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鮫島正幸役・正門良規さんインタビュー

2020年1月18日(土)

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驚きと不安と喜びと。いろんな感情が湧いてきました
-『スカーレット』に出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

「びっくりです。まさか自分が"朝ドラ"に出られるなんて思ってもいなかったので、まずは驚きました。そのあとに『どうしよう』でした。"朝ドラ"(『ごちそうさん』『あさが来た』)に出演していた西畑大吾は所属事務所の同期で仲がよいのですが、『"朝ドラ"は本当にいろんな人が見ているし、出演してからたくさんの人に声をかけられるようになった』という話も聞いていたので、そんなドラマに自分が出させていただいて大丈夫なのかな、という怖さもありました。でもお芝居は好きでずっとやりたいと言ってきたので、もちろんうれしさもありました。そんないろんな感情が湧いてきて気持ちが忙しかったです」


アホやけど愛きょうがあって、きちんと育ってきた人だと思っています
-鮫島正幸という役をどのように捉えて演じていらっしゃいますか?

「台本に書かれている語尾全般に小さい『ア』とか、『ー』や『~』が入っているんです。『こんにちはァー』とか『兄貴ィ~』みたいな感じで。この人はアホな人なんやな、と思って読んでいました(笑)。でも、あいさつはきちんとするし、放送されなかった部分ですが、あいさつのときは帽子を取る、など、礼儀はわきまえているので、ちゃんと育ってきた人ではあるんやろうなとも思いました。愛きょうがあるので、それでいろんなことを許されてきた人なんでしょうね。演出の方には、鮫島は調子がよくて落ち着きのない人にしたいと言われているので、ちょっとまぬけな感じが出せたらいいなと思って演じています。身近で鮫島に似た感じの人を、って参考にするのが失礼だと思いつつ(笑)、例えば、昔、クラスにいた人を思い出したり、タレントさんでこういう感じの人なのかな、という人を思い浮かべてみたりしています」


僕自身は鮫島と真逆のタイプなので、空気を読んでしまって...
-役作りのうえでの工夫や苦労している点があれば教えてください。

「僕自身は鮫島とは真逆でおとなしいタイプですし、こういう役自体が初めてなので、本当に演じるのが難しいです。監督には『鮫島は空気が読めない人だから、読んじゃダメ』と言われるのですが、僕は周りに合わせるタイプなので、どうしても周りのキャストのみなさんのリアクションとかを見てしまうんです。でも『負けちゃダメ、それにのまれちゃダメよ。"鮫島!"というのを出してください』と言われるので、"鮫島!"を出すのに苦労しています。でも本当にいっぱい吸収することがあって、めちゃくちゃ勉強させていただいています。

僕は大阪出身なのですが、なぜか関西弁の修正をされることがあります(笑)。緊張しぃ(緊張するタイプ)なので、現場でもずっと緊張しているのですが、緊張しすぎて、おかしなイントネーションになっていることがあるみたいです。自覚は全然ないんですけどね」


鮫島は流行に乗り切れていないちょっと残念な人(笑)
-服装や髪形も印象的ですね。

「鮫島の髪形や服装は衣装合わせのときに、監督とお話ししながら決めていきました。鮫島は、生まれは大阪ですけど東京にいる人なんで、当時の流行を取り入れているんです。でも染まりきれなくて、ちょっとずれてるところが鮫島らしいね、なんて。鮫島のちょっと残念な服装を『こいつー』と笑って見ていただけたら、キャラクターとしてはひとつ成功なんじゃないかと思っています。

ちなみにこの髪形はセッティングにすごく時間がかかるんですよ。毎回、他の男性キャストの倍の時間、30分ほどかけてメイクさんにセットしてもらっています」


テレビで見ていたまんまのあったかい家族です
-撮影現場の雰囲気や印象について教えてください。

「放送で見ていた川原家の温度感がそのままなんです。僕は喜美子さんの子ども時代からずっと拝見していたのですが、あの川原家のあったかい感じや家族の距離感が撮影現場でも本当に変わらなくて、『あ、家族や』って思いました」


僕が想像もできないようなアドバイスをしてくださいます
-川原喜美子役の戸田恵梨香さんの印象を教えてください。

「最初に思ったのは『戸田さん関西弁上手やな』ということです。戸田さんはいろんな作品に出られていますが、標準語でお芝居されているイメージが強かったので、関西のご出身と聞いて驚きました。

もちろん共演は初めてなのですが、よく周りを見られている方で、僕にもたくさんアドバイスをしてくださいます。例えば、鮫島はこういう人だから、直子(桜庭ななみ)も鮫島から影響を受けた部分があって服装も変化しているのではないか、など、僕が読み取れていないことを教えてくださるんです。『なるほどな』と気づかされることがたくさんあって、本当にありがたいです」


鮫島初登場の第一声にめちゃくちゃ緊張しました
-今まで演じられた中で印象的なシーンを教えてください。

「一番印象に残っているのは鮫島初登場のシーン、『あっどうも!!鮫島です!!』ですね。この第一声、めっちゃ緊張しました。だって、戸開けたら突然おるんですよ、人の家に(笑)。『なんやこいつ』ってなりますよね。演じている僕自身も思いました(笑)。

それと、直子が妊娠したとうそをつくシーンは、僕の中で鮫島はあいさつもちゃんとできるし憎めないし根っこはええヤツやと思っていたので、少し戸惑いましたが、監督から『ここは鮫島のアホの方で』と言われたので、ああそうなんやと思って、アホに徹しました(笑)」


川原家目線で鮫島をかわいがってやってください
-最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

「『スカーレット』の世界観、時代感、川原家の雰囲気。見どころはたくさんあると思います。そして川原家に鮫島という異物が入ってきて、どのような変化が起きるのか。鮫島の出現によって改めて分かる川原家の絆も見守っていただけたらと。鮫島に関しては、調子がいいけどどこか憎めない感じで視聴者の皆さんにも受け入れてもらえたらうれしいです」


【スカーレット(緋色/ひいろ)にちなんで、好きな色を教えてください】
「青です。僕は2019年に関西ジャニーズJr.の中で結成したAぇ! group というグループに所属しているのですが、僕のメンバーカラーが青なんです。グループになるまでは特に青を意識していたわけではないのですが、『青ですよ』と言われると意識するようになって、自然と持ち物も青の物が増えてきました。元々ジーパンが好きなのですが、ジーパンも青ですしね(笑)」