その魅力は食感だけでなくだしにあり「アスパラと鶏ハツのさらさら中華がゆ」

今週も旬のアスパラガスを使ったレシピシリーズ。でも今回の主役は、鶏の心臓「ハツ」です。こりこりとした食感が特徴的なハツですが、実は意外にもいいだしが出るんだとか。ぜひお試しください。

cakes読者のみなさま、こんにちは。

家で料理をしていると、自分の料理に飽きてくることがあります。でもそんなときはちょっと実験気分で、いつもはあまり使わない素材を使ってみるのはいかがでしょう。思いがけず新しい味に、にやっとするような発見があります。

たとえば、私は鶏の手羽先が好きで、スーパーマーケットの肉売り場に行くと、とりあえず手羽先を手にします。一番多く作っているのはおそらくスープなのですが、夕飯を急いでいるときはそこにご飯や麺を加え、薬味や青菜などを適当に入れ、小鍋料理にすることが多い。鶏手羽先のだしの、あっさりしてるけどうまみがぎゅっとした感じが飽きないんです。ポルトガル料理にも、鶏をまるっと煮て作る「カンジャ」というスープがあり、以前この連載でも紹介していますが、スープの底の方には、柔らかい米か、くたくたに茹でたショートパスタが入っていて、食べるスープのようでもあります。安くて簡単だから、どこの家庭でも作るポルトガルの定番料理ですが、私はこれも好きで、丸鶏の代わりに手軽な手羽先で作っています。

でも、です。いくら好きなものでも、頻繁に食べると飽きる。自分が平気でも家族が飽きる。よし、もう今日は手羽先は買わない。違うものを買うぞ。そう思いながら肉売り場を覗いていたら、手羽先の隣に並んでいた鶏のハツにふと目が行きました。そうだ、ハツでだしを取ろう。ちょうど「料理通信」5月号の肉特集で、青山の中華風家庭料理「ふーみん」の斉風瑞さんが、ハツのだしを紹介しているのを読んで気になっていたのです。

ハツは食感が面白いので、茹でて酢やゴマ油をかけておつまみにすることがあります。でも、その茹で汁をだしとして料理に使うという発想は、なかった。全然なかった。だから斉さんのハツだしの記事を読んで、目から鱗でした。早速ハツを買い、茹でてだしを取る。するとこれがまた、すっきり上品で豊か。手羽先ほど強くはないけれど、しっかり味が出ている。しかもあっという間にできる。5分もあればできるんです。さすがふーみん。台湾家庭料理恐るべし。ささやかな、でもしっかり手ごたえのある喜びは、キッチンでにやりって感じです。ふーみん、新しい味をありがとう。

ハツを茹でるのは正味1分程度。だから食感はプリっとしています。これはいっそお米を入れて中華風雑炊にして、ハツも具として一緒に食べたい。うまみの濃いアスパラと合わせると、食感も味わいも違って面白い、上品な雑炊になるはず。そんな感じで、この「アスパラと鶏ハツのさらさら中華がゆ」ができました。

最近は、料理ができるとテーブルで小6女子が待ち構えているので、味見をしてもらい、コメントをもらいます。前回ご紹介したアスパラご飯も食べているので、どっちが好きかと聞いてみました。彼女的にはハツの雑炊の方が、食感や味の加減が好みだそう。へえ、面白い。てっきり肉がたっぷりのアスパラご飯かと思っていたので、子どもはこういうの好きだよね、って思い込みが強いことをちょっと反省。

というわけで今回も、大人も子どもも喜ぶ、なおかつ呑める路線です。合わせるワインは、ポルトガルのヴィーニョヴェルデです。

初夏なのに急に寒くなったりする日が多いですが、そんなときは温かい雑炊をどうぞ。

では、パパッと作っていきましょう。

Menu do dia 本日のメニュー

「アスパラと鶏ハツのさらさら中華がゆ」

材料(2人前)

アスパラ 4本
鶏ハツ 200g
ご飯 茶碗2杯分
しょうが 1片
にんにく 1片
長ねぎ青い部分 5㎝
酒 大さじ2
水 500cc
塩、黒こしょう、ゴマ油 各適量

つくり方

アスパラは下のかたい皮をむき、根元のかたい部分を切り落とし、むいた皮ごとかために茹でる。ざるに上げて冷まし、ハツと同じぐらいのひと口大に切る。

ハツは縦半分に切り、中の血合いなどの汚れを水でよく洗ってざるに上げ、水けを切る。ここでしっかり洗っておくと、スープもクリアに仕上がる。この料理の一番のポイント。

鍋に水、ねぎの青い部分、しょうが、にんにく、酒を入れて沸かす。沸騰したらねぎを引き上げ、ハツを入れる。アクを取りながら約1分茹で、ざるに取る(写真ではわかりやすくするためにスープをボウルにとっていますが、スープは鍋に入れたままで大丈夫)。

鍋のスープを再び沸かし、ご飯を入れて軽く煮る。味を見て塩で調え、茹でたハツとアスパラを加え軽く温める。器に盛り、風味づけにゴマ油をまわしかけ、好みで黒こしょうを挽く。

さてさて、一緒に何を飲もうかな。

今回合わせたのは、ポルトガル北部のミーニョ地方で作られている緑のワイン、ヴィーニョヴェルデ。ごく微かにシュワっとする、控えめな微発泡の白。柔らかい飲み口に上品な酸で淡白な味わいの肉や魚と相性よしです。

「トーレ・デ・メナージェン・ヴィーニョヴェルデ2018」1320円(税込)

それでは、上品なハツだしとアスパラの旨味が楽しい雑炊と、香り華やかで上品な酸のヴィーニョヴェルデ白で、良い週末を!



馬田草織さんのnoteはこちらです!

ケイクス

この連載について

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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