みんなの趣味の園芸
育て方がわかる植物図鑑

ダリア Dahlia

ダリアの基本情報

和名:テンジクボタン(天竺牡丹)
科名:キク科
属名:テンジクボタン属(ダリア属)

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特徴

ダリアは豪華で力強く咲く大輪種から、優雅な中輪種や可憐な小輪種、シンプルな一重咲きや変化咲きなど品種が非常に多く、大小さまざまで用途も広く、古くから親しまれてきた春植え球根です。花形のタイプによって、代表的なデコラティブ咲き、弁先が細長くなるカクタス咲きなど、10数種に分類されます。そのほか、葉色の濃い銅葉系の品種や、木のように大きく育つ皇帝ダリア、チョコレートの香りのする品種など、ユニークなものもあります。栽培も比較的容易で開花期も長く、特に花色が鮮明で花数の多くなる秋には、花壇の主役ともなります。地中に根が肥大した球根があり、春植え球根として扱われますが、一年草のようにタネから育てられるミニタイプの品種も多数育成されています。

●関連図鑑
皇帝ダリア

基本データ

園芸分類
球根
形態
多年草
原産地
メキシコ、グアテマラ
草丈/樹高
20~200cm(皇帝ダリアは3~5m)
開花期
6月中旬~11月(真夏は咲きにくく、9月中旬~10月が多い)
花色
赤,ピンク,オレンジ,黄,白,紫,複色
栽培難易度(1~5)
耐寒性
弱い(地中の凍らないところで越冬)
耐暑性
強い(高温期は花が咲きにくい)
特性・用途
開花期が長い
園芸・ガーデニング作業の基本

ダリアの育て方

栽培環境

原産地は熱帯の高地で、夏は冷涼、冬は温暖な気候です。春から夏に雨が多く、冬は乾季となる地域で、日当たりと水はけのよいところに育ちます。日本では、夏が高温となるため、葉は茂っても花が咲きにくく、秋に多く咲きます。冬期は地中の球根で越冬しますが、凍結や多湿を防ぐため、場所によっては掘り上げて春まで貯蔵する必要があります。生育中はできるだけ半日以上は日の当たるところで育てます。夏の高温を避けるため、特に鉢植えのものは、日陰へ移動させるか日よけをしておくのが安全です。

水やり

球根植物なので乾燥には耐え、滞水は球根を腐らせます。庭植えでは極端に乾く場合以外はほとんど必要ありませんが、鉢植えは、生育中水切れしないよう十分与えます。蕾が見えてから開花中は、特に乾燥に注意します。

肥料

花を咲かせるには肥料分を必要とします。元肥のほか、5月と9月ごろに追肥をします。鉢植えは、真夏を除いて定期的に月3回ぐらい液体肥料を施すか、月1回の置き肥を施します。

病気と害虫

病気:ウイルス病、うどんこ病、灰色かび病など
花色に異常が生じるウイルス病は回復しないので、ほかの株に伝染しないよう処分します。生育中は葉の表面に白い粉をふいたようなカビが生えるうどんこ病、花がらや枯れ葉などにカビが生える灰色かび病に注意し、早期に防除します。

害虫:アブラムシ、ハダニ、メイガ類
生育初期から夏にかけて発生するアブラムシやハダニは日ごろから観察し、早期発見、早期駆除が大切です。地際の茎に入るメイガ類も早めに防除します。

用土(鉢植え)

水はけのよいものを使います。赤玉土7、腐葉土3の配合土や、一般の草花用培養土も利用できます。水はけをよくするために、鉢底に大粒の軽石や鹿沼土などを入れておくとよいでしょう。

植えつけ、 植え替え

植え場所は、あらかじめ堆肥や腐葉土などを混ぜて深く耕しておきます。株間は大型種では80cmぐらい、小~中型種では40cmぐらいとり、球根を横向きか斜めにして、芽の部分が5~10cmほどの深さになるように植えつけます。気温が20℃ぐらいになるころが適期で、7月半ばまで可能です。
鉢植え栽培では、冬期はそのまま乾燥させて凍らないところに置き、春に植え替えをします。球根を掘り出して新しい用土で植えつけます。このとき、株分けしてふやすこともできます。

ふやし方

主に分球でふやしますが、さし芽やタネからもふやせます。つぎ木も可能です。
分球する際は、必ず成長点のある茎の部分をつけることが大切で、球根だけでは芽が出ません。

主な作業

支柱立て、摘心:小型の矮性種以外は、倒れやすいので、茎が伸びるにしたがい支柱を立てます。早めに摘心しておくのもよい方法です。

花がら摘み、切り戻し:花がらはそのつど摘み取ります。初夏の花が一段落したら切り戻しをして新しい芽を伸ばすようにすると、秋には数多くの花が美しく咲くようになります。

冬越し:冬期は球根が凍らないよう、盛り土やマルチングをしておくか、掘り上げて、おがくずやピートモスなどに埋めて乾燥貯蔵します。

主な原種、園芸品種、仲間