もう三回忌…西城秀樹の「いまだから言える話」

スターって、こういう人のことだ
週刊現代 プロフィール

牛乳配達をクビに

西城の本名は、木本龍雄。'55年、広島市内で自動車タイヤの卸売商や雑貨店を営む裕福な家に生を受けた。上には姉と兄がいる。

音楽好きの家庭だったため、小学1年生からバイオリンを習い、エレキギター、ドラムと次々と楽器に熱中した。

「タッちん(西城のこと)のお父さんは、ものすごくおっかない人でした。『寺内貫太郎』で父親役の小林亜星さんに投げ飛ばされるシーンは語り草だけど、本物のお父さんはあんなもんじゃなかった。

あと、お兄さんも怖くてね。兄弟でバンドを組んでいたんだけど、タッちんがミスをすると怒鳴り散らしていた。そうやって厳しい家庭だったからか、タッちんはどちらかというと大人しい性格でした」

こう語るのは、西城と小学生時代からの幼馴染だった丸山清志だ。

 

「昔から愛すべきアホと言うか、変な愛嬌があった。いまだから言える話だけど、中学生のとき、購入したドラムのおカネを返すために、学校に内緒で牛乳配達のアルバイトをしていたんです。

家の近所に高校があり、野球部員たちが熱心に街中を走っている。すると、タッちんは『お兄さん、練習頑張ってください!』と牛乳をあげてしまうんです。

当然、そんなことをしたら数が合わなくなって、お店にバレる。それで、あっという間にクビを切られていました(笑)」

兄たちと組んだバンドの一員としてドラムを叩いていた西城が上京するきっかけになったのが、ジョー山中らを発掘した芸能プロデューサー、上条英男との出会いだった。