国別で首位となった。米欧では感染のピークを超え感染者数・死者数とも減少傾向が続くが、ブラジルなど中南米諸国は感染拡大が続いており、新たな震源地となりつつある。

米国は4月下旬の約2600人をピークに減少が続く一方、ブラジルは足元で増加が続いていた。週末で死者数の統計が少なくなる傾向にある中ではあるが、ブラジルが米国を抜いたのは集計開始以来はじめて。既にブラジルは累計感染者数が約34万7千人と、米国(約163万3千人)に次ぎ世界で2番目となっている。ブラジルは欧米諸国に比べ検査態勢が脆弱で、水面下での感染はさらに進んでいる可能性が高い。

中南米ではメキシコやペルー、チリといった国でも感染が拡大しており、死者の増加が続いている。各国とも所得格差が大きく、衛生状態が悪い場所に住んでいる低所得者層の感染が問題となっている。

電子版トップ