異例の黒川人事に激怒 稲田検事総長が放つ「逆襲の一手」
いつ“逆襲”するのか――。世間が新型肺炎の感染拡大に関心を寄せる中、「法の番人」と呼ばれる検察庁では今、稲田伸夫・検事総長(63)の動向に注目が集まっている。検察庁法で今月、定年を迎えるはずだった黒川弘務・東京高検検事長(63)が閣議決定で異例の定年延長となり、稲田総長が次期総長に起用を考えていたとされる林真琴・名古屋高検検事長(62)に代わって、黒川氏が次期総長に昇格する可能性が出てきたからだ。
官邸に近しいとされる黒川氏の異例人事は連日、国会質疑でも取り上げられ、森雅子法相は答弁で、定年延長の理由について「重大かつ複雑、困難な事件の捜査・公判に対応するため、黒川氏の指揮監督が不可欠だと判断した」と説明。菅義偉官房長官も13日の会見で、「首相官邸に近い黒川氏の人事が捜査や現場に悪影響を与えるのではないか」との質問に対し、「(人事は)検察庁の業務遂行上の必要性に基づいて、所管する法相から首相あてに閣議請議があって決定した」と反論したが、検察庁内ではこれらの説明を額面通り受け取る者は皆無だ。