---------------------------
----Y----040----------
----e-----------------------------
----l-----------------------
----l------------------------------
-----------------------------------
-----------------------------------
---------------------------------------------------------------
(鳥の鳴き声)
回想 (田中)「俺に何かできることなかね?」と聞くと清水は言いました。「早稲田ば勝たしてくれや。それが一番の楽しみやけん」って。
俺は そん時 気付いたとです。野球ば頑張っとる人のラジオば聞いて頑張れる人がおる。
頑張ることは… つながるんやって。
♪~
(裕一)団長。うん?
書けました。
先生…。うん?
「紺碧」の「碧」が「壁」になっとります。
ご… ごめん。
♪~
♪「泣いて 生まれて 響く命」
♪「きっと嬉しくて 笑っているんだ」
♪「僕らはきっと 出逢うでしょう」
♪「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」
♪「きっといつか今日の日も意味を持って ほら」
♪「耳をすませば」
♪「星の見えない日々を 超えるたびに」
♪「互い照らすその意味を知るのでしょう」
♪「愛する人よ」
♪「親愛なる友よ」
♪「遠くまで 響くはエール」
(事務局長)君たち! もう小山田先生に曲を…。
(小熊)失礼しま~す!あっ…。
ラジオば かけときますけん試合終わるまで辛抱しとって下さい。
失礼します。
お前たち!(一同)はい!
慶應との決戦が始まるばい。
この3年間の屈辱ば晴らす時が来たと!
「紺碧の空」で 「若き血」をば倒す!
(一同)はい!聞こえんばい!
(一同)はい!!早稲田 ここにあり~!
(実況)早稲田と慶應の一戦注目の戦いを前にして球場は満員の観客で埋め尽くされております。
(御園生)ハハハ… んっ?
んん~!
(実況)戦雲たれこめる神宮球場凱歌 いずれにあがるや!?慶應の先攻 早稲田の守備さあ 試合開始です!(サイレン)
(実況)プレイボール!
初戦は 慶應打線を3安打に抑え善戦するも1対2で敗北。
二戦目。(実況)早稲田 千載一遇 チャンスの場面ピッチャー 投げました!あっ ランナー 走っています!
早稲田三原のホームスチールが功を奏し念願の勝利。
1勝1敗で迎えた三戦目。
裕一は 試合前に合唱指導し…。
♪「すぐりし」
試合では 一緒になって応援しました。
(実況)打った!(歓声)
(落胆する声)
そ~れ かっ飛ばせ! はい!かっ飛ばせ!
(ラジオ)「さあ 最終回早稲田 このまま勝利を収めるか!?」。
(実況)ピッチャー 投げた!三振! ゲームセット。(拍手と歓声)
(実況)5対4で早稲田 勝利。まことに劇的場面であります!早稲田側スタンド 皆 総立ちとなって乱舞 また 乱舞!
(ラジオ)「早稲田を象徴す えんじ色の校旗が夕闇にたなびいております。早慶 両軍による戦いの歴史が今ここ 神宮球場に確かに刻まれました!」。
(音)鳥肌まで立っちゃった。 すごかったね。
うん… 話には聞いてたけど実際 体験すっと全く違った。
何だろうね? 知らん人同士なのに一体感が生まれた時の あの興奮って。
あれこそ こう奮い立つってことなのかな?
うん!うん!フフッ。
裕一さんが また音楽に向き合ってくれて私 うれしかった。 フフッ。
本当にありがとう。
音のこと… もっと… フフ…。
うん? 何?
うん? おいしいよ これ。えっ 何? 言ってよ~。
いや…。何?
音のことが もっと好きになった。
・(田中)先生~!
お~ 団長!
おめでとう!いや 先生のおかげです!
いや もう 僕は全然 何もしてないです。
何ば言いようとですか フフッ。
選手たちも 力になったち口々に言っとりました。
静まり返った学校が大騒ぎになっとうそうです。えっ?
早稲田ば救ったのは先生です。
救われたのは僕の方です。おかげで 目 覚めました。
そげんですか。 何か よく分からんですが先生のお力になれたとなら 何よりです。
いや…。さすが 団長です!
大好きですよ 団長! 団長~!やめえ やめえ…!
あっ… それでは…全く曲が採用されん先生に…。うん?
エールば 送りたかと思います。えっ? えっ?
(田中)いくばい!(一同)はい!
フレ~! フレ~!
こ や ま~!
それ~! はい!
(一同)フレ フレ 古山!フレ フレ 古山!
ありがとう。
それでは 最後にお二人に エールば込めて…。
歌います 「紺碧の空」! はい!
♪「紺碧の空 仰ぐ日輪」
♪「光輝あまねき 伝統のもと」
♪「すぐりし精鋭 闘志は燃えて」
♪「理想の王座を 占むる者われ等」
♪「早稲田 早稲田」
♪「覇者 覇者 早稲田」
♪「青春の時 望む栄光」
♪「威力敵無き 精華の誇」
♪「見よ この陣頭 歓喜」
まだレコードを一枚も出していない22歳の無名作曲家が作った第六応援歌「紺碧の空」は 程なく早稲田の第一応援歌へと昇格し現在もなお 力を与え続けています。
(事務局長)申し訳ございませんでした!
(小山田)それはもういいって言ってるだろう。
初戦で監禁され既成事実となってしまったためそのあと取り消すことができませんでした。
今後は 先生の歌を優先的に使用する旨指導いたしますのでどうか ご了承を!
それはもういいって言ってるだろう!
こっち?逆 逆… うんうん。
あっ いいね フフフ。
慶應のお礼は 銀の食器だったらしいよ。
僕は こっちの方が好きだな。 フフフ。
♪「つつめば燃ゆる 胸の火に」
♪「身は焦れつつ」
(木枯)変だろう? B面の曲だったのに…。
まあ でも 木枯正人のデビュー曲だもん。
まあね…。
最初に出した時は認めてもらえなかったけど。
大丈夫 入って。うん?
いや… サロンで話せばいいのに。
あ~… あそこだといろんな人に声かけられるから。
フフッ さすが 売れっ子だね。
そんなことより…いろいろ聞いて 心配してたんだよ。
あっ…。大丈夫?
うん…。
も… もう一回 頑張ってみようかって思ってる。
そっか…。うん。よかった。
木枯君 曲 書けなくなったって経験ある?
あ~… ギター持っちゃえば何かしら浮かんでくるけど。そっか。
♪~
曲が浮かんでこないってどんな気分なの?
教えてよ。 僕も いつか書けなくなる時が来るかもしれない。
僕… ずっと自分 見てた。
ただひたすらに 自分 自分 自分。
僕の頭ん中 僕でいっぱいだった。
そこに誰も…誰も入る余地なんてなかった。
へえ~… 俺はかわいい女の子でいっぱいだけどね。
(2人)フフフフ…。
僕は 自分の力 示すことに固執してた。
うん… そんな 独り善がりの音楽伝わるわけない。
やっぱり 君は天才だよ。フフフ…。
天才なら とっくに気付いてるよ。
天才だから気付かないんだ。
ありがとう。 …といっても これから 何をどうしていいか分かんないんだけどね。
誰かを思い浮かべるんだろ?目を閉じてみたら?
うん…。
うん?
あっ!えっ?あっ!えっ?
あっ!えっ?
あ~! えっ? ああ…。何? 何?
そうだよ… あっ あっ!・(廿日市)古山君 何してたの!?
これまでのやり方じゃ駄目だ!ああ…。
今… 今できることを頑張ってやってみるから!
ありがとね! 本当にありがとう!(廿日市)お~い!
古山君!
(潔子)息が続かなくて倒れちゃったのよ。
え~?フフフ それでねみんな ためらっちゃって声が出なくなっちゃったの。ふ~ん。
(千鶴子)やめたのかと思った。二次選考会まで あと2週間。なのに あなたは 先週 休んだ。
あなた 本気で歌手を目指してるの?
それとも 私がいるから諦めてるの?
もしかしたら 諦めていたのかもしれない。
今から千鶴子さんの技量を超すのは無理だって。
でも 歌は… 音楽は技量だけじゃない。
心から生まれるものだってことを昨日 彼のおかげで知りました。
ヴィオレッタ 本気で勝ち取りにいきます。
よろしくお願いします。
行こっか。
うん。
(鉄男)おう…。
大将 一緒に曲作んないか? 君もそろそろ 夢に向かって進む時期だ。
しかも… 歌うのは久志だ!(指を鳴らす音)
(久志)久しぶり。 覚えてると思うけど…佐藤久志です。