頭付きスタッドと焼抜き栓溶接の応力伝達のメカニズムは異なり(構造-3参照)、その耐力算定方法も異なるので、同列に論ずることはできず、水平荷重に対する、最大耐力のみならず剛性も異なるので単純な耐力の累加は認められないと考えられ、実験的確認のない現段階では1本の梁の中で頭付きスタッドと焼抜き栓溶接の併用は認められません。
但し、大梁は頭付きスタッド、小梁は焼抜き栓溶接とする構法は使用できると考えます。これは、頭付きスタッドと焼抜き栓溶接の使用部材が区分されており、地震時の水平力がスラブから大梁ヘ、またはスラブから小梁を通して大梁に伝達する上で構造的に無理がないためです。 |
注: 頭付きスタッドの許容せん断耐力については、日本建築学会「各種合成構造設計指針・同解説(1985)」(付記:最新版『2010』)で示される頭付きスタッドの許容せん断耐力を参照できますが、この許容せん断耐力は元来合成スラブのシャーコネクターとしての耐力ですから終局耐力ですので、スラブと梁との接合に「頭付きスタッド」を用いる場合の設計については、下記の手法を提案します。詳細については、「デッキプレート床構造設計・施工規準-2004」の計算例を参照してください。添付資料-1 |
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頭付きスタッドのせん断耐力は、日本建築学会「各種合成構造設計指針・同解説(1985)」に等厚な鉄筋コンクリートスラブ中のものとする。 |
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コンクリートスラブの終局せん断強度は、溶接金網のみの場合では、無筋コンクリートの性状に近いものと推定されるので、Fc/10 ~Fc/15程度と考え、頭付きスタッドのピッチは、スラブコンクリートの終局せん断耐力と釣り合う程度の必要頭付きスタッド本数とする。 |
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頭付きスタッドのせん断耐力が必要保有面内せん断力を上回ることを検証する。 |
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