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伊勢物語『筒井筒』(さて、年ごろ経るほどに〜)の品詞分解(助動詞・動詞など)
著作名: 走るメロス
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伊勢物語『筒井筒』

このテキストでは、伊勢物語の23段「筒井筒」の「さて、年ごろ経るほどに〜」から始まる部分の品詞分解を行っています。3回にわたって解説していますが、今回はその2回目です。



※前回のテキスト:「昔、田舎わたらひしける人の〜」の品詞分解

※現代語訳:「さて、年ごろ経るほどに〜」わかりやすい現代語訳

品詞分解

※名詞は省略しています。


さて、年ごろ 経るほどに、女、親なく、頼りなくなるままに、もろともにいふかひなくてあらむやはとて、河内の国高安の郡に、行き通ふ所いできにけり。

さて、接続詞
年ごろ
経るハ行下二段活用「ふ」の連体形
ほど
に、格助詞
女、
なく、形容詞・ク活用「なし」の連用形
頼り
なく形容詞・ク活用「なし」の連用形
なるラ行四段活用「なる」の連体形
まま
に、格助詞
もろともに副詞
いふかひなくて形容詞・ク活用「いふかひなし」の連用形
あらラ行変格活用「あり」の未然形
推量の助動詞「む」の終止形
やは係助詞または終助詞
格助詞
て、接続助詞
河内
格助詞
高安
格助詞
に、格助詞
行き通ふハ行四段活用「いきかよふ」の連体形
いできカ行変格活用「いでく」の連用形
完了の助動詞「ぬ」の連用形
けり。過去の助動詞「けり」の終止形



さりけれど、このもとの女、悪しと思へる気色もなくて、いだしやりければ、男、異心ありてかかるにやあらむと思ひ疑ひて、前栽の中に隠れゐて、河内へいぬる顔にて見れば、

さりけれど、接続詞またはラ行変格活用「さり」の連用形+過去の助動詞「けり」の已然形「けれ」+接続助詞「ど」
代名詞
格助詞
もと
格助詞
女、
悪し形容詞・シク活用「あし」の終止形
格助詞
思へハ行四段活用「おもふ」の已然形
存続の助動詞「り」の連体形
けしき
係助詞
なく形容詞・ク活用「なし」の連用形
て、接続助詞
いだしやりラ行四段活用「いだしやる」の連用形
けれ過去の助動詞「けり」の已然形
ば、接続助詞
男、
異心
ありラ行変格活用「あり」の連用形
接続助詞
かかるラ行変格活用「かかり」の連体形または連体詞
断定の助動詞「なり」の連用形
係助詞
あらラ行変格活用「あり」の未然形
推量の助動詞「む」の連体形
格助詞
思ひ疑ひハ行四段活用「おもひうたがふ」の連用形
て、接続助詞
前栽
格助詞
格助詞
隠れゐワ行上一段活用「かくれゐる」の連用形
て、接続助詞
河内
格助詞
往ぬるナ行変格活用「いぬ」の連体形
にて格助詞
見れマ行上一段活用「みる」の已然形
ば、接続助詞



この女、いとよう化粧じて、うちながめて、「風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ」と詠みけるを聞きて、かぎりなくかなしと思ひて、河内へも行かずなりにけり。

代名詞
格助詞
女、
いと副詞
よう形容詞・ク活用「よし」の連用形「よく」のウ音便
化粧じサ行変格活用「けさうず」の連用形
て、接続助詞
うちながめマ行下二段活用「うちながむ」の連用形
て、接続助詞
「風
吹けカ行四段活用「ふく」の已然形
接続助詞
格助詞
白波
たつた山
夜半
格助詞
係助詞
代名詞
格助詞
ひとり
越ゆヤ行下二段活用「こゆ」の終止形
らむ」現在推量の助動詞「らむ」の連体形
格助詞
よみマ行四段活用「よむ」の連用形
ける過去の助動詞「けり」の連体形
格助詞
聞きカ行四段活用「きく」の連用形
て、接続助詞
かぎりなく形容詞・ク活用「かぎりなし」の連用形
かなし形容詞・シク活用「かなし」の終止形
格助詞
思ひハ行四段活用「おもふ」の連用形
て、接続助詞
河内
格助詞
係助詞
行かカ行四段活用「いく」の未然形
打消の助動詞「ず」の連用形
なりラ行四段活用「なる」の連用形
完了の助動詞「ぬ」の連用形
けり。過去の助動詞「けり」の終止形


※つづく:筒井筒「まれまれかの高安に来てみれば〜」の品詞分解

※現代語訳:「さて、年ごろ経るほどに〜」わかりやすい現代語訳

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