ウチの台所(流し台)は昔のツクリなんで低い。測ってみたら80センチもなくて、78センチだった(私の股より低い)。昔はこれぐらいが標準だったのかもしれないけど、けっこう腰を曲げなくてはいけないのでつらい(腰痛持ちである)。足を広げて腰の位置を下げるといっても、限度があるし。
水道の蛇口の位置が低いのだけど、わきにつけてある瞬間湯沸かし器の蛇口を、けっこう高い位置で使うと腰をあまり曲げないですむので楽ではある。
が、そうすると、シンクの内側で洗い物をすることができず、水はねが盛大におこる。自分のおなかはびっしょりになるし、キッチンの下も濡れる(台所仕事をしない人は、シンクの底で跳ね返ることを想像するだろうけど、実際は、皿や茶碗を洗っているときに、そこから跳ねる水のほうが圧倒的に多い。QAとかで、シンク底からの水はねのことしか答えない人は、台所仕事をしない人だ)。
ま、お腹に関しては、サロンスタイル(前掛けスタイル)じゃない、胸当てのあるエプロンをすればなんとかなるともいえるけど、水はねそのものはどうにもならない。
それを、たったの200円でどうにかしようというのがこの記事のねらいである。
ダイソーで買ってきたプラスチックの板。PPとあるから、ポリプロピレンだろう。→16年2月追記:現在では、これと同じものはダイソーでは売ってないようです。記事下の追記を参照してください。
お金持ちの人は、ホームセンターやハンズみたいな店で、もっと高価なアクリルとかの板を買ってもいい(そんなところにカネ使っても意味ないけど……つか、固い素材は手をケガしたりする原因になるかも。ちなみに、まな板みたいに使えるプラ板もあるけど、あれは表面がつるつるじゃないので適さない)。
同じく百均のキャンドゥで買ってきたビーンズマット。
これがビーンズマットという名まえだったのを初めて知ったのだけど、裏表に吸盤がついてるマットのこと。洗面台にセッケンを置くときに使ってるウチがあるだろう(そういう使い方しか見たことないので、セッケン置きだとばかり思っていたのだけど、違うんだねぇ)。← 同じ仕組みで違う製品もある(記事下の追記参照)。
以上、〆て200円。
正確には210円だけども、プラのシートは3枚入りで、そのうち1枚しか使わないので140円だともいえる。
さて、これを素材に加工をするわけだけども……と言いたいが、加工はしない。そういうことは不要である。そのまま使う。
どうするかというと、こうするのだ。
シンクの奥から見てみると、こうなっている。
ビーンズマットをシンクの内側に貼り付け、そこにプラ板を貼り付けるという、ただそれだけだ(ビーンズマットはぬらしてから貼り付けると、吸盤の吸着力が上がる。乾いたままだと、あまりにはがれやすい)。
よっぽど横幅の広い人はどうだかわからないが、このサイズでだいたい自分のお腹はカバーできる。
お腹だけでなく、外に出ようとする水はねの8~9割はガードできてるような感じで、とてもいい。
およそ15センチはかさあげできてるので、安心して高い位置で洗い物ができる(あんまり高くするとじゃまになるので、調節すること)。
これでもちょっと、という場合は、これを2つ並べて設置すればよい。プラ板はあるので、ビーンズマットをもう一つ買えばいいのだ(じゃなかったら、マットを半分に切っても使えると思う)。
最初は磁石でくっつけようかとも思ったけど、基本的にステンレスには磁石がくっつかない(わずかにつくけど、こういうものを支えるほどの力は出ない)。
板に穴を開けて吸盤をつけて……などとも思ったけど、それ用の吸盤をさがしたり、加工をするのがめんどくさかった。
いろいろ考えたのだけど、だんだんハナシがオオゲサになっていったりして、行き詰ったりもした。
そんなある日、スーパーの生活用品(台所用品)のところをぶらついていたら、ひらめいたのであったよ(刺し身のタコを見て思いついたならおもしろいが、そうじゃなかった)。
これのいいところは、なんといっても安上がりなところと、取り付け取り外しが簡単なところだろうか。まな板を置くから外す、シンクを洗うから外す、というときも、ベリっと剥がせば1秒ですむ。
勢い余って板に手をぶつけたりしても、簡単に外れるので痛くないし、そもそも板は薄くてすぐにゆがむから、ケガのもとになったりすることもない(しかも、板は最初からカドが丸くなっている)。
ポロプロピレンはタッパー(密閉容器)の素材だったりもするし、他の洗い物が終わったら外し、最後にざっと水をかけ流してすすげば清潔さも保てる。
ま、ヘンに丸くて曲面ばかりの洗面台みたいなシンクだと、取り付けられないかもしれないが。
グーグルで調べると、水はね防止のスクリーンだとかガードだとかプレートだとかが候補に出てくるけど、そうやって調べてヒットするのは、カウンター式(オープン式)キッチンの、自分とは反対側の水はね防止スクリーンばっかり。そんなのは、カウンター式にするのが間違いなんだから、どうでもいいのだ。売ってるんだから、ほしければ買えばいい。
そうじゃなくて、古くて低いキッチンの場合の、奥じゃなくて手前、つまり自分にかかる水はねをどうにかしたいのだけど、そういう製品がないんだよね~……調べ方がわるいのかもしれないけどさ(※)。
んで、ウチの場合は湯沸かし器の蛇口が使える(シャワーにもなるし)のでいいのだけど、水道の蛇口が低い場合はガードをつけても根本的な解決にならない。そういうときは、ちょっと大きめのホームセンターに行って探し、交換用のを買ってきて付け替えるといいと思う。
水とお湯の混合水栓、とくにヘンなカッコのやつだとやっかいだろうけど、そういうのが付いてるのは比較的新しいキッチンだろうから、高さ的にも問題ないんじゃないだろうか。
水栓一式だと高価だし、交換もめんどうだけど、蛇口(パイプの部分)だけならそれほどおカネはかからない。水道の元栓を閉める必要もないし、プライヤーがあれば自分でも交換できる(プライヤーでくわえるときは厚紙とかを挟むと傷になりにくい。できればレンチのほうがいいが。んで、交換する場合は、泡沫蛇口といって、水流に泡を入れるものが水はね防止と節水の点で勧められる。キッチンシャワーをつけてもいいだろうが、その分だけ水の出口は下がる……逆に、シャワーをつけるなら水の出口は上げておきたい)。
こういうもののほか、キッチンシャワーの分だけ少し上げる、という蛇口も売ってる。
とにかく腰痛持ちにとって、腰をかがめての作業というのはとてもつらい。
台所での洗い物とかがそうなのであったら、蛇口(パイプ)を交換して、水はね防止プレートを設置しよう(上の絵のようなものの実例。ヘンな混合水栓でなければ、一式買っても安いものだが、交換がめんどうだろう)。
キッチンそのものを交換(リフォーム)とかいう話になると、数百円とか数千円じゃすまない(交換ではなく、台座をかませて持ち上げることもできなくはないようだけど、いずれにしろ大工さん仕事だし、持ち家ならともかく賃貸ではむずかしいだろう。蛇口パイプの交換だけなら、モトのを保管しておいて、退出するときに元に戻せばいいだけだ)。
↓
追記:こんな感じの蛇口パイプが、大きなホムセンにいけば売っている(ホムセンの規模によって、品揃えがぜんぜん違うので注意。これは大きめのドイトの店)。ふつーの丸パイプのなら1500~3500円程度で買えるだろう。長さや高さがいろいろなので、想像力を働かせて「これをつけるとこんな感じ」ってのをよく考えて選ぼう。パイプの径とかネジの種類がわからなかったら、自分チのを外して持っていって、店員さんに相談するとよい。キッチンシャワーとか蛇口用浄水器をつけるつもりなら、出口がネジになってるのがいいと思う。実際に交換する場合はこんなことに気をつけるといいようだ(とくに通販で買う人は、間違えたら目も当てられないことになるやもしれない)。下写真はサイズを大きくしておいたので、よーく見てほしい。
注
とんでもない自分勝手な勘違いをする人もいなくはないだろうから書いておくけど……これはプラスチックなんだから、コンロの油はね防止には使えないからね。そういうのは市販のてんぷらガードみたいのを使うこと。
あと、PPの耐熱温度は100度以上あるので熱湯で洗ってもだいじょうぶなはずだけど、やわらかくなってゆがむ可能性があるので、洗うときは熱い湯は使わないほうがいいと思う(まな板などにやる「熱湯消毒」みたいのはしないほうがいいと思う)。
ミクの歌で「ネギケーキの作り方☆」という曲。
しょうもない歌だけど、意外と曲はいい♪
ベースがアレなんで、かわいいんだけどもスライを思わせるといったら言い過ぎか……言い過ぎだろうな、うん。いやでも、これをスライふうにリミックスしてほしいな。
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お手本。
スライの「If You Want Me To Stay」という曲。
ちょー渋カコイイ!!
※
よく調べたらベルメゾンで売ってた(下の写真)けど、これは吸盤が大きいから、簡単にベリッと剥がせないな。付けたら付けっぱなし、という使い方を考えているんだろう。必要時だけ(エプロン代わりのような感じで)付けるというのなら、私が考えたほうが優れていると思う。
ま、腰痛対策としては、シンクに寄りかかれるようにするマットみたいのも売ってるけど、ほぼ直立したまま洗い物ができれば、あまり問題ないんだよね。
追記
アマゾンでも安いのが売ってたわ(お店によってはもっと安かったりするみたい)。どうして探しているときにはみつからないで、てきとーに検索してるとヒットするのだろう。検索キーワードがまずかったんだろうなぁ(つか、全部見てはいなかったからなぁ)。まぁ、探せなかったから200円ですんだといえるけど。
また追記
思った以上のアクセスがあってびっくり! キーワードによっては、かなり検索の上位にくるのにもびっくり!
ということなんだけど、おそらく大部分は本文で「どうでもいい」と言っている、オープンキッチンの奥(自分とは反対側)の水はね防止について調べているんだろうと思う(あと、洗面台の水はね)。そういう記事じゃなくて残念でした。
んで、私のような腰痛持ちにとっては蛇口が低いのはつらい(腰痛持ちじゃなくても、背が高い人にとってはキビシイだろう)のだけど、逆に(?)蛇口の位置が高いから水はねがするというような感じのキーワードで来てくれた人もいた。
そういうときは、キッチンシャワーとか、「すずらんソフト」みたいな蛇口につける水はね防止グッズを使うと違うと思う(ドボドボというシンクに当たる音も減るはず)。
あるいは、本文でも提案している蛇口パイプの交換だ。泡沫のフレキシブル蛇口とかにすれば、今のよりは蛇口の位置が下がる、はず(水栓の形式にもよるが)。← ただ、泡沫蛇口にすると、たしかに水は跳ねないが、泡がはじけるビチビチいう音がうるさいかもしれない。音の点ではすずらんソフトみたいのが静かだ。
シンクの底に置く水はね防止マットみたいのもあるけど、百均で売ってる人工芝で代用できる。けど、水しか流さないならともかく、こういうのは汚れるので、もっと洗いやすいマットみたいのがいいと思う。昔のシンクマットは塩ビとかでツルツルしてたけど、今は「しっとり」という感じのシリコンゴムのソフトなやつがある。すべりにくそうだし、いいと思う……使ったことないけど(笑)。
こういうことも、水はね防止パネルと同時に考えるといいんじゃないだろうか。
さらに追記
ダイソーをはじめとした百均では、A4サイズよりも大きなプラ板が売ってなかった(もっとペラペラのシートはある)のだけど、こういうのを発見した。
A3サイズのカードケース(このサイズでも、中に入れるのは「カード」なのだろうか?)で、材質はポリプロピレン。
もっと透明で硬い素材のカードケースもあるけれど、あれはちょっと加工がしにくそうなので敬遠してたのだが、これなら簡単そうだ。
なにが簡単かというと、ハサミで切るという加工だ。
カードケースだから、これは2枚合わせになっている。
しかし、フチを切ってしまえばバラバラになる。
そのうちの1枚のカドを丸めて使えばよいというわけ(大きすぎるなら、もっと小さくすればよい。きれいに仕上げたかったら、定規をあててカッターで切るのもよいだろう。もちろんめんどくさかったらそのまま使えばいいだろうが、中に水が入ってカビたりする可能性もなきにしもあらずだと思う)。
というわけで、1枚にして、カドを丸めたもの……の上に、今まで使っていたA4サイズの板を置いた。倍のサイズということがわかると思う(下のやつは薄くてわかりにくいと思うが)。
使ってるところ。
吸盤マットはひとつでもだいじょうぶだった。
板の厚さはけっこう薄いのだけど、いちおう自立するぐらいの硬さはある(ちょっと曲がっているのは、店から持ち帰るときに曲げたから。つまり、半分に曲げられるぐらいにやわらかい)。
ま、シールド範囲(?)を広げたければ、A4サイズのを2枚使えばいい(洗ったり収納したりすることを考えると、そのほうがよさげ)のだけど、わざわざこの記事のために買ってきたというわけです、はい。 ← などと言いつつ、これを作ってからというものの、これっばっかり使ってる。
なお、自立といっても「やっとこさ」という感じなので、もっとしゃきっと立たせたいなら、上のベルメゾンの製品のように、はじっこを折り曲げるといい。折り曲げても割れたりはしない。
※
ビーンズマットのほか、キャンドゥにはくっつくマットというのがある(吸盤のサイズが少し大きい)。
んで、同じ百均のセリアには、便利な両面吸盤ピッタンコというひし形のが売ってたのを発見(キャンドゥ以外には売ってないかと思ってた)。
↓
※17年3月現在、セリアでは「ピタッ!と吸いつく!吸着シート便利な両面吸盤」(下写真)というのが売ってました(商品名と形状が変更になったんでしょうか)。
※追記:
この記事で使ったカドが丸くなってるPPシートは、16年現在ではダイソーには置いてないみたいです。いまあるのはこのよーな、大きなシートです。
これでいいのであったら、これを使ってください(薄いやつのほうがいいと思います。あと、吸盤につけるので、つや消しではなく両面光沢というのがいいです)。自分で切ってサイズ調整をするのであれば、こちらのサイトを参考に、きれいに加工してみてください。
じゃなかったら、上で使っているカードケースを流用してください(これぐらい薄ければ、シンクのコーナーにあわせて曲げることもできると思います。洗面台にもつけられるかもね)。
A4サイズの下敷きというのが、ダイソーおよびキャンドゥにあると思う(他の百均は未確認)ので、それを使ってもいいでしょう(カド丸なので安全です)。ダイソーでは透明のものしかないようですが、キャンドゥには赤や緑のものもあります(マーカーを使って暗記するとき用ですね)。
どれも1枚100円ということで、ちょっと高価になってしまいますが、売ってなければしょーがないです。
これらのものがどーしても手に入らない場合は、ふつーの下敷きでもいいんじゃないでしょうか(サイズが足りなかったら2枚使うとか)。
使えるサイズでつるつるの板であればなんでもいいんで、こーゆーのでもいいかも(これはセリアにて)。
いろいろ考えてみてください。
※16年9月追記:
この記事作ったときに買ったビーンズマットですが、5年近くたってこーなりました。
少し変質(色が変わってるのは、日に焼けたんだと思います)してゴムが固くなり、一部の吸盤が破損してます。これでもまだ使えますが、あきらかに吸着力は落ちてるし、プラ板に触るだけで外れたりします。そろそろ買い替え時でしょうかね。でも、100円でこれだけ持てば充分ですよね。
プラ板のほうは、ぜんぜん問題ないです(上で、でかいのを使ってると書きましたが、置き場所とかの問題で、A4サイズのを使ってます、いまは)。
私は身長170cmなので、我が家の昭和規格の流し台では、
長時間洗物や調理をすると、腰が痛くなります。
今年、蛇口と直結型の浄水器を取り替えたら、
蛇口の位置が高くなり、洗い物しやすくなりました。
でも水跳ねが盛大になり、いつもお腹周りが濡れてしまいます。
検索したQ&Aでは、「どんな洗い方をしているのか」と
質問者を蔑むような解答が多く、気分が悪くなりましたが、
こちらのアイデアを拝見して、救われました。
流し台の縁の固定式のかさ上げしか考えてなかったのですが、
これなら簡単にできますよね。
以前の記事なので、このコメントもご覧になる事はないかもしれませんが、
感謝の気持ちを伝えたくて、書かせていただきました。
ありがとうございます。