(cache)新型コロナ、糖尿病と腎臓病の人はどうすればいい? 専門医に聞いた (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット) AERA dot.

新型コロナ、糖尿病と腎臓病の人はどうすればいい? 専門医に聞いた

濱田ももこ,白石圭,狩生聖子週刊朝日#ヘルス#新型コロナウイルス#病気
(左から)防衛医科大学校病院 感染症・呼吸器内科教授 川名明彦医師、順天堂大学順天堂医院 糖尿病・内分泌内科科教授 綿田裕孝医師、東京大学病院 腎臓・内分泌内科教授 南学正臣医師

(左から)防衛医科大学校病院 感染症・呼吸器内科教授 川名明彦医師、順天堂大学順天堂医院 糖尿病・内分泌内科科教授 綿田裕孝医師、東京大学病院 腎臓・内分泌内科教授 南学正臣医師

新型コロナウイルス感染者の重症化の疾患別割合 (週刊朝日2020年5月29日号より)

新型コロナウイルス感染者の重症化の疾患別割合 (週刊朝日2020年5月29日号より)

 新型コロナウイルスに感染した28歳の力士が死亡した。糖尿病を患っていたという。重症化しやすいのは、高齢者や基礎疾患を持つ人だ。なかでも糖尿病・腎臓病を持つ人が通常の治療をどうすればいいかなどを専門医に取材した。

【データを見る】重症化しやすい傾向にあるのは?感染者の重症化の疾患別割合はこちら

*  *  *
 基礎疾患を持つ人は新型コロナウイルスに罹患すると重症化しやすいとされるが、どの基礎疾患がその傾向にあるかを示す報告が出ている。米疾病対策センター(CDC)の調査は、アメリカの7162人の患者(2020年2月12日~3月28日)を分析している。入院してICU(集中治療室)に入った、つまり重症化した患者は457人。うち、糖尿病患者がもっとも多く32%を占め、続いて心血管疾患が29%、慢性肺疾患が21%、慢性腎疾患が12%となっている。

 防衛医科大学校病院感染症・呼吸器内科教授の川名明彦医師は説明する。

「基礎疾患を持つ場合、新型コロナウイルスに感染すると重症化する可能性があるため、感染症対策は神経質すぎるくらいに気を付けてほしいです。3密を避ける、マスクを着用する、石鹸を使用した手洗いやアルコール消毒で手指の衛生を保つ……基本的な感染症対策は通常どおりです。それに加え、できれば医療機関に行く機会を減らすことが重要になります」

 糖尿病と新型コロナウイルス感染症重症化の間の因果関係は明らかにされていない。データによれば、確かに重症化する人の中に糖尿病患者は多い。

「しかしほかにも喫煙や肥満が重症化と相関しているというデータもあり、何が重症化の大きな原因となるのかははっきりしません」

 と、順天堂大学順天堂医院糖尿病・内分泌内科科長(教授)の綿田裕孝医師は言う。

 また、糖尿病を患っているからといって、新型コロナウイルス感染症が特別な経過をたどるわけではない。特別な治療が必要ということもない。ただ綿田医師によると、感染症が流行する現下では、普段より一層、血糖コントロールに注意する必要がある。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

あわせて読みたい あわせて読みたい