第三回 クトゥルフって何?

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第三回 クトゥルフって何?

【はじめに】 クトゥルフ神話って言うけど別にクトゥルフが主神って訳じゃない……とは最初の段階(第一回)で言いました。 しかしクトゥルフが一体何者かについては話していませんでしたね。ということで、神格や神話生物紹介の第1回である今回は、しっかり説明させて貰いたいと思います! このクトゥルフはしばしば海の神だとか水を司る旧支配者だとか言われますが、クトゥルフ自身は特に水属性というわけではありません。 水属性って言ったり認識した方が楽だったりしますが。 単に大昔の地殻変動と星辰(星の配置みたいなものだと思ってください)の変化で力を失い水底へと封印されただけです。長い封印生活の中で水中に適応しただけで、元々はむしろ苦手なくらいのようです。 さて、それだけ言われるとクトゥルフというのがどんな力を持つ神なのかわからなくなってきますね。 私も最初は分かりませんでした。「おまえなんなん?」とか言ってましたよ、ええ。 ですが、ご安心ください。 頭の中にクエスチョンが沢山出てきたあなたにこそ、説明の甲斐があるというものです。 それでは、神話の世界まで少し心を飛ばしてみましょう。 【概要〜名前について〜】 クトゥルフ、クトゥルー、ク・リトル・リトル、トゥートゥー、トゥールー、様々な発音で呼ばれるクトゥルフですが、どれが正しいということはありません。 矮小な人間風情が偉大なる神々の名を正確に呼びかけることなど不可能です。好きに呼ぼうぜ。 ちなみにクトゥルフという呼び方はクトゥルフ神話TRPG(元々外国生まれのゲームです、念のため)を輸入した際の訳によって広まったものです。 本来の発音はクトゥルーあるいはクルルーに近い雰囲気で、咳き込むように発音するのだそうです。 実際に発音してみようと思い、やってみましたが……非常に難しいため、断念しました。 まあ、クトゥルー神話って普段から言うとちょっと違いをつけられるかもしれませんよ?……たぶん。 ちなみに私の作品では2020年4月現在、全キャラクター共通で「クトゥルフ」と呼んでおります。 外国籍のキャラが出ればちょっと変化があるかもですがね。 【概要〜外見や化身について〜】 さて、こちらのクトゥルフですが、外見は非常に有名です。 タコのような頭、人に良く似た胴体、そして背中にはコウモリに似た翼が生えていて、全身が鱗で守られています。 恐らくこれを読んだりするような皆さんでしたら、ネットで一度は見たことがあるでしょう。 でも皆さん、実はこの神格は自由に姿を変えられるのはご存知でしたか? あの姿は信者から崇め奉られる為の公的なイメージとしての姿であり、その気になれば自由に姿を変えることができるのです。ニャル様みたいに。 クトゥルフの化身は結構たくさんいたりします。 精神体であるコラジン、ポナペ経典や聖書に描かれた「すべてのサメの父(リヴァイアサン)」、そして聖書の獣と同じ名前を持ちながら全く異なる性質を持つベヒーモス。 九頭竜なんかもクトゥルフとの関係性が示唆されていますね。星に影響される九頭なんて、単なる言葉遊びに終わらない関係性を妄想させてくれます。 もう少し調べればもっとマイナーな化身も出てくるかもしれません。 クトゥルフの眷属の中でも最大のものであるダゴンも、実はクトゥルフの化身という説があります。 それ以外に何か触れることがあるとすれば、面白いことに「すべてのサメの父」以外の化身は夢を通じた精神的接触を多用する性質を持っています。 数多く存在する化身の共通項です。 クトゥルフは人間の精神に多大なる興味を持ち、なんとかして接点を得たいのかもしれませんね。 【概要〜カルトや信者に関するあれこれ〜】 クトゥルフの信者は世界各地の港町や水辺にいます。 ある者は宝と引き換えに、ある者は冒涜的な夢の中で、ある者は知識の探求の果てに、それぞれの理由でクトゥルフと取引を行いました。 その結果としてかの神の血を受け継ぐおぞましき信奉者(下級の奉仕種族)《深きものども》を人間の大地に招き入れ、少しずつですが確実に世界を侵食しています。 先ほど触れたようにクトゥルフが多様な名前を持つのはこのような形で世界中に信者や教団があり、いずれも長い歴史を持っている故に本来の名前から少しずつ訛っていったせいだとされています。   こうしたクトゥルフの信奉者達の中で有名なのは、やはりクトゥルフの眷属(区分としては上級の奉仕種族)であるダゴンを崇め奉る《ダゴン秘密教団》でしょう。 あの退廃港湾インスマス(又はインスマウス)でうろこぴょんぴょんさせていた連中のことです。 クトゥルフと聞くとおぞましい魚人みたいなイメージが有りますが、この教団とその信奉者達がそれらのイメージ形成に一役買っています。 彼らは信仰の度合いに応じて以下の三つの誓いを立てる事が知られています。 一つ、教団に危害を加えぬこと。 一つ、教団の計画に対して金銭や労働力の提供を行うこと。 一つ、深きものどもの連れ合いを作り子供をもうけること。 実は誓いはこれだけでなく、司祭などの間でだけ知られる秘密の誓いがあるという話もあるのですが、明確に定められているのはこの3つだけです。 ラストの深きものどもの連れ合いを作り~のくだり、これがなんとも冒涜的ですね。 深きものって大体気持ち悪い魚人フェイスと悪臭がトレードマークなので非常にきつい。 「どんな見た目よ」って思ったそこのあなた。Googleとかで『深きものども』とか『インスマス面』で検索してみてください。やつらはめちゃくちゃ気持ち悪いですよ。 これで見目麗しいけど眼だけ魚っぽいイケメンとか美女とかだったら、こちらとしてもノリノリで「いあいあだごん! いあいあくとぅるふ!」とか言い出すんですけどね。 独身男女の救世主、もしかしたら信者数倍増の切り札になるかもしれません。 【概要〜クトゥルフ来訪〜】 世界各地に信者が居るクトゥルフ。そんな彼が最初に地球を訪れた時はムー大陸を拠点にしていました。当時地球を支配していた先住民族(古のもの)との戦争を乗り越え、最終的に地球の分割統治を認めさせたという過去があります。 古のものというのは、地球の先住民族で優れた科学力を持っており、ショゴスを作ったのも彼らです。 こいつらについて詳しくは別の機会に。 ムー大陸を統治していた頃のクトゥルフは積極的に統治活動を行っており、自ら恐竜に乗って領土を巡幸したと言われています。領地や領民に関心を持ち、良きにつけ悪しきにつけ強力な支配を行っていたであろうことが分かりますね。 このマメな性格、封印された今なお世界各地でカルト教団を持っているだけのことはあります。 星辰の変化、つまり星の位置の変化により力を失い、眠りについてしまうまでは、クトゥルフの支配は続いたそうです。 【概要〜クトゥルフの家族構成〜】 そんなクトゥルフですが意外にも家族に恵まれています。 兄弟ながらも犬猿の仲であるハスター、末っ子のヴルトゥーム、ビッチで恋愛脳で母親でハスターの妻であるシュブ=ニグラス、息子であるガタノソアをはじめとしたイソグサ、ゾス=オムモグ(ガタノソア、イソグサ、ゾス=オムモグは『ゾス三神』と呼ばれています)、箱入り娘にして母親であるクティーラ、落とし子なのに人間によってオリーブオイルでアヒージョにされたりするクトゥルヒ。 擬人化すると楽しそうですね。 クトゥルヒは「どうしてそうなった」とツッコミたいです、ええ。 特にクティーラは非常にミステリアスで興味深い存在で、クトゥルフの娘でありながら、彼が滅ぼされた時はその胎よりクトゥルフを生み出すとされています。 なお、このクティーラが出る作品はあまり多くないようです。 創作の余地がたくさんあって素敵ですね! 【概要~結局何をやってんだよ?~】 という訳で、今まで話していた通り、クトゥルフは水を司る神などではありません。ファンタジー小説に使うときには水属性つけてた方が楽だったり創作が捗ったりしそうですが。 非常に人間に近い価値観を持ち、更に精神干渉を得意とするタイプの神格です。鋭敏なテレパシー能力は大量の海水で封じられてなお人々の元へ届き、彼の住まうルルイエが万一にでも浮上しようものならば世界中の人間が彼の精神と直接触れ合って発狂するでしょう。 また、強大な魔術を使うことでも知られています。 現在、この地球を始めとして様々な場所で旧支配者と呼ばれる邪悪で強大な神々が封印されて眠っています。 彼等が死ぬこともなく静かに眠り、力を蓄えることができるのは、クトゥルフの用いた魔術のおかげなのです。 眠る旧支配者が、彼等に敵対的な善なる神・旧神に殺されることを免れたのは、クトゥルフによるファインプレーがあったからだと考えられています。 直接的な力ならばもっと強い神はたくさんいます。 ですが、クトゥルフの魅力や特徴はそんなところにはありません。 遥か太古から人類と積極的に触れ合い、神としての力を存分に見せつけ、夢という手段を通じて人間の多くに影響を及ぼした行動力。 魔術により同じ旧支配者達を紙一重で守ったという功績。 こういった理由から、クトゥルフはクトゥルフ神話群の顔となるに相応しい神というわけです。 人類を知り、人類を使い、人類と生きる。 クトゥルフは弱く愚かな筈の人間を上手く使う非常に危険な邪神です。 単純に怪物というだけではなく、このように思慮深い邪悪さを演出するとTRPGのときには話が盛り上がるでしょう。 私の場合はまだそんなことにはなってませんが。 【最後に】 ということでクトゥルフ回でした。 クトゥルフ神話における1番有名な神から紹介してみたわけですが、次回は……黄衣の王、風の属性といわれる旧支配者、今回紹介したクトゥルフとギスってる兄弟。 そう、次回はハスターを紹介したいと思います。 いあいあハスターしましょう。 以上で、今回の講義を終えたいと思います。
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ハス太くんなら可愛いんだけどね…