Beats初の完全ワイヤレスイヤホンがこの「Powerbeats PRO」だ。現行「AirPods」にも搭載されているアップル社製「H1」チップを採用することで、iPhoneやiPadなどとの接続性、利便性を追求したモデルに仕上がっているのが特徴となっている。
イヤホン本体は、一般的なカナル型というよりも、スポーツモデルのようなイヤーフックを採用したスタイルとなっている。しっかりした装着を実現する太めのイヤーフックなど、外観は「Powerbeats3 Wireless」に近いイメージとなっているが、ディテールはかなり異なっていて、完全ワイヤレスイヤホン専用にデザインされているのがわかる。
操作系は、上側に音量の+/-が可能なボタンと、再生/停止/受話などが行えるハウジング部のbマーク(ちなみに2回押しが曲送りで3回押しが曲戻し)、ふたつがレイアウトされている。こちらの操作感は良好で、とても扱いやすかった。また、本体にはセンサーが付属しており、装着すると再生が始まり、外すと再生が停止するようになっている。こちらもなかなかに便利だ。
専属再生時間は最大9時間ほど。専用ケースからの充電を含めると、24時間以上の使用が可能となっている。さらに、5分の充電で約90分の再生が行えるようになる急速充電機能(BeatsではFast Fuel機能と呼んでいる)も持っているので、外出時にバッテリー切れで困ることはまずないはずだ。
そのほか、専用ケースを開けてiPhoneを近づけるだけでペアリングしてくれたり、ケースの接続端子がLightningだったり(製品にはLightning to USB-Aケーブルが付属)、Siriに対応していたりと、iPhone/iPadユーザーにはとても扱いやすい仕様となっている。とはいえ、このあたりはAndroidユーザーにとってはデメリットになることが多いので、あくまでもiPhone/iPadユーザーをメインとした製品といえる。
さて、そのサウンドはというと、カリッとした、ハリのある中高音が特徴。ヌケのよい、広がり感のある清々しいサウンドが楽しめる。いっぽう低域は、十分な量感を持つが、全体の帯域バランスを崩すようなことはなく、どこまでもクリアな、上質な印象を感じさせるサウンドにまとめ上げられている。解像感がそれほど高くはないが、そういった不足を感じさせない。絶妙なチューニングといえるだろう。
サウンドも使い勝手も満足できる内容となっている「Powerbeats PRO」だか、唯一残念なのが音漏れに関して。「Powerbeats PRO」は、かなり盛大に音漏れするため、電車内などではボリュームを大きく絞る必要がある。決して大げさな話ではなく、開放型ハウジング採用のインナーイヤーに近いのでは、と思えるほどの音漏れだったりするのだ。というのも、先日たまたま電車内で「Powerbeats PRO」ユーザーを目の前にしたのだが、こちらは座っていて、その人は立っているのにもかかわらず、どんな楽曲を聴いているのか丸わかりだった。ラッシュ時の電車などでは、まず使えないといっていいだろう。「AirPods」も含め、アップル社製イヤホンは音漏れについてあまり配慮していない傾向があるので、そのあたりはあらかじめ注意が必要だ。
イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大9時間
充電方法:専用ケース(イヤホン本体と合わせて24時間以上再生可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:アイボリー/ブラック/ネイビー/モス
ハーマンインターナショナルから発売されたJBL「REFLECT FLOW」は、スポーツユースをメインとした完全ワイヤレスイヤホン。スポーツ向けの完全ワイヤレスイヤホンは、これまでアンダーアーマーとのコラボモデルが存在したが、JBLブランドとしては初の製品となっているようだ。
外観は、まさにスポーツ向け然としたもの。比較的大きめの円を基調としたイヤホン本体にイヤーフィン(3サイズ)が付属され、激しいスポーツを行っている最中でもフィット感が保たれるよう、充分な配慮がなされている。実際に装着してみても、フィット感はかなり良好だった。耳との接触面までカバーされたシリコン製のイヤーフィンによって、ピッタリとフィットしてくれる。アンダーアーマーモデルでノウハウを蓄積できたのだろう、とても良好な装着感だった。
このほか、IPX7の防水性能を確保し、ボタンを押すと再生音楽の音量が下がるトークスルー機能や、周囲の環境音を聴きやすくするアンビエントアウェア機能など、スポーツユースはもとより、屋外での使用にも充分配慮された製品となっている。
また、バッテリーのロングライブにも注目したい。約10時間の連続再生が行えるうえ、ケースから約2回の充電が行えるので、トータルで約30時間使い続けることができる。急速充電にも対応し、約10分の充電で1時間ほどの再生が行える点もありがたい。
もうひとつ、カラーバリエーションが豊富に用意されているのも特徴だ。ブラックに加え、ブルー、グリーン、ティールとなかなかカラフルなラインアップとなっているのは、スポーツタイプならではといえる。ケースも本体に合わせたカラーとなっていて、こちらもカラフルだ。そのため(ブラック以外は)カバンの中でもすぐに探し出せることだろう。
JBLらしいユーザーフレンドリーさは、そのほかにもいくつかあった。電源オン時はギターの音が鳴るという、これはBluetoothスピーカーと同じサウンド。ちなみに、トークスルーやアンビエントアウェア機能の切り替えもギターの音だった。これらは、ちょっとしたJBLらしさのアピールといったところか。ペアリングは、イヤホンを取り出すことで自動的にペアリングモードになってくれるので、スマートフォンとの接続はとても楽だった。“ケースから取り出すだけ”とうたっていてもそれでスムーズに接続できる製品は意外と少ないので、この安定っぷりは嬉しいかぎりだ。
いっぽう、操作系にちょっとしたくせを感じた。音楽再生操作は右側1回押しで再生/停止、左側2回押しで曲送りとなるが、曲戻しや音量調整はできない模様。その代わりに、左側は1回押しでトークスルーとアンビエントアウェア機能をオンにできるようになっている。音量調整が本体でできないのは、少々残念だ。
さて、肝心のサウンドはというと、JBLらしいという言葉がピッタリの、ヌケのよい晴れやかな音色傾向が特徴。女性ボーカルがのびのびとした奔放な歌声を聴かせてくれ、アコースティックギターも普段より抑揚がダイナミックな演奏を聴かせてくれる。いっぽう、低域はたっぷりとした量感を持ち、迫力あるサウンドが楽しめる。
スポーツ向け完全ワイヤレスイヤホンというと、音質は二の次の製品が多かったが、いつの間にかそんな時代は終わっていたようだ。ノリのよい、垢抜けた「REFLECT FLOW」のサウンドによって、フィットネスも大いにはかどりそうだ。
イヤホン重量(片耳):約8g
再生時間:最大10時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約2回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ブラック、ブルー、グリーン、ティール
Bose初となる完全ワイヤレスイヤホン。ジョギングなどのスポーツユースにも配慮されており、本体は防滴仕様となっている。また、本体右側にはオンオフ/音量調整ボタンが配置されており、必要な操作はこちらから直接行えるようになっている。ワンボタンだけではなく、音量の+-まで用意されているのはありがたいきがりだ。また、連続再生時間も5時間と、ほかに類のないロングライフを確保している。2回分の満充電が行える専用ケーズとあわせて、大きなアドバンテージとなっているのは確かだ。
いっぽう、装着感に関しては、本体サイズがかなり大柄なものの、イヤーピースにウイングのついた「StayHear+ Sportチップ」を採用することで、安定した装着感を確保しているとアピールする。実際、試聴時に首を振るなどいろいろと試してみたが、よほど激しい動きをしないかぎり、外れてしまうことはなかった。
音質に関しては、Boseらしいサウンドというべきか、量感のある低域と張り出しのよい中域によって、実体感のあるリアルなサウンドを聴かせてくれた。特に男性ボーカルは、芯のしっかりした歌声に柔らかい低音がわずかに付帯して、なかなかセクシーな歌声に感じられる。チェロなどの弦楽器も、音に深みがあって印象的な演奏に感じられる。Bluetooth、しかも完全ワイヤレスになっても、Boseらしさあふれるサウンドが健在なのはありがたい限りだ。
ただし、注意点がふたつ。こちらの製品、かなり大柄な本体となっているため、女性の中には装着に違和感を覚える人がいるかも。また、「StayHear+ Sportチップ」は完全なカナル型ではないため、多少の音漏れが発生するので、混雑した電車内などでは音量に気をつけたいところだ。
イヤホン重量(片耳):約9g
再生時間:最大5時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回分の充電が可能)
対応コーデック:SBC
カラーバリエーション:トリプルブラック、ミッドナイトブルー×イエローシトロン
finalがサウンド監修を行う新イヤホンブランド、agのエントリークラス完全ワイヤレスイヤホン。音質を最重要視した「TWS01K」に対して、「TWS03R」はデザインや使い勝手のよさに重点が置かれているのか、小型軽量なイヤホン本体やミニマムで扱いやすい専用充電ケース、落ち着いた印象のつや消し表面処理(粉雪塗装)、中間色調のポップさとシックさをあわせ持つカラーバリエーションなど、女性を意識した上品な印象の外観にまとめられているのが特徴となっている。その証拠に、イヤーピースは標準3サイズに加えてfinal製タイプEのSSサイズが付属している。
対応コーデックはSBCとAAC、続音楽再生時間は5時間程度(ケースからの充電込みで最大17時間)と、「TWS01K」に対しては音質もスペックも劣る部分はあるが、決して安かろう悪かろうというイメージはない。逆に、コンパクトなイヤホン本体&専用ケース、そして絶妙なカラーリングも含めて、積極的に使いたくなる&持ち運びたくなるのはこちらのほうが上かもしれない。
音質的にも悪くない。解像感は確かに「TWS01K」に劣るが、雑味のないクリアな印象のサウンドでまとめられている。加えて、ボーカルがグッと近い位置にいて、生き生きとした歌声を聴かせてくれる。特に女性ボーカルとの相性がよく、普段より幾分伸びやかな、張りのある歌声を聴かせてくれるので、聴いていてとても楽しい。Jポップなど最新曲との相性はとてもよい。手頃な価格も含めて、なかなか魅力的な製品といえる。
イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大5時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2.4回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:BLACK/BLUE/GREEN/RED/CREAM/MOMO
完全ワイヤレスイヤホンの牽引役にして、ジャンル最大の販売数を誇るアップル純正モデル「AirPods」が新モデルへと進化した。本体に関して外観の変更はほとんど見られず、ケースも同じデザインながら、Qiによるワイヤレス充電に対応したこと(非対応ケース付属の製品も用意される)、LEDが外部に移動されて充電状況が外からわかりやすくなったことなど、いくつかの利便性向上が図られている。
とはいえ、イヤホン本体も情報をよく見てみると、いくつかの性能アップが盛り込まれているのがわかる。「AirPods」はもともと、取り出すだけでiPhoneと簡単に接続でき、左右を意識せず(実際形状的にはLRはあるが)装着するだけで音楽再生を楽しむことができるうえ、同じApple IDを登録したiPadやMacなどとペアリング情報が共有されるため、機器ごとに設定する必要もない。これまでもアップル製品のユーザーには、とても使い勝手のよい製品となっていたのだが、新世代の製品では声で音声アシスタント「Siri」を呼び出せるなど、いくつかの機能性アップも行われている。
これは、ワイヤレスモジュールの変更によって実現した機能性だと思われる。初代「AirPods」では「W1」というチップを採用していたが、新モデルでは「H1」へと変更され、低消費電力化や接続機器の切り替え速度向上など、主に使い勝手の面でグレードアップが行われている。使いやすさを重視した製品作りは、アップルらしい方向性だといえる。
しかしながら、「AirPods」も純然たるオーディオ機器であるのも確か。一番重要なのは、その音質だろう。ということで、さっそくiPhoneに接続して、そのサウンドをチェックしたが、初代「AirPods」に対して、ややニュートラルなサウンドキャラクターにシフトしたイメージだ。初代「AirPods」は、昔のBoseのようなアメリカ東海岸サウンドとも呼ぶべき音色傾向を持ち合わせていたが、最新の「AirPods」は、逆に中域重視のキャラクターが強まり、奔放さよりもまとまりのよさを重視したような印象となった。
ややウォーミーな音色傾向を持ち、女性ボーカルはいつもよりハスキーだが、高域への伸びやかさはしっかりと保たれていて、印象的な歌声を聴かせてくれる。ピアノの響きも伸びやかだ。解像感も高まってくれているのだろう、楽器の音色もリアリティが高まっている。音質については、確実なグレードアップを果たしている印象を持った。機能性といい音質といい、グっと完成度の高まった製品に生まれ変わったと思う。
インナーイヤー型なので、当然音漏れはある。また、街中で耳からポロリとこぼれ落ちた人を何人も見ている(そのうち2人の女性は線路に吸い込まれていった)。電車内で使用する際は音量に気を使う必要があり、歩きながらの使用は(こぼれ落ちるのを回避するためにも)避けてもらいたい製品だが、いっぽうでこの扱いやすさは大きな魅力といえる。特にアップル製品ユーザーにとっては、最有力候補となる製品だ。
イヤホン重量(片耳):約4g(片耳)
再生時間:最大5時間
充電方法:専用ケース(15分の充電で最大3時間の再生、内蔵バッテリーで24時間以上の再生が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ホワイト
Noble Audioは、オーディオロジスト(聴覚学者・聴覚専門医)でありポータブルオーディオファンからは“Wizard(魔術師)”の愛称で呼ばれているジョン・モールトン氏によって設立された米国のイヤホン専業メーカー。これまでカスタムIEMやハイエンドイヤホンなどを手がけてきた同社から、初の完全ワイヤレスイヤホンが登場。それがこの「FALCON」だ。実はこちらの製品、先にクラウドファンディングによる販売が行われ、目標金額を大幅に上回る1400万円超の支援を達成するなど大きな話題となっていた製品で、このたび一般販売がスタートした。
最大の特長といえば、やはりサウンドに対するこだわりだろう。「FALCON」では、「Dual-Layered Carbon Driver(D.L.C. Driver)」と呼ばれるドライバーユニットを開発して搭載。振動板の樹脂層の上にカーボンファイバー素材できたパーツを重ねた特殊な二層構造を採用することで、完全ワイヤレスイヤホンに搭載例の多いグラフェンドライバーに対して歪みを約1/2に抑制。伸びやかな広域表現が可能になっているという。
また、組み合わせるアコースティックダンパーの選定とDSPによる徹底したチューニングを実施。有線モデルの周波数特性を基準としつつ、超低域をシャープに減衰させることでマスキング現象を回避するなど、最適なサウンドを作り上げるべく繰り返し微調整を行ったという。
音質に関してはもうひとつ、イヤホン本体のデザインにも注目したい。いわゆるイヤーモニターライクなデザインなのだが、一般的なモデルに比べてノズルの部分が長く、耳穴の奥まで入り込んでくる。これは、イヤーモニターではよく使われる、遮音性を高めるための手段だが、完全ワイヤレスイヤホンでここまでのノズル長を持つものはほとんどない。その分、遮音性が高まってよりピュアなサウンドが楽しめるが、人によっては少々気になるかもしれない。筆者も、左耳側がSサイズイヤーチップを使っても理想位置まで入るギリギリの太さだった。普段からSサイズイヤーチップを使っている人など、耳穴の小さい人は購入前に装着テストをしてみることをおすすめする。
いっぽうで、通信の接続安定性にもかなり注力した様子がうかがえる。接続安定性に定評のあるクアルコム社製SoC「QCC3020」を搭載したことに加え、「High Precision Connect Technology」というアンテナ設計技術を導入。信号強度がもっとも減衰しにくい場所にアンテナを配置するなどの最適化により、通信の安定した接続を実現したとアピールする。実際に少しテストをしてみたが、障害物がある場合でも5m程は安定して接続できているなど、十分な接続安定性を保持していた。よほど環境の悪い場所でもないかぎり、音切れは発生しなさそうだ。
ちなみに、この「FALCON」に搭載されている「QCC3020」は、iOS/Androidの両OSからのOTAファームウェアアップデート機能をサポートした最新世代となっている。2019年内配信予定の専用アプリを活用することで、アップデートも行えるため、将来的にも安心といえる。
このほかにも、IPX7の防水性能や専用アプリによるボタンのカスタマイズ、イコライザー調整機能の提供など、使い勝手についても満足できるレベルが確保されている。なお、コーデックはSBCやAAC、aptXに対応している。
さて、ウォークマン「ZX300」とaptX接続してそのサウンドをチェックしたところ、音のクリアさ、ダイレクト感の高さについて大いに驚いた。ピアノやチェロなど、アコースティック楽器の音色はとても自然で、かつメリハリもしっかりしている。完全ワイヤレスであることを忘れてしまうほど、有線イヤホンと変わらない印象の音色であり、とても良質なサウンドを聴かせてくれる。女性ボーカルはほんの少し擦過音が目立つが、音色の変調もなく普段通りの魅力的な歌声を楽しませてくれる。
Jポップとの相性のよさも特筆だ。MYTH & ROIDを聴くと、ぶ厚いギターの音と伸び伸びとしたボーカルが巧みに融合して、独特の魅力を持つサウンドが見事に再生されている。いっぽうで、坂本真綾「逆光」は、坂本真綾ならではのやさしい声色の歌声とグルーヴ感あふれるキレのよい演奏との意外な組み合わせが持つ面白さを存分に楽しませてくれる。とにかく、音楽が“楽しい”サウンドであることは断言できる。
よくよく確認してみると、aptX接続の影響だろう、ハイレゾ音源を再現しきるまでの情報量は持ち合わせていないのだが、いっぽうで音色がとても自然で、各楽器のバランスが良好だったりと、普段のNoble Audioと何ら変わらないサウンドキャラクターを持ち合わせている。完成度の高さに思わず感心させられる、すばらしい製品だ。
イヤホン重量(片耳):約7g
再生時間:最大10時間(70%音量時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで4回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック
「HA-XC50T」は重低音が特徴のXXシリーズに位置する完全ワイヤレスイヤホン。価格は1万円前後となっているので、ミドルクラスに近い製品と考えていいだろう。
その特徴は、重低音はもちろん、タフさにも注目だ。イヤホン本体は、衝撃から保護するラバープロテクターを備え、IP55相当の防滴&防じん性能を持ち合わせたタフボディを実現。汗や水、砂ぼこりに強い製品となっている。いっぽう、連続再生時間は約4時間、専用ケースによる充電も合わせてトータル約14時間と、こちらはごく普通のスペック。ただし、15分の充電で約1時間の連続再生が可能なクイックチャージに対応しているので、こちらは重宝しそうだ。コーデックは、SBCのみの対応となっている。
実際に製品を装着してみると、本体がそれほど大きくないため、装置着感はなかなか良好。イヤーピースをしっかりチョイスすれば、首を振っても耳からこぼれ落ちることはないだろう。いっぽう、専用ケースは(イマドキとしては)やや大柄といえ、ポケットに入れるのは少々厳しいが、カバンだったら邪魔にならない程度。特に不便とは思わなかった。
さて、肝心のサウンドはというと、なかなか絶妙なチューニングだと感じた。ディープな帯域を持ち、EDMなどの楽曲とベストマッチするのだが、それでいてボーカルがマスクされず、クリアで伸び伸びとした歌声を聴かせてくれるのだ。特に女性ボーカルとの相性がよく、倍音がきれいに乗った、ヌケのよい、それでいてちょっとだけハスキーな、やや大人っぽい、存在感のある歌声を聴かせてくれる。特にボーカルを強調したバランスではなく、音場的にも違和感はなく、低域の迫力はかなりあるのにまとまりのよいサウンドを聴かせてくれる。ただの重低音モデルとは違う、なかなかに絶妙なチューニングといえる。幅広い人におすすめできる製品だ。
イヤホン重量(片耳):約5.6g
再生時間:最大4時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2.5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC
カラーバリエーション:ターコイズブルー、ブラック、グレー、レッド
JBLはこれまで多目的用途の「Free X」やスポーツ向けの「ENDURANCE PEAK」「UA SPORT WIRELESS FLASH」などの完全ワイヤレスイヤホンをリリースしてきたが、新たに、販売価格が1万円を切るベーシッククラスの製品として「JBL TUNE 120TWS」が追加された。
こちらの製品、外観は(どちらかというと)「Free X」に近い、完全ワイヤレスイヤホンとしてはごく一般的なスタイルに見えるが、アウターハウジングと耳側を別色にしたり、耳側を一段すぼめた形にするなど、随所に独自の工夫が施されていたりする。このあたりは、装着性も含めたデザインづくりのように感じられる。また、専用ケースのデザインも薄型&幅広めの丸みを帯びたケースが採用されているが、こちらもカバンで邪魔になりにくいサイズ感だったりイヤホン本体が取り出しやすかったりと、“ファッション性に富んだデザイン”であると同時に、使い勝手についてもかなり熟考されている様子がうかがえた。
イヤホン本体は、最大で4時間ほどの連続再生が可能となっている。また、バッテリーを搭載する専用ケースもあわせると、最大で16時間の音楽再生が行えるため、実際の使用時にそれほど困ることはないだろう。ちなみに、約15分の充電で1時間ほどの音楽再生が可能な急速充電機能にも対応しているので、ありがたい。カラーバリエーションはブラック、ホワイト、グリーン、ピンクの4色を展開している。対応コーデックはSBCのみ。ハンズフリー通話はもとより、GoogleNowやSiriの呼び出しにも対応している。イヤホン本体のボタンから音量調整が行えない(ウォークマンでボリューム調整できない問題は修正ファームウェアを準備中)のが残念だが、この価格帯の製品だと意外と多いので、弱点といいきるのは酷だろう。
さて、肝心の音はというと、まさに旧きよき西海岸サウンドといったイメージの、明るくてカラッとしていてヌケのよい、清々しい音色傾向が特徴だった。メリハリはかなり強めで、かなり迫力よりの表現だったり、ピアノの音が伸びやかを越えてかなり鋭かったりするのだが、音色の明るさや音ヌケのよさが功を奏してか、耳障りどころか逆に気持ちいいと感じてしまう。とても印象的なサウンドだ。
ただ1点、イヤーチップの相性が少々シビアな傾向があり、筆者などは低域が抜けてしまい過ぎるバランスの悪いサウンドになってしまう傾向があった。今回の試聴では、SednaEarFitに交換して試聴を続けることとなったが、「低音があまり聴こえない」と感じる人がいたら、市販品のイヤーチップを試してみることをオススメしたい。
イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大4時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC(一部端末ではAAC対応)
カラーバリエーション:ブラック/ホワイト/グリーン/ピンク
「AirPods」は、Apple純正となる完全ワイヤレスイヤホンだ。こちらの製品、iPhoneやMacOSとのペアリングがとても簡単にできるのが特徴。ケースを開けると、iPhone上に(AirPodsと)接続するかどうかの画面が表示され、接続を選ぶとペアリングが完了するという、とても扱いやすい接続メニューが用意されている。
また、耳に差し込むだけで自動的に電源がオンになり、片耳でも使えるなど、手軽さにおいてはかなりのレベル。バッテリー駆動時間は5時間だが、充電ケースを使用することで24時間以上のバッテリー駆動が可能となっている点もありがたい。対応コーデックは、AACとSBCだ。
音質は、とてもオーソドックスというべきか、中域のダイナミックな抑揚表現によってノリのいいサウンドを聴かせるタイプ。最高域を欲張らず、低域もちょっとした膨らみがあり迫力を感じるなど、まるで10~15年前のBOSE製品のような、いい意味で懐かしさを感じる東海岸サウンド。女性ボーカルはややドライよりのニュートラルな歌声を楽しめる。
いっぽうで、LR方向の定位はやや極端。広がり感は大きいものの、センターと左右の間隔が広ぎる印象を持った。奥行き方向の広がり感もあまり感じられない。また、カナル型ではないため、音漏れが大きい点は注意が必要。電車内やオフィスでの使用はボリュームを控えて使ったほうがよさそうだ。
イヤホン重量(片耳):約4g(片耳)
再生時間:最大5時間
充電方法:専用ケース(15分の充電で最大3時間の再生、内蔵バッテリーで24時間以上の再生が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ホワイト
日本人のサウンドエキスパートによる日本人向けチューニングが施された、日本専売モデルとして誕生した新ブランドAIR by MPOW。ノイズキャンセリングヘッドホンやノイズキャンセリングイヤホンなど、これまで3モデルをリリースしてきた同ブランドから、第4の新製品として完全ワイヤレスイヤホン「X5.1J」が発売された。
既存の3製品同様、「X5.1J」も高機能&良音質、高コストパフォーマンスがセールスポイントとなっている。たとえば、Bluetoothチップセットにミドル~上級機によく採用されているクアルコム「QCC3020」を搭載。音切れのしにくさや良音質コーデックaptXへの対応、約6時間の連続再生時間など、ひとつふたつ上のクラスのスペックを持ち合わせている。また、既存モデルと統一したイメージなのだろう、イヤホン本体のハウジング部分にはつや消しブラックが、そのほかにはメタルグレーカラーがあしらわれていて、シックな印象にまとめられている。専用ケースのほうも、やわらかい触感を持つフェイクレザーで覆われていて安っぽさは皆無。既存モデル同様、価格帯を想像されない、シックにまとめ上げられている。機能性や外観デザインなどからは、とても8,000円強で入手できる製品とは思えない質のよさを持ち合わせているといっていいだろう。
ちなみに、イヤホン本体はユニバーサルIEM然としたデザインを採用しており、フィット感はとても良好だった。おかげで遮音性も高く、音楽に集中することができる。当然、周囲の音がほとんど聞こえないため、歩行中の使用は厳禁だ。
さて、肝心のサウンドはというと、ハッとするダイレクト感と聴き心地のよさをあわせ持つ、絶妙なバランスにまとめ上げられているのが特徴だ。メリハリがしっかりしているうえ雑味が少なく、高域はサラサラとした軽めの音色でしっかり伸びているのに鋭すぎず。おかげで、ボーカルや演奏の表現が素直に伝わってくるし、それでいてとても聴き心地がいい。おかげで、Jポップもクラシックも、クリアネスなサウンドを堪能することができる。日本人が日本人のためにチューニングした音と謳うだけあって、かゆいところに手が届いた、なかなか好ましいサウンドといえる。
サウンドクオリティはもちろんのこと、デザインや機能性など、この価格で入手できる製品としてこの「X5.1J」は現在のところ群を抜いている存在なのは間違いない。幅広いユーザーにおすすめできる製品だ。
イヤホン重量(片耳):約5.2g-
再生時間:最大6時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで4回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック
IP68の防塵・防水性能を持ち、本体内に4GBメモリーを搭載することでスマートフォンいらずで単体の音楽再生も実現。左右本体の接続にNMFI方式を採用しつつ、アンテナ構造にも改良を施すことで安定した接続と低遅延を確保した、ソニーの最新スポーツモデル。既存モデルとして、ソニーは「WF-SP700N」というコンセプトの近いモデルが存在しているが、メモリー内蔵だったり高い防水機能を誇っていたり、逆にノイズキャンセリング機能が省かれていたりと、両者では使いこなしがかなり異なってくる。また、後発モデルのアドバンテージとしては、イヤーチップ装着位置を2段階調整できるようにし、アークサポーターを付属するなど、装着性にかなりの工夫が盛り込まれている点が挙げられる。
また、防水に次ぐトピックといえる内蔵メモリー再生に関しては、16bit音源にとどまっていてハイレゾ音源は再生不可だが、MP3やAACはもちろん、FLACやWAVなど幅広いファイル形式に対応しているので使い勝手はよさそう。4GBの容量によって、128kbpsのMP3ファイルで約920曲、16bit/44.1kHzのWAVファイルでも約80曲入れられるため、ランニングなど、スマートフォンも持ちたくない状況などで重宝しそうだ。
そのほか、周辺の環境音をマイクから取り込むアンビエントモードやイコライザー調整も可能となっている。こちら、効果のオンオフは本体ボタンから直接行えるが、スマートフォン用アプリを活用することが前提となっていて、アンビエントモードは「ボイスモード」と「ノーマルモード」を、イコライザー調整は8タイプのなかから好みのものを選ぶようになっている。また、ケース本体はNFCによる簡単接続に対応しており、NFC対応スマートフォンやウォークマンであれば、かざすだけで簡単に機器接続を行うことができる。
接続の安定性に関しては、なかなかのレベルに達していると感じた。もちろん完全ワイヤレスイヤホンとしての限界はあるが、両耳を手で覆うなど極端な悪環境を作らないかぎりスマートフォンとの接続は維持されるし、切れたとしても復帰が素早くスムーズだ。また、左右間にNMFI方式を利用しているおかげか、切れるときには両方いっぺんに切れ、両方いっぺんに(しかも素早く)つながるため、特に大きなストレスを感じることはなかった。
不満点は装着感だ。これは、個人個人で状況が大きく異なってしまうし、もともと筆者はカナル型イヤホンが外れやすいために(耳型を採取する)カスタムIEMにハマった、という経緯を持つ、メーカーにとっては嫌らしいタイプのユーザーであるため、話半分くらいに受け取って欲しいのだが、どのサイズのイヤーチップでも耳から外れやすく、特に右は3サイズどのアークサポーターでも耳に引っかかってもらえず、試聴中にポロリとこぼれ落ちてしまうことがあった。最終的に左右ともにLサイズのイヤーチップ(2段階のうち右のみ手前を使用)、アークサポーターは左L右Mを使うことで何とか試聴が行えたが、ソニー製カナル型イヤホンでここまで苦労した記憶がないため、逆に同社既存イヤホン付属イヤーチップの出来のよさを改めて感じた次第だ。対して「WF-SP900」は、ピッタリとフィットして欲しいスポーツタイプだからこそのシビアさを持ち合わせているようなので、可能であれば一度試聴ならぬ試着することをお勧めしたい。
話は変わって、基本スペックを少々。対応するコーデックはSBCとAAC。カラーは3色が用意されている。連続再生時間は最大約3時間だが、単体再生のプレーヤーモードだと約6時間までのびる。プラス、ケースから最大3回分の充電が可能となっているので、再生時間に関してはごく一般的な内容といえる。
軽量化の意味もあって、ドライバーはBA型か採用されている。これが功を奏しているのか、音質的にもなかなかの出来映え。クリアネスなキャラクターが特徴で、帯域特性としては多少聴感上のナローさが感じられるものの、煌びやかな高域やたっぷりとした量感の低域によって、違和感なく音楽を楽しむことができる。
女性ボーカルは高域のちょっとしたピークと重なるため、擦過音が強めの歌声。その分、普段より歌声に力がこもっているようにも感じる。いっぽうで男性ボーカルは、同じようにサ行が強めなものの、ちょっと鼻にかかったかのような歌声がセクシーだ。ハイハット、金管楽器などは、とても煌びやかな演奏に感じられる。ベースやドラムなどのリズムパートは、低域にしっかりとした量感があり、それでいてフォーカス感もあるので、軽快なテンポのリズミカルな演奏が楽しめる。Jポップ、アメリカンロックなどとはなかなかに相性のよいサウンドキャラクターといえる。いっぽうで、女性ボーカルもヌケのよいのびのびとした歌声が楽しめるなど、ジャンルを問わない優等性っぷりも持ち合わせている。こと音質に関しては、巧みなまとめ上げといえる。
多機能故に操作性がやや煩雑となってしまうが、使いこなせばかなり便利な、完成度の高い製品といえるだろう。
イヤホン重量(片耳):約7.3g
再生時間:最大3時間(Bluetooth ON時)/最大6時間(Bluetooth OFF時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2.5~3回分のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ブラック、ホワイト、イエロー
“ソニー”ではなく“ソニーモバイルコミュニケーションズ”がリリースした製品だけに、基本的にはウェアラブルデバイスとして作り上げられている完全ワイヤレスイヤホンが、この「Xperia Ear Duo」だ。
なかでも、最大の特徴となっているのが“デュアルリスニング”と呼ばれる希有なスタイルだろう。
もともと「Xperia Ear Duo」は、バッテリーやアンテナを内蔵する本体部分にパイプで延長されたイヤホン部分が付属する、特殊なスタイルとなっていて、しかも、一般的な耳掛け型の装着ではなく、イヤホンからのパイプが耳の下側を通って本体と接続している下掛けスタイルのレイアウトが採用されている。なんとも個性的なスタイルで、装着に慣れるまでは多少時間を必要とするが、正しく装着を行えばしっかりとしたホールド感を保っているので、不便に思うことはない。逆に、耳掛け型でケーブルを配置するのが苦手という人や、カナル型イヤホンは耳が蒸れていやだという人は、こちらの方が好ましく思うかもしれない。
とはいえ、もっとも重要なのはイヤホン先端部分の形状だ。ドライバー自身は本体に内蔵されており、イヤホン部分はあくまでもパイプの先にイヤーチップを付けたような印象で、さらにこのイヤーチップがリング形状となっている。そのため、一般的なカナル型イヤホンとは異なり、装着した際でも耳穴全体をふさぐことなくまわりの音が聞こえるようになっている。音楽等を聴きつつも、環境音がしっかりと届いてくるのだ。ノイズキャンセリングヘッドホンのようなマイク集音による環境音の再現ではなく、実際にまわりの音が入ってくることで屋外でも安全に利用できる、というのがこの“デュアルリスニング”ならではの特徴だ。
実際、イヤホンを装着しつつリアルな環境音を聴くことができるこの構造に、なかなかの好印象を持った。当然といえば当然の話なのだが、まわりの音の“定位”も“音色”も自然なため、周辺の様子がしっかりと把握できるのだ。その分、音楽に集中して存分に楽しむことは一般的なカナル型イヤホンに劣るが、ボーカルやメイン楽器など中域の音がしっかりと届いてくれるため、BGM的に音楽を楽しむ以上の音量や存在感の強さを確保できている。音色も自然で、歌声ものびやか。特に女性ボーカルは、ほんの少し艶やかさの乗った美しい歌声を聴かせてくれる。まわりの騒音がここまで入り込んでくるのに、それに音楽が負けず、しっかりとした存在感を示してくれるのは嬉しいかぎりだ。
ちなみに、左右イヤホンの接続をNFMI (Near Field Magnetic Induction/近距離電磁誘導) を採用している恩恵か、はたまたアンテナの設計が巧みなのか、音切れも気にならないレベルに収まっていた。
加えて、Assistant for XperiaやSiri、LINEメッセージの音声入力&送信など各種アシスタント機能や、地図情報や天気などユーザーの状況に合わせた情報を伝えてくれるデイリーアシスト機能、ヘッドジェスチャーによる簡単操作が行えるスマート機能など、スマートフォンと連携した便利機能が多数盛り込まれているのは嬉しいかぎり。音楽もそれなりに楽しめる便利なウェアラブルデバイスが欲しい、という人にとっては、かなりの有力候補だろう。
イヤホン重量(片耳):約10.6g
再生時間:最大4時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回分のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ブラック、ゴールド
オーディオテクニカから、完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「ATH-CKS5TW」が登場した。こちら、CKRシリーズ「ATH-CKR7TW」、スポーツモデル「ATH-SPORT7TW」に続く同社にとって3モデル目の完全ワイヤレスイヤホン製品で、既存2モデルとは異なり重低音モデル、SOLID BASSシリーズに属するモデルとなっている。
「ATH-CKS5TW」最大の特徴といえば、SOLID BASSシリーズならではの、重低音に特化したサウンドチューニングだろう。完全ワイヤレスイヤホンで、ここまで重低音をアピールした製品はほとんど存在していないし、10mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載している製品は希少といえる。さらに、こちらの新設計ドライバーには硬度の異なる素材を組み合わせた2層構造の振動板を採用するなど、音質に対しても手抜かりがないところは、オーディオテクニカらしいこだわりといえるだろう。ちなみに、コーデックはSBC、AACに加えて、aptXにも対応している。
「ATH-CKS5TW」のイヤホン本体は大口径ドライバーを搭載しているため、最新完全ワイヤレスイヤホンのなかではやや大柄な本体サイズとなっているが、3Dループサポートを装備するほか、専用設計されたイヤピースを付属することで、安定した装着感を確保しているという。実際の製品を装着してみたところ、ピッタリとフィットし、首を振っても落ちることのない、アピール通りの安定した装着感を実現していた。
重低音サウンドにも並ぶ「ATH-CKS5TW」ならではの大きな魅力といえるのが、なんと、最新モデルのなかでも群を抜く、最大15時間というバッテリーライフだ。専用ケースからの充電も含めると最大45時間もの使用が可能となっている。これだけのロングライフっぷりは、嬉しいかぎりだ。
機能面では「オートパワーON/OFF」も便利だ。こちら、専用ケースからイヤホン本体を取り出すとパワーオン、収納するとパワーオフになるもので、他社製品でも多く採用されているが、「ATH-CKS5TW」は動作がとても安定している印象があった。特に初回時(接続したことのあるスマートフォンが範囲内にない場合も同じ動作となる)には、確実に自動的にペアリングモードに移行してくれるのでありがたい。また、本体上部に配置された小柄なマルチファンクションボタンは、音楽再生/一時停止(右側1回)、曲送り(右側2回)/曲戻し(右側3回)、音量調整(+は左側1回/-は左側2回)といった基本操作が行えるうえ、ブラインドでも押しやすく実際に試したところスムーズな操作が行えた。加えて、スマートフォン用アプリ「Connect」にも対応していて、このアプリから音楽再生のコントロールだけでなく、コーデックの切り替えや操作ボタンのカスタム、バッテリー残量の確認なども行うことができる。さらに、最後にBluetooth接続した場所を地図で確認することができる(イヤホンをなくした場合の参考になる)機能なども持ち合わせているので、大いに重宝しそうだ。
そのサウンドは、アピール通り量感豊かな重低音が特徴。ベースの音がとてもパワフルな、迫力のあるサウンドをとことん楽しむことができる。ベースやドラムの演奏はかなりパワフルで、圧倒的といいたくなるほどのグルーヴ感を楽しませてくれる。とはいえ、低域はディープ一辺倒ではなく、柔らかく広がる印象も持ち合わせているので、音の広がり、スケール感の壮大さも感じられるのは興味深い。いっぽうで中高域は、エッジのしっかりしたクリアとなっていて、女性ボーカルは、厚みのある、それでいて煌びやかな歌声を楽しませてくれる。
個性的でありながら、絶妙なバランスのサウンドにまとめ上げられた、絶妙な製品といえる。
イヤホン重量(片耳):約8g
再生時間:最大15時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック/ブルー/カーキ