【その1】フィンランド国籍・永住滞在許可はどうやったらもらえるの?

2014年10月12日



私の通っている学校では、フィンランド語だけでなくフィンランドの社会について教えてくれる授業もあると、以前にも何度か書いた。最近はわたしらのフィンランド語理解力もあがったということで、教えてくれる内容も、ちょっと高度になってきた。

たとえば先月はみっちりフィンランドの労働関係の法律について勉強した。

雇用契約書に含まれていなくてはいけない項目はどんなものか、業種ごとの最低賃金はいくらか(どうやって調べればいいのか)、試用期間は何か月までが限度なのか、労働者&会社の権利と義務(解雇されるときに知っておくべき会社側の義務、やぶったらクビになる労働者の義務などなど)、法でさだめられた労働時間の上限、残業時間や祝日出勤のときの給料の計算の仕方など。

学校が終わったあと、私ら外国人が社会にでて不当な扱いをされたら、それが不当/違法だとわかるように、そして、そういうときどうすればいいかを教えてくれているんだと思う。フィンランドで生きていくにあたり、ある意味フィンランド語より大事なサバイバル情報だ。

そういえばいつだったか新聞に、毎年タイなどから夏の間だけやってくるブルーベリー摘み出稼ぎ労働者の話が載っていた。
オウルのあたりにもこういう季節労働者の人々がけっこう来るのだけれど、新聞記事によると彼らの中には不当な条件で働かされている場合もあるらしく、彼らにフィンランドでの彼らの権利と労働基準について周知する手立てを講ずるべきだとこの記事はまとめていた。フィンランドだけではないだろうけれど、言葉やその国の事情をよく知らない外国人は、どこの国でもブラック企業のターゲットにされやすいんだろう。




で、社会の授業、先週は国籍法について勉強した。
ついでに滞在許可の仕組みについてなども。これも上の↑労働法の話とおんなじで、移民がフィンランドで生きていくにあたり、ある意味フィンランド語より大事なサバイバル情報だ。


ちなみに、
フィンランド人と結婚してフィンランドに住んでいるというと、けっこうな割合で、

「国籍もフィンランドになったんでしょ?」

と言われる。

…答えですか?



ぜーーーーーーーーんっっぜん、

そんなことは

ないです!!!!



結婚後も相変わらず日本国籍のままだし、このさきも死ぬまで日本国籍のつもり。

結婚直後ならまだしも最近でもしょっちゅうこの質問されるので、この質問むけられるたびにぶっちゃけ「またか!?」と内心うちふるえているのですよ。。。なのだけど、ブログを読んでくださっている方からもよく国籍関係の質問をお寄せいただいているので、観念してここらでまとめて書いておこうと思う。

というわけで、今後国籍関係の質問をいただいた場合は「くわしくはWEBで!」とかくちばしりつつこの記事のURLをご紹介させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。




そもそもなんだけれど、フィンランドに住んでいる人は、以下3つのうちのどちらかに当てはまる。

①フィンランド国籍を持っているヒト

②滞在許可を持っているヒト

③他のEU国民および北欧諸国国民(早い話、EUに入ってないアイスランドとノルウェー国民のこと)で、フィンランドに引っ越してきたヒト


私の場合はこの②に当てはまる。

②のヒトがもっている「滞在許可」は、家族、勉学、仕事などのために、「フィンランド国籍もないしEU出身でもないんだけれど、フィンランドに住む必要がある」とフィンランド政府が認めてくれた場合にもらえるもの。
したがって②このパターンにあてはまるのは、具体的に言うと、私のようにフィンランド人と結婚している人のほか、留学生、仕事でフィンランドに住む必要がある人、←こういう人の家族、難民・亡命者、などなどだ。

ただしEUや北欧諸国のパスポートを持っているヒトは、この滞在許可はいらない。
③のパターンだ。

ちなみにちょっと話がそれちゃうのだけれど、EUパスポートの場合はそれでも「なんでフィンランドに住む必要があるのか」を届け出なくてはいけないらしい。しかし!北欧パスポートの場合は、滞在許可がいらないどころか、「なんでフィンランドに住むのか」の理由の申請も必要ない。早い話、必要なのは住民登録だけで、国内の引っ越しとほとんど変わらない。

ようするに、

「なんとなく、フィンランドに住みたいんですけど」

という人でも、北欧パスポートさえ持っていれば、可能っちゅうこと。
逆を言うと、それ以外の人がフィンランドに住むには「ちゃんとした理由」が必要ってことでもあるわけでございます。。




それた話をもどして②の場合の滞在許可の話。

条件さえ満たしていればだけれど、この滞在許可だけで一生フィンランドに住むってことももちろん可能だ。一生フィンランドに住んでいていいという許可は、上の②の「滞在許可」のうち、「永住滞在許可」という。

ちなみによくコレ「永住権」と言うひとがいるのだけど、ほんとは「永住滞在許可」と言うのが正しい。ウンチクがましくてすんごい恐縮なのだけど「永住」という言い方のせいで色々誤解されることがあるので、あえてここでしつこく言わせていただくのだけど、

コレ、あくまでフィンランド政府が発行する「許可」であって、その人がフィンランド政府に対して「私には死ぬまでここに住む権利があるのよー!」とかって主張できる「権利」じゃないです!

ある一定期間フィンランドに住んでいれば「ずっとこの先も住んでていいよ♥」という権利が自動的に発生するわけでもないのです!!

ハァハァ、、すっきりした。。。



で、この「永住滞在許可」はどうやったらもらえるかというと、普通にほかの滞在許可のように申請する。
でも、申請できるのは


それまでAタイプの滞在許可で連続4年以上フィンランドに住んでいるヒト
だけ。


このAタイプというのは、フィン人と結婚しているヒトなど今後もずっとフィンランドに住む必要がある人の滞在許可のこと。(ちなみに修士課程以下の留学生はBタイプなので、いくらフィンランドで4年以上住んでいたとしても、永住滞在許可はもらえない。)


ちなみに私の滞在許可はAタイプ。

このタイプの滞在許可をもらっている人は、社会保障などや市民生活上必要なことはほとんど普通のフィンランド人なみの対応をしてもらえる。

永住タイプの滞在許可と、Aタイプの滞在許可では恩恵に違いはない。
けど、更新期限が来るたびに更新手続きを一生しつづけるのは面倒くさいので、申請できる時期になれば私も永住タイプの滞在許可を申請するつもり。



なんか話がまどろっこしくなっちゃったのだけど、私がここで言いたかったのは、


私のような国際結婚の場合、

「フィンランド国籍なしで永住だってできる」
「フィンランド国籍なしだって、なんの不自由もしてない」

ということでございました。。

また、このブログに書いてあることは2014年時点でのハナシです。法律も決まりも手続きの方法も変わることがあるものです。

このブログの話は、ひまつぶしの読み物程度、参考の参考ぐらいに思っていただけるとうれしいです。フィンランドの滞在許可についてもっと詳しく正確な情報や、疑問のあて先は、私ではなく、
フィンランド警察(The Police of Finland) 公式ホームページ Residence permits (英語)
フィンランド移民局(The Finnish Immigration Service) 公式ホームページ Residence permits (英語)

などをご参照ください。

ご相談なども、誤情報ながしちゃうんじゃないかとちょっとおそろしくて乗れませんので(早い話、ご返信できません)、そこのとこご理解いただけるとうれしいです。

それじゃ、また!


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