おいおい、ふざけるのもいい加減にしろ。「内閣や法相が認めれば特例として役職定年の63歳になった後もその役職にとどまれる」という例外規定は、昨年秋に内閣法制局が検察庁法改正案を審査した段階ではなかったのに、今年になって追加してきたものだ。“国家公務員法改正案に準じて検察庁法も合わせた”というのなら昨年秋の段階でそうしていたはずで、まったく辻褄が合わない。
しかも、法務省は昨年秋の法案検討の際に、役職定年の例外について「63歳以降も続けさせる例外規定は必要はない、それによって公務の運営に著しい支障が生じることはない」という見解を出していた。それなのに例外規定が今年になって盛り込まれたのは、黒川氏の定年延長の閣議決定を後付けで正当化するため以外に考えられない。
まったく嘘八百もいいところだが、さらに櫻井氏は、IR汚職で自民党の秋元司衆院議員が逮捕された件を持ち出して「(黒川氏は)必ずしも安倍政権に近いとかですね、安倍政権に優しいということではないにもかかわらず、各メディアのなかで必ずと言っていいくらい『安倍政権に近い』ということを枕詞のように書いている」と発言。小渕優子経産相(当時)の公職選挙法違反疑惑で秘書のみが在宅起訴で終わったことや、贈賄側の実名証言まであった甘利明経済再生相(当時)の口利きワイロ事件で甘利本人はおろか秘書すら立件されなかったこと、森友学園への国有地不正売却や公文書改ざんで政権や財務省への捜査が潰されたこともすっ飛ばして小物議員の逮捕にとどまっている一件だけ持ち出すとは姑息にも程があるが、櫻井氏は「(『安倍政権に近い』というメディアの表現は)正しいと思われますか?」と安倍首相に質問したのだ。