大会結果
アプリ甲子園2019 大会レポート
予選を勝ち抜いた10組がスパイラルホール に集結し、「アプリ甲子園2019」決勝戦が開催されました。
全国、そして海外からの多数の応募の中から、一次動画・書類審査、二次プレゼンテーション審査会を勝ち抜いて、見事決勝進出を果たした小学6年生から高校3年生までのファイナリスト10組が揃いました。
総合司会者は黒須 優佳利さん、そして現役東大生YouTuberで「QuizKnock」のメンバーとしても活躍中の須貝 駿貴さんです。
緊張した面持ちのファイナリストたちが登壇し、いよいよアプリ甲子園2019決勝戦の開幕です。
ファイナリストは「企画力審査」「技術力審査」の合計点で優勝を競います。
企画力審査では、10組のファイナリストが自ら開発したアプリのプレゼンテーション、
「独創性&新規性」、「消費者支持度」の2つの観点から審査員が行われます。
その後、別室にて技術力審査を行います。
実際に実機を操作しながら「UX・UIデザイン」、事前のプログラムソースコードの開示による「実装力」、「技術チャレンジ」の3つの観点からアプリが審査されます。
5項目×100点、合計500点満点でベストアプリアワードが決定いたします。
大会レポートでは、ファイナリストのプレゼンや質疑応答の様子をお伝えいたします!
審査員紹介
日本のアプリ界を牽引する審査員の方々が揃いました。
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齋藤 精一 氏Rhizomatiks Creative Director / Technical Director
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田中里沙 氏事業構想大学院大学学長 / 宣伝会議取締役メディア 情報統括
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中澤仁 氏慶應義塾大学環境情報学部准教授、博士(政策・メディア)
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鷲崎弘宜 氏早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所所長・教授、国立情報学研究所 客員教授
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竹内秀行 氏株式会社ユーザベース チーフテクノロジスト、株式会社UB Ventures テクノロジーパートナー、株式会社イエソド 代表取締役
- ※順不同
企画力審査
最初は、プレゼンテーションによる企画力審査です。
大人も圧倒される、堂々としたプレゼンテーションが次々に披露されました。
01
筑波大学附属駒場高校 3年生 渡辺隆太郎・兼子孟
Nodes
アプリ説明
レーティング要素を取り入れたサクサク遊べるオンライン対戦ゲーム。
2人対戦の4目並べ。通常ルールに加え、相手の石置きを阻止する「防御」、石全体を動かす「Gravity」を用いて勝利を目指す。5*5の盤面の中で、自分の色の石を縦、横、斜めのいずれかに4つ揃えたら勝利、揃えられたら敗北。
※アプリ説明は本人によるもの
決勝大会トップバッターを飾った渡辺 隆太郎さん、兼子 孟さんによるプレゼンテーション。
暇な時間を使って簡単にできるアプリを、というコンセプトで作られたNodes。
操作性やルールなどチュートリアル画面を用いて分かりやすく説明してくれました。
様々な機能を搭載することで、四目並べを遊びではなく競技として昇華させたとこだわりを見せました。
すでにappストアで公開中で、学校の友だちに実際にレビューをもらったそうです。
サーバーサイド以外は全て自作していて、中でもプレイ中に進化するBGMに注目して欲しいとのこと。
「実際にやってみないとわかりませんよね?」と、QRコードを表示し、「ぜひ暇な時間にやってみてはどうでしょうか。」と締めくくってくれました。
2人の作り込まれたプレゼンテーションに審査員や観客もその場でインストールし、リアルタイムでプレイする様子が見られました。
また、オンライン対戦やシェア機能など、完成度の高さが審査員からも評価されていました!
02
埼玉県川口市立里小学校 5年生 澁谷知希
Famik
アプリ説明
これは熱や症状の推移を複数人分記録できるアプリです。病院に行った時に熱が出た子どもを3人連れたお母さんがいて問診票を書くのが大変そうだったので作りました。
体温や病状を入力すると、熱の推移がグラフ化され、病状の変化も表になってわかりやすく見ることができます。
※アプリ説明は本人によるもの
続いては、今回唯一の小学生、澁谷 知希さんのプレゼンテーションです。
小学生ながら趣味はプログラミングとゲームという澁谷さん。家ではずっと端末でゲームをして充電を減らしていることから「電力使いの知希」と呼ばれているそうです。
Famikは病院の待合室で、3人の熱を出した子供を連れながら問診票を書くお母さんを見て、大変だなと思ったことがきっかけで開発されました。
アピールポイントである音声認識では、お母さんに使用してもらい、体温の表現の仕方の誤認識パターンを約20パターンを洗い出し修。
シェア機能ではLINEやメールですぐに送ることができ、病院検索機能の搭載は自身が骨折した際にもすぐに病院が見つかり便利だったと体験談を交えながら説明してくれました。
お父さんのコーディング画面を見てかっこいいと思ったことがきっかけでプログラミングを始めたという澁谷さん。
とても実用的な本アプリに、審査員からは連携機能や追加機能を望む声が上がり、今後にとても期待されていました!
03
愛知県立一宮興道高等学校 3年生 坂井田逸斗
ピックアップ通知音
アプリ説明
LINEの通知音・着信音を、個別に、それぞれ好きな音に設定できます。
現在LINEアプリ単体では個別に音を設定する機能は実装されていません。
特定の人だけ音を変えることで、誰から届いたのか、画面を見ずに分かるようになります。
また、予め設定した単語がメッセージに含まれると音を変える機能もあるので、急ぎの内容にも気づきやすくなります。
※アプリ説明は本人によるもの
ピックアップ通知音LINEの音を個別に設定できるアプリを開発したのは坂井田 逸斗さん。
「LINE」を使っている人は手を挙げてください!という坂井田 の一言には観客席ほぼ全員手が挙がり、ターゲット数の多いアプリということを感じさせました。
通知音が同じだど、誰から届いたのかわからずすぐに反応がもらえなかった自身の経験から開発されたアプリです。
ガラケーと呼ばれる携帯電話の時代には個別に着信音を設定できたのに、スマートフォンではできない。
カスタマイズ性が上がるといいと思っているユーザは多いところにピックアップ通知音は着目したそうです。
ドキドキしながら待つアプリ甲子園からの通知別の音が違ったらいいですよね?という問いかけには観客席も納得の様子でうなずいていました。
すでにリリース済みで、レビューを参考に改良を重ね、ダウンロード数はなんと5000ダウンロード以上!
審査員からの、秘密にしたい人からの通知オフは高額でも需要があるのでは?という意見で会場はとても盛り上がりました!
04
千葉県立一宮商業高等学校 3年生 谷津俊輔・愛野茜太・井上大斗
ApRo
アプリ説明
私たちは「誰でも」「楽しく」プログラミングができないだろうか。というコンセプトのもと「ApRo」を開発しました。
誰でもプログラミングができるために、ApRo独自の「プログラミングブロック」を利用することで、新しいプログラミング方法を考案しました。
そして、現在様々な場面で可能性が試されている「AR」の技術を実装することにより、プログラミングにリアリティを持たせ、より楽しめるようにしました。
この二つを組み合わせたアプリケーションが「ApRo」です。
※アプリ説明は本人によるもの
小学生にわかりやすく楽しく学習することを意識して開発され、プログラミング教育に関心の高い審査員からコメントが多く寄せられたのが本アプリ!
谷津 俊輔さん、愛野 茜太さん、井上 大斗さんの作品「ApRo」から代表で谷津 俊輔さんがプレゼンテーションしてくれました。
谷津さんの所属する部活では、毎年地元の小学校に出張授業を行なって、PCの使い方アプリケーション活用方法を教えているそう。
そこで、小学生が楽しんで学べるアプリができないかと思いApRoを開発しました。
小学生でも直感的にプログラミングができるよう工夫されていて、プログラミングをAR上で動かし、実際に3Dキャラが動くことで
勉強していることを意識させない作りになっています。
ARを使うことで視覚的に楽しく、新たな学習と学びの探求を刺激すると力強くプレゼンテーションしてくれました!
また、プログラミング教育に関心の高い審査員からの質問が多く、今後の展開にも期待されていました!
05
三田国際学園高等学校 3年生 山口響也
Crashit
アプリ説明
現在リリースされているARアプリの多くは、ARである必要性がないものが多く、使われない傾向にあると感じます。そこで、ARならではのアプリを作ろうと考えこのゲームを開発しました。このゲームは、限られたボールの数で多くのブロックを壊しハイスコアを目指すゲームです。
このゲームの最大の特徴は、デバイスそのものをリフレクターとしてゲーム内オブジェクトに使い、ボールを跳ね返していく点です。これによって、ARでしかできない新しいゲーム体験が生まれます。指先だけでプレイする2次元のゲームとは違い、体全体を使って3次元的にプレイするため、スポーツに似た面白さがあります。
※アプリ説明は本人によるもの
「ゲームとスポーツの違いとはなんでしょうか?」という言葉からスタートした山口さんのプレゼンテーション。
指先だけではなく、スポーツのように体全体を使ってどんな人でも楽しめるアプリを開発したいと、
ARを利用したブロック崩しゲームが楽しめるCrashitが誕生しました。
ARを使ったプレイ画面は迫力満点!
直感的で誰にでもわかりやすいデザインを意識し、アイコンやアイテムの画像はすべて自作しているそう!
デザインにもこだわったというだけあってプレイ画面もプレゼンテーション資料もとてもおしゃれでした。
プレイ中に効果音や振動を取り入れ、聴覚・触覚からもゲームを体験できるよう工夫し、
こだわりである「スポーツのようなゲーム体験」に近づけています。
審査員からも、「手だけでプレイするとすぐにゲームオーバになる。体全体を使わないといけない。まさにスポーツのようなゲーム」とコメントがありました!
「年齢問わずカッコいいと思えるデザイン。」とデザイン性の高さも評価されていました!