【ニューヨーク=清水石珠実】米ニューヨーク市は21日、無料の食料配布を強化する方針を明らかにした。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、市民の約4人に1人が食料を十分に確保できない可能性が出てきたためだ。24日以降、従来の3倍に近い1日あたり150万食を提供する。
同市のデブラシオ市長は21日の会見で「市民をおなかをすかせた状態で放置するようなことはしない」と語った。十分な食料を確保できない市民の数は当初、百万人程度と見積もっていたが、コロナ危機で2百万人以上に急増したという。普段から市の宅配を使う高齢世帯などだけでなく、コロナ禍で急に失業した「中流家庭」なども対象となる。
3月中旬から同市は、休校の影響で食事の確保が難しくなった子供を持つ家庭などを対象に食事の無料提供を行っている。その数はすでに3200万食を超えたという。今回の取り組みは、1日の配布数を3倍近くに増やす野心的な試みで、費用は1億7千万ドル(約180億円)に上る見通し。