「さらに、次期検事総長と目されてきた東京高検検事長の黒川弘務氏が、2月8日の誕生日をもって定年退官する可能性が高まってきたのが、菅氏にとって追い風です。
『官邸の門番』としてさまざまな政治案件を握りつぶしてきた黒川氏が消えれば、菅氏も『黒川がいなければ、私も手を出せません』と堂々と安倍総理に言える。
稲田(伸夫)検事総長は、『黒川がやめれば、8月の任期までバンバン事件をやる』と語っているため、河井夫妻の立件は確定的になるでしょう」(政治部デスク)
大臣経験者の逮捕となれば、政権への打撃は大きい。菅と安倍のどちらがダメージを受けるか?安倍のほうだろう。
IR問題についても、実は安倍のなかでは危ない時限爆弾がある。逮捕された秋元司が、細田派の有力議員の名前を具体的に挙げ、カジノ企業との癒着を検察に話しているという。
「具体的に、安倍に近い現職大臣の名前と、その人物が受け取った2000万円という金額も話している」という噂で永田町は持ちきりだ。
これまで挙げてきた「追い風」は、今のところ、静かなさざ波にすぎない。どう活かすかは、菅次第。しかも、先手を打たれるかもしれない。
「総理には、年内に内閣改造を行って、菅さんを閣外に出すという思いもあるようだ。後任には甘利明氏の名前が上がってきている」(安倍側近)
実際には、「菅以外に、安倍さんの防波堤がつとまる政治家はいない。安倍さんとしては、菅に内閣を守らせつつ、力だけは着実に削いでいくという戦略だ」(閣僚経験者)という見方が強い。