2年ほど前から込みいった相談に、マンツーマンのやり取りで、とことん対応をするという特殊なオンラインサロンを運営している。
相談者さんとのやり取りは、専用のアプリを通しているものの、実質は個人LINEのような感じで、イメージ的には地元の先輩くらいの距離感で、一応仕事なので週休2日はもらいつつも、週5日間はマメにログインしてはオールジャンルの相談に乗っているのだけれど、この2年間で1000人を越えるメンバーから数千件の相談を受けてきて、「同じ問題でつまずいている人が多すぎるな」と感じていることがある。
それが世の奥さんたち、自分の旦那に対して、思っていることを言わなすぎだよ!!!という問題。
声を大にして言いたいこと
私が子持ちの人妻であることから、既婚女性からの結婚生活の不具合や、夫への不満にまつわる相談はとても多いのだけど、それはもう見事なほどに、いつも同じツッコミが私の脳裏を駆け巡るのだ。「ねえ、腹に溜めすぎだよ!!!」と。
ということで、かなり多くの人に読んでもらえるこの場所で、私は声を大にして言いたい。
結婚生活に不具合を感じている皆さま…
とくに夫への不満をたくさん抱えて悩んでいる妻の皆さま。
ひたすら腹に溜めすぎだよ!!!
赤の他人だったところから結婚をして家族となった2人が、いきなりツーカーから始まるはずはないわけで。(というか、ツーカーな人間関係など存在しない。人は自分から生まれた人間とさえも、ツーカーにはなれない)
何を考えてるのか、どう感じるのか、分からないことだらけのところから結婚生活はスタートするのだから、「力を合わせて、夫婦(というチーム)として成長していくぞ!」というスタンスはマストだと思う。
しかし、お悩み相談に乗っていると2人が夫婦として成長するために、共有する必要がある本音を何1つとして声に出して伝えていないっていう人が多すぎる。
夫婦がらみの相談にのる際は、まずは全体像を知るために「旦那さんのどこがイヤなの?どんな不満があるの?他にもある?ちなみに、理想としてはどうであってほしいの?何かあれば、一通り教えて」などと訊いたりするのだけど、その後に「ちなみにこの内容は、どのくらい伝えてある?」と訊くと、ほとんどの人が「ほぼ何も伝えていない」と答える。
しみじみ実感している夫婦円満の秘訣
さて、ここで私自身の話をすると、結婚して丸3年が過ぎたのだけど、ここ最近しみじみと実感している夫婦円満の秘訣があって。
それは夫への不満は、面と向かって声に出すと、だいたいが喜劇に変わるということ。
身も蓋もないことを言ってしまうと、夫婦になったらトキメクかどうかは重要なことではなくなり、相手のことを生理的に無理にならないことこそがすっごく大事になる。
生理的に無理にならなければセックスレスを防げるし、セックスレスにならなければ何だかんだ、夫婦としてうまくやっていけると思う。
で、これは私自身が「夫のことを生理的に無理にならないでいられている秘訣はコレだな」と実感していることなのだけど、「キモい」と思ったときに「キモい!!!」と叫ぶのって、かなり有効。やるかやらないかでは天と地の差。
夫婦が男女であり続けるためには、マイナスな本音を声に出すことって、めちゃくちゃ大事なんじゃないかと思う。
夫に乳首を刺激されるのが苦痛ならば
たとえば私の場合、授乳をするようになってから、夫(おっぱい星人)に乳首を刺激されることに耐えがたい苦痛を覚えるようになったのだけど、私はそんな時に「やめて!!嫌悪感がヤバい!!乳首から嫌悪感がブワッてなるの!!!」と面と向かって言うようにしていて、だからこそ私たちの間には深刻な溝が生まれていない。
もしもこれが内心ゾッとしながらも「でも、言ったら傷つくし……」などと考えて「あああキモイキモイ」と耐え忍んでいたら、夫から触れられることへの苦手意識がどんどん育ってしまって、絶望的な気持ちにすらなったと思う。
だけど「ダメ!!すごくキモい!嫌悪感!!」と叫ぶことで、まず苦痛に耐えずに済むし、さらには夫から思わぬリアクションが返ってくると、夫婦の絆が育つキッカケになったりする。
夫の場合、私がキモがると「え、なにそれ、どんな感じなの?!どんな風にキモいの?!もっかい舐めるから、説明してよ!」などと食い下がってくるため、私は「何この男、メンタル強 www」と爆笑するし、「こんな人、他にいないよなぁ」と、もはや愛が芽生える。
夫婦間に生じる不満の多くは、声に出さないと、どんどん深刻な悩みになっていくし、1人で抱えてしまうと絶望しがち。
だけど、声に出すことによって相手のリアクションを見るところまでいくと、大体のことにはオチがついて「もはやアリ」になったりする。
夫婦になったら、心の中で「キモイキモイ」と唱えちゃうと、どんどん生理的に無理になってしまうから「今のキモい」と言った方がいいと思う。
そこで「え、キモい?」と反応が返ってくるだけでも、その出来事への印象はガラッと変わる。すごくキモい気がしていたことが、ぜんぜん大したことじゃなくなったり、時間が経つほどにジワジワと滑稽さが増してきて、もはや持ち味に思えてくることさえある。
夫に対して何でも言えるようになったきっかけ
そういう意味で、妊娠と出産は便利で、結婚した2人が夫婦として成長することをすごくサポートしてくれる味方だと思う。
私たちはスピード婚からのハネムーンベイビーで、子無し夫婦だった時代がほぼないのだけど、今思うとラッキーだった。
まず、妊娠期間をそばで過ごすことで、男女としてナチュラルに一線を越えていける。なぜかといえば、妊娠中って、オナラは勝手にブリブリ出るし、笑った拍子におしっこが漏れちゃったりもするから、臨月を迎える頃には「恥ずかしい」とか「気まずい」の概念がかなり壊れている。つわりなどで慢性的に体調が悪いために「それどころじゃない」という心境になることもプラスに働く。彼の前でオナラをしちゃって恥ずかしい、とかよりも「今日はつわりが軽くてハッピー」とかで心が埋まっている。
そして産後は、さらに色々とそれどころじゃなくなる。子どものことや、自分の体調管理などが最優先となり、「こんなことを言ったら嫌われるかな」なんてことを考える余裕も無いまま、夫に対して言いたいことを言う経験をたくさんできる。
もちろん個人差はあるだろうし、言葉選びも大事だけど、少なくとも私は、目の前の問題(すべては子育て絡み)を解決することに必死になっているうちに、いつの間にか、夫に対して何でも言える自分を手に入れられていた。
相手のユーモアは重要ではない
ちなみに「キモいなんて言ったら普通の男は傷つく。オチがつくのは下田さんの夫だからでは」「うちの夫はそんなユーモアが無いからムリ…」と言い出す女性がたくさんいそうな気がするけれど、私が世の中の男性を見渡す限り、そんなことはないと思う。
多くの男性は意外と図太い。たとえば不倫をする男性はたくさんいるけれど、不倫をできるって、かなり図太い。
それに、そもそも相手のユーモアは重要ではない。一度でも声に出せば実感してもらえると思うけど、多くのことは声に出すだけで喜劇に変わる。
つまり、相手のギャクセンとかではなく「素の人間とは、滑稽な生き物だ」という実感が、オチのような効果を持ち始める。深刻な気がしていたことほどに滑稽さが炸裂する傾向があるから、腹に溜めて1人で抱えるよりも、声に出して2人で笑い飛ばすことをオススメする。
それに不満に思っていることを伝えるということは、その問題について言い返す機会や説明をするチャンスを与えることだから、すごく2人のためになるし、基本的に良いこと。どんどん膨らんでいきそうな不満ほど、相手のためにも、さっさと言ってあげるべきだと思う。
相手の言い分をまったく聞かずに、独りよがりな被害妄想をこじらせる方が、よっぽど夫婦仲を壊すし、何の話か分からなくなる程にこんがらがってからぶつける方が相手のことを困らせる。
「ウザい」「クサい」「ドン引き」なんて当たり前
夫婦になったらお互いに「キモい」と感じることがある方が当然で、夫婦の距離間で、お互いに素を出しながら伸び伸びと暮らして「完璧に素敵」な相手なんて、普通に考えたら存在するわけがない。
だから結婚をしたら、キモい瞬間を目撃してしまうことや、たまたまこちらのコンディションの問題でそう感じてしまうこと、「今のはウザい」とか「今のは無い」とか「クサい」とか「ドン引き」などと思う瞬間があることは、普通だと思う。
ただ、それを心の中でヒッソリと呟いてしまうと、男女として衰退するだけになってしまうから良くない。結婚したら、夫婦としての2人を育て上げていかないと、恋人以下になっていく。
キモい時は「キモい」と声に出して、相手のリアクションを見たり、時には「今のはキモいわけではない」と謎の弁解をしてもらったり、改善可能なことであれば以後気をつけてもらったり、そうやって「キモい」の向こう側までいくことで、あらゆる出来事は、ぜんぜん違う印象に塗り替えることができる。
だから私は夫に対しては、あらゆる本音を声に出すようにしている。
ちなみに、これはさすがに夫のユーモアがあってこその出来事なのだけど、まだ新婚1年目くらいの時のこと、デートがてらDiorで買い物をしていた際に、ふと夫の顔を見たら、鼻毛が出ていたことがあった。
そこで私が「デートなのに鼻毛が出ています」と声に出したところ、夫が「ああ、デオールしてた?」と真顔で返してきた後に、「シマオール」と言って指で鼻毛を押し込めて解決したことがあり、鼻毛が出ていたことのマイナスを遥かに越えて「やっぱりツワモノ…!」というプラスの印象だけが残ったことがあった。
もしも私が、(げっ、鼻毛……)と思うだけで声に出さない妻だったら、私たちの夫婦関係は今とは全く別のモノになっていただろうし、夫の鼻毛が伸びやすいことは私の中で深刻な問題となっていただろうと思う。
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