電脳筆写『 心超臨界 』

明日死ぬかのように生きよ
永遠に生きるかのように学べ
( マハトマ・ガンジー )

不都合な真実 《 グリア号事件 》

2020-05-17 | 04-歴史・文化・社会
 「東京裁判史観(自虐史観)を廃して本来の日本を取り戻そう!」
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《 いま注目の論点 》
「樋口中将 日本守った」――北海道で広がる評価
感染症の「有志情報同盟」構築を――島田洋一さん
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中国の政治宣伝は逆効果――松田康博さん
深刻な格差 「共生の道」探れ――ボリス・シリュルニク氏
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「恐怖の扇動」は、アメリカの過去70年間にわたる対外政策において、1つの重要な役割を果たしてきた。その証拠に、過去の3つの政権が、気乗りしないアメリカ国民を戦争に引きずり込もうとしてこの戦略を使ったことがはっきりしているからだ。


◆グリア号事件

『なぜリーダーはウソをつくのか』
【 ジョン・J・ミアシャイマー、中央公論新社、2017年12月、p84 】

「恐怖の扇動」は、アメリカの過去70年間にわたる対外政策において、1つの重要な役割を果たしてきた。その証拠に、過去の3つの政権が、気乗りしないアメリカ国民を戦争に引きずり込もうとしてこの戦略を使ったことがはっきりしているからだ。すでに述べたように、フランクリン・ルーズヴェルトは1941年晩夏の「グリア号事件」で、国民の意見を反ドイツに傾けさせ、アメリカを第2次大戦に参戦させることを狙ってウソをついている。米海軍の駆逐艦グリアは、北大西洋で航行中に英国軍の飛行機と共同でドイツの潜水艦を追跡していた。英軍の飛行機は最終的に潜水艦を狙って爆雷を落としたのだが、燃料が少なくなったために基地に帰還しなければならなくなった。ところが駆逐艦グリア号のほうは、英国の航空機の落とした爆雷では損害を受けなかったこのドイツの潜水艦を、引き続き追跡したのだ。その後に潜水艦はグリアに対して魚雷を発射したが、グリア側も爆雷で応酬している。結局双方とも狙いを外し、その数時間後にも一度戦闘が行われたのだが、それでも互いに相手に損害を与えることができなかった。

その1週間後に、ルーズヴェルト大統領はラジオ演説で、グリア号事件についてアメリカ国民に3つのウソをついている。彼は駆逐艦グリアにたいするドイツ側からの攻撃が、まるで警告なく突然行われたものであるかのように語ったのだ。彼はイギリスの航空機の存在や、さらにはグリアが共同でドイツの潜水艦を追跡していたこと、そしてその潜水艦がグリアに攻撃してくる前にイギリスの航空機のほうが先に爆雷を落としたことなどについては一言もふれなかったのである。その代わり彼は、ただ単にドイツの潜水艦がアメリカの「防衛海域」で「警告もなく先にアメリカの駆逐艦に攻撃してきたのであり、彼らは明らかにわれわれの船を沈めるつもりだった」と言ったのだ。彼はこのドイツ側の攻撃が、「法的にも倫理・道徳的にも、卑劣な海賊行為に当てはまる」と言っている。

それに加えてルーズヴェルト政権は、駆逐艦グリアがアメリカ船籍の船であることをドイツの潜水艦が知っていたことは「間違いない」と言い続けている。ところが米海軍の高官は、その声明発表の2日前にルーズヴェルト大統領にたいして、「ドイツの潜水艦がどの国の船にたいして砲撃していたのかをわかっていたという証拠は何もありません」と証言しているのだ。最終的に、ルーズヴェルトは「われわれはヒトラーと直接戦火を交えようとしているわけではない。今はそれを求めていないのだ」と宣言している。ところが彼はその前月(8月)にチャーチルと会談しており、そのチャーチル側の証言によれば、ルーズヴェルトは「戦争をするだろうが宣戦布告はせず、これからますます挑発的な行動に出るつもりであり……このすべては“事件”を起こすためだ……大統領は、戦争開始を正当化するような“事件”を求める、と明確に」語っていたという。もちろんグリア号事件はアメリカを第二次世界大戦参戦へと直接導いたわけではないのだが、それでも明らかにそのようになるよう求められていた「事件」となったのである。そしてアメリカの参戦を実際に実現させたのは1941年12月7日の日本による真珠湾攻撃であり、その4日後のヒトラーの宣戦布告だったのだ。
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