“検察庁法”成立見送る方針 政府与党世論に配慮も

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 内閣の判断によって幹部の定年を延長することが可能となる検察庁法の改正案について、政府・与党は今の国会での成立を見送る方針を固めました。

 (政治部・吉野真太郎記者報告)

 最大の理由としては、新型コロナの対応を優先させなければならない状況で世論に背を向けるのは得策ではないと判断したためです。国会審議では検察幹部の定年が内閣の判断で延長できる特例について、人事に政治が介入する懸念が焦点となっていました。また、東京高検の黒川検事長の定年延長の「後付け」だとして世論の反発も巻き起こっていました。ただ、今回のポイントは検察庁法改正案だけではなく、セットで審議されている一般の国家公務員の定年を65歳に引き上げる改正案も採決しないという点です。ある政府高官は「定年の特例を政府が判断するのは他の省庁の幹部も同じで、その基準に関する説明が不足していた」と話しています。そもそも法案の生煮え感が否めないなかで、具体的な審議は次の国会で出直しということになりそうです。