登録日:2016/12/11 (日曜日) 01:53:52
更新日:2019/12/27 Fri 20:33:22
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唸れぇぇッ!!「ギャラクシーキャノン」発射ぁああああッッッ!!!
画像出典:機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第37話「クリュセ防衛戦」より©創通,サンライズ,MBS,TBS
見たかおめぇらぁッ!!?
これが「四代目流星号」だぁッ!!!
型式番号:ASW-G-64
所属:鉄華団実働一番隊(流星隊)
全高:17.8m 重量:29.9t
装甲材質:ナノラミネートアーマー
動力源:エイハブ・リアクター×2
パイロット:ノルバ・シノ
機体デザイナー:海老川兼武
◆機体概要 ~流星となって甦った魔豹~
『
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するモビルスーツ(MS)。
300年前、後に「厄祭戦」と呼ばれることになる大戦を終結させたとされる「
ガンダム・フレーム」を採用した72機のMSの一機。
名前の由来は
ソロモン72柱の悪魔の一つである「フラウロス」。フラウロスは36の軍団を率いる地獄の大公爵であり、召喚された際に力強い豹の姿で現れ、召喚者の敵を全て焼き尽くす力を持つという。
テイワズから夜明けの地平線団討伐の報酬として鉄華団へと譲渡された、クリュセ最大規模のハーフメタル鉱山の試掘場にシノたちが視察に来ていた際、現地にて現場スタッフによって偶然発掘された機体。
なお、同地では
MAハシュマルとそのサブユニットであるプルーマが複数発見されており、恐らく本機は厄祭戦時にこれらの機体と交戦した末に機能停止した後、そのまま火星の大地に埋もれていたと思われる。(実際、発掘時の姿勢はまるで何かを抑え込んでいるような、妙に不自然な物であった)
発掘当初はエイハブ・リアクターがスリープ状態になっており、鉄華団の技術では再起動に至らなかった為、テイワズ本部の歳星の整備士達の手によってリアクターの再起動を含むオーバーホールメンテが行われ、カラーリングも白を基調としたものから
ピンクを基調としたものにリペイント、お馴染みのシャークアイも施され、鉄華団実働一番隊隊長ノルバ・シノの機体「
四代目流星号」として復活を遂げる。
リペイントにかかった諸々の費用はシノがポケットマネーから捻出したらしい。
これにより、鉄華団の初期パイロットである
三日月・オーガス、昭弘・アルトランド、シノの全員がガンダム・フレーム機に乗ることとなった。
これにはアグニカ・カイエル及び鉄華団ファンのマクギリス・ファリド公もニッコリ。
本機は背面に遠距離砲撃ユニットを装備し、その威力を最大限に引き出す為にフレーム構造に地上戦を想定した「砲撃モード」への可変機構が組み込まれている、鉄血初の砲撃戦仕様の重火力MSである。
これはナノラミネートアーマーの性質故に射撃が決定打となりにくく、近接武器による接近戦が推奨される鉄血世界ではオンリーワンとも言える仕様であり、ツインリアクターシステムからくる高出力が特徴のガンダム・フレームだからこそ実戦で通用する重砲撃機を可能にしたと言える。
バックパックに装備された背部レールガンは砲撃モードの際にツインリアクターと直結することで驚異的な弾速を生み出し、フレームや武器に使用される高硬度レアアロイを用いた特殊弾丸を撃ち出すことで、厄祭戦時にはナノラミネートアーマーすら貫いたという破格の射撃兵装「ダインスレイヴ」である。
本機の最大の特徴とも言える砲撃モードでは、腰部を180度回転させることで名前の由来となった悪魔よろしく獣の様な四脚姿勢へと変形し、地上戦における命中率の向上、砲撃時の衝撃の吸収、さらに即時回避の補助を実現している。
ちなみに、流星号となった本機は砲撃モードでは、シャークアイが描かれた背中の装甲がちょうど四足動物の頭部の位置に来るため、砲撃モードは撃ち出す弾丸の凶悪な威力とは裏腹になかなか可愛らしい見た目となっている。
画像出典:機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第37話「クリュセ防衛戦」より©創通,サンライズ,MBS,TBS
◆装備・武装
●レールガン「ギャラクシーキャノン」
バックパックの遠距離砲撃ユニットに装備された二門の超遠距離射撃用電磁投射砲。
レアアロイ製の特殊弾丸の発射が可能な上位機構であり、砲撃モードの際には後部の装弾ユニット兼パワーコネクタを連結し、ガンダム・フレーム最大の特徴であるツインリアクターシステムの出力を集中させて爆発的な弾速を実現させるフラウロスの固有兵装。
このような特殊弾丸を超高速で撃ち出す兵器は「
ダインスレイヴ」と呼ばれ、厄祭戦ではナノラミネートアーマーを貫く程の威力を発揮した。
そのあまりの威力から戦後のギャラルホルン体制では非人道的兵器として使用が禁止されており、残存している砲はギャラルホルンの元で厳重に管理されている。
ハイパワーレールガンとレアアロイ弾丸のセット使用が条約違反となるため、通常弾頭を使っている鉄華団はグレーゾーン。
その通常弾頭使用時でも、装甲艦のナノラミネートアーマーを貫通はできなくとも、表層を破砕して吹き飛ばす程の破壊力を誇る。
弾倉は砲身基部にあるピンクの部分で、APDSが1門につき10発ずつ装填されている。これはショートバレルキャノンも同様。
砲撃モードではパワーコネクタに装填されている強化砲弾を使うが、この砲丸は3種の弾体を砲身内で連結させて発射する特殊な仕様となっている。
まず機体内側の弾倉から炸薬を内蔵した侵徹体であるAパーツが供給され、次に機体外側の弾倉から装弾筒のBパーツをその後部に連結し、最後に砲身最後部の弾倉から推進器となるCパーツを連結し、砲弾が完成する。
これは装弾筒付噴進徹甲榴弾と呼べるすさまじい代物であり、レールガンの射出力とロケットの推進力で超高速を得て目標に着弾し、更にサブスラスターの噴射でより内部へと捩じ込まれた後に炸裂して爆砕する、理論上MSにも有効打を与えられる砲弾なのである。
こちらは各パーツ1門につき5発ずつの装填となる。
ギャラクシーキャノンの命名はシノによるもの。後にテイワズで製造したレアアロイ弾体装填し「ダインスレイブ」として使用する際には「スーパーギャラクシーキャノン」と呼びだした。
実は発掘した時点ではこのレールガンは装備していない。
話の流れから内部機構も含めて厄祭戦時代のMSのデータを保有しているテイワズがフラウロスのデータを引っ張り出して、当時の仕様をなるべく再現するために復元した物である事が窺える。
因みにこの装備によってタービンズが内輪揉めにより、ギャラルホルンにダインスレイヴの密輸容疑で付け込まれてしまい、結果
イオク・クジャンによって壊滅に追い込まれたので、後々の顛末含めた元凶とも言える業が深い装備でもある。
●フラウロス専用マシンガン
遠距離砲撃ユニットに二挺装備された120mm口径マシンガン。
そのまんま過ぎる名前の通りフラウロスの専用装備として設計されており、バックパックにマウントした状態でも使用可能な機構が採用されている。
砲撃モードの際には構造上銃口が後方を向くことになる。
●ショートバレルキャノン
背部レールガンと戦況に合わせて換装される短銃身砲。
移動しながらの砲撃にも対応しており、その性質上、乱戦時において特に有用性を発揮する。
発掘当時から搭載しており、アリアンロッド艦隊との戦闘の際にも運用された。
●アサルトナイフ
フラウロスが使用する近接武装。
切っ先がピック状に湾曲したショートレンジ仕様の武器で、扱い易さを重視している。
●ガントレット
前腕部に装着されている小型のシールド。
砲撃モードではマニピュレーターを覆うように展開し、前肢を支えるスパイクとなる。
◆余談
フラウロスは
ガンダム・ヴィダールと共に二期の情報解禁当初から新たなガンダム・フレーム機としてHGプラモデルの発売が決定されていた。
しかし、正体不明
(棒)の
仮面の男の機体として早速OPに姿を見せた
ヴィダールに対しフラウロスの姿は影も形も無く、プラモデルの商品名も「ガンダム・フラウロス(仮)」で彩色見本も無い状態のままであった為、誰がパイロットになるのか、そもそもどの勢力の機体になるのか議論の対象となっていた。
その後、本編にも登場したが、発売一ヶ月を切ったガンプラEXPOでも名前の(仮)が取れずカラーリングも明かされない状態が続いた為、本編の展開もあって多くの視聴者がパイロットを薄々、というかほぼ確信していたが、真実は意外なところから発覚した。何と
トイ○らスの通販サイトで商品名が「
HGガンダム・フラウロス(流星号)」に変更されたのである。
翌日には「HGガンダム・フラウロス(仮)」に戻されたものの時既に遅く、トドメの一撃としてすぐ後に発売されたHGガンダム・ヴィダールの箱絵にオプションセットの武器を装備した
ピンクのフラウロスがちゃっかり映っていたこともあり、長らく続いたパイロットとカラーリングについての論争に完全決着が着くこととなった。
派手なピンクに染められノーズアートが施されたガンダム・フラウロスもとい流星号に思うところがある人もいるだろうが、待望の鉄華団3機目のガンダム・フレームとして活躍を期待したい。
◆劇中の活躍
初登場は第29話『出世の引き金』。
鉄華団がテイワズから預けられたハーフメタル採掘場の開発を行ったことで発見される。ここでシノは「」と呟いており、しっかり搭乗フラグを立てている。
なお、この時も同時に発見されていた。まさか、これが後にあそこまでの大惨事を引き起こすとは……。
その後はしばらく間が空き、再登場は34話『ヴィダール立つ』。歳星の格納庫で頭部と肩に白い装甲を纏った状態で登場する。
テイワズの整備長の手によってエイハブ・リアクターの再起動が行われ、ここで劇中で初めてガンダム・フラウロスであることが確定される。
そして第35話『目覚めし厄祭』では、ピンクの装甲を全身に纏い、シャークアイも施された四代目流星号として立派な(?)姿を視聴者に披露することとなる。
ただし、背部レールガンの調整が遅れていた為、火星の鉄華団本部への納品は遅れることとなった。
初めて戦闘シーンが描かれたのは第37話『クリュセ防衛戦』。
前述の「MSにしては大きいモノ」=に対抗するため、オルガ・イツカの命令を受けたシノ(と説明書代わりに同乗させられたヤマギ・ギルマトン)が搭乗する形で起動した。
しかし直前の戦闘において、ガンダム・フレームがモビルアーマーに近づくとシステムの異常によりパイロットに意識を保つのが困難なレベルの負担がかかる事が発覚。そのため予定を変更し、イオク・クジャンの妨害により狂ってしまったハシュマルとその子機であるプルーマの分断作戦を本機のレールガンを用いて実行する事になった。
砲撃ポイントへ到着後、ライド・マッスが駆るがハシュマルをプルーマから引き離したのを合図に砲撃モードとギャラクシーキャノンを披露。
当初大量の爆薬で爆砕する予定だった岸壁を一撃で崩落させ、ハシュマルとプルーマを分断させる事に成功する。
先の理由からその後の戦闘には参加できなかったもの、ガンダム・フレームが規格外の存在である事を再認識させるには十分な活躍であった。
第42話『落とし前』ではジャスレイ・ドノミコルス一派への報復戦に参戦。目立たぬながら堅実に戦果を挙げた。
デブリに取り付いて黄金のジャスレイ号を容赦なく砲撃し、機関を大幅に弱体化させたのはフラウロスの功績である。
最後の雄姿となったのは第45話『これが最後なら』。マクギリスの革命になし崩しで巻き込まれ、対アリアンロッド戦に臨む鉄華団。
フラウロスは雷電号を庇うことで、皮肉にもラスタル・エリオン率いるアリアンロッド側のダインスレイヴに貫かれ、左肩と左レールガンを持って行かれてしまう。
シノも左腕を骨折するが、彼は戦闘機能を失ったホタルビを盾に接敵し、テイワズに発注していたスーパーギャラクシーキャノンを敵旗艦に叩き込む起死回生の強襲作戦を立案。操縦桿に左腕を縛り付けて実行役に志願する。
かくして単身ホタルビに取りつき、接敵時点でボロボロになりながら照準するフラウロスだが、それを見たが苦し紛れに投げつけた自機の左腕が発射のコンマ数秒前に砲身に接触。弾頭は空しくマストを霞めるだけに終わった。
最早離脱不可能と悟ったか、それとも絶望からの怒りか、敵艦隊へ特攻を掛けるフラウロスに容赦なく砲撃が集中する。
遂に力尽きたフラウロスは、目玉の機能を一度しか披露できず、鉄華団ガンダムの最後発でありながら、最初の脱落機となってしまった。
ただし、このフラウロスの特攻は劇中で常に余裕の笑みを浮かべていたラスタルが唯一狼狽えて冷や汗をかかされた場面でもあり、公式のメカニックワールドにおいても「名も知れぬ薄紅色のガンダム・フレームとパイロットが浴びせた一撃を、きっと一生忘れることはないだろう」とされている。
そういう意味では、フラウロスは鉄華団の中でラスタルに対して唯一一矢報いることのできた機体であると言えるかもしれない。
◆立体物
1/144 HG IBO
表記は「ガンダムフラウロス(流星号)」。フレームはバルバトス第6形態と同じ「ガンダムフレーム4」を使用しており、相変わらず可動範囲は良好。
背負った遠距離砲撃ユニットのボリュームもあり、全体的にマッシブな印象を受ける。
武装は背部レールガンとマシンガンが二対ずつ付属。マシンガンはバックパックにマウントされている画が多いが、手で握るグリップもちゃんとついている。
本体の色分けは成形色のみでほぼ補完できており、目立つシール部分と要部分塗装箇所は背部レールガンのピンクと背部装甲のスラスターくらい。
また、角と背中のシャークアイもシールとなっており、特に角に貼る方はピンクの部分があるせいで変に面積が広いため、全塗装する場合はピンクの部分をアートナイフなどで切り落とした方が見栄えがいいかもしれない。
砲撃モードも再現されており、差し替え無しで四脚姿勢に変形可能。ただし、レールガンの射角が水平にほぼ限定されてしまうのが難点。
ちなみにグレイズの方の流星号とはシャークアイの大きさが違うため、モデグラのデカールには対応していないので注意。
本編終了から数か月後に出たガンダムデカールNo.103(鉄華団用デカール)には、本機用のシャークアイ(グレイズ改弐と、プレバン限定の獅電改用の物まである)だけでなく『流星号』の三文字まであるので、塗装派は是非そちらを。
なお、説明書ではレールガンをリアクターと直結させるのに砲撃モードになる必要がある様に書かれているが、実際には通常時の人型でも直結可能。(砲撃モードの存在意義は上記のとおり)
これはキットでも再現されている。
厄祭戦当時の姿を再現したフラウロスもプレミアムバンダイ限定で発売。
流星号とは全くイメージが異なる白を基調にしたカラーリング。
公開情報から見る限り、発掘当時はショートバレルのレールガンを装備していたらしく、バックパックへのマウントはアサルトナイフであり、マシンガンをマウントする機構もなかった(ダインスレイヴ搭載レールガンはオーバーホール後に換装されたらしい)。
一応、ギャラクシーキャノンも付属しているため、オプションパーツセット無しで妄想重装型も出来る。
またプレバン限定の鉄華団セットでスーパーギャラクシーキャノンことテイワズ製ダインスレイブ弾体がオマケで追加されている。
見たかおめぇらぁッ!!?
これが追記・修正だぁッ!!!