NEWS / HEADLINE - 2020.5.15

東京都が休業要請緩和のステップイメージを発表。博物館・美術館は初期ステップで緩和の方向性

東京都の小池百合子知事が5月15日の定例記者会見で休業要請緩和のステップイメージを発表。博物館・美術館は初期のステップにおいて開館が可能であるとの見解を示した。

5月15日の東京都の定例会見のウェブ映像より
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 東京都知事の小池百合子が、5月15日の定例記者会見で休業要請緩和のステップイメージを発表した。

 4段階からなるステップイメージは、現行の外出自粛、施設使用停止、イベント開催自粛といった要請を行ってる現在の状態をステップ0とした。週平均の1日あたりの新規感染者数や、感染経路不明者の割合など、7つのモニタリング指標が一定の基準値を下回った場合、次のステップへ移行する。小池知事は現状の次となるステップ1において、都民の文化的・健康的な生活を維持するうえで必要性の高い施設への要請を緩和するとしており、その例として博物館・美術館・図書館を挙げた。

5月15日の東京都の定例会見のウェブ映像より

 都が発表したステップイメージでは、博物館や美術館が比較的早い段階で自粛要請の緩和が可能なものとされた。なお、今回の発表内容はあくまで今後のロードマップの骨格としており、より具体的なロードマップは次週に発表するとした。

 なお、すでにICOM(国際博物館会議)は新型コロナの基本対策を公開しており、日本博物館協会も「博物館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を公開している。今後、ロードマップにしたがって博物館や美術館が開館する場合、これらのガイドラインにしたがうことになると考えられる。

 


NEWS / HEADLINE - 2020.5.20

アメリカの大規模美術館で初。ヒューストン美術館が再開へ

新型コロナウイルスの影響がもっとも深刻なアメリカで、パンデミック後初となる大規模美術館の再開が決定した。

ヒューストン美術館のウェブサイトより、アメデオ・モディリアーニ《レオポルド・ズブロフスキーの肖像》もマスクを着用している
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 新型コロナウイルスの影響が世界でもっとも深刻なアメリカ。ここでパンデミック後初めて、大規模美術館が再開されることになった。

 5月23日に再開するのはテキサス州にあるヒューストン美術館。1900年に設立された同館は、古代から現在に至るまでの約7万点の所蔵品を持つ、全米でも屈指の大規模館だ。

ヒューストン美術館 出典=ウィキメディア・コモンズ(By Hequals2henry - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=17670251)

 テキサス州では、5月1日に再開に関するガイドラインが発表され、開館の準備が進められてきた。同館館長のゲイリー・ティンテロフは、「状況はいつでも変化する可能性があることを認識している」としながら、「私たちは可能なかぎり安全な条件で、新しいガイドラインの下で、ヒューストン市民にサービスを提供することができるという希望を持ち続けている」と、再開について語っている。

 再開にあたっては、マスク着用や検温、ソーシャルディスタンス(2メートル)確保などはもちろんのこと、飲食禁止(カフェは閉鎖)、キャッシュレス決済、大きな荷物の持ち込み禁止(クロークは閉鎖)などの感染防止対策をとるという。

 このうちソーシャルディスタンスについては、館内のあらゆる場所で人口密度を定員の25パーセントとするほか、距離を示すマーカーを受付などの床に施すことで、その確保に努めるとしている。

 なおアメリカの美術館については、同国最大規模のメトロポリタン美術館が、遅くとも8月中旬頃の再開を予定していることがThe Art Newspaperによって報じられている。