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at homeとin the houseはどう違うのでしょうか?homeとhouse、atとinそれぞれの違いを教えてください。
簡単な英単語で出来ている at home と in the house ですが、その違いはわかりにくいですよね。この記事では「home と house の違い」、「at と in の違い」、「冠詞 the の有無」という3つの観点から徹底解説します。また at home と in the house を使うシーンについても記載しています。
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at home と in the house の違い
先に結論を言うと、at home は「自宅でご飯を食べたり、くつろいだりしている状態」を表し、in the house は「その家という建物内にいること(外にはいないこと)」を表します。
どうしてこのような違いが生まれるのでしょうか。「home と house の違い」、「at と in の違い」、「冠詞 the の有無」の順に確認していきます。
homeとhouseの違い
homeのコアイメージ
homeのコアイメージは「普段、住んでいる場所」です。
homeは「落ち着く、快適な場所」というイメージも含んでいます。
houseのコアイメージ
houseのコアイメージは「建築物としての家」です。
houseは、素材を組み合わせて建てられた家というイメージです。
homeとhouseにおける2つの大きな違い
homeは「自宅」、houseは「家」
homeという英単語を聞いたときネイティブが思い描くのは「自宅」です。聞いた人それぞれが自分の自宅を思い描くわけです。
一方で、houseで思い描くのは「建築物としての家」であり、誰の家かは決まっていません。
homeは「動きが感じられる」、houseは「動きが感じられない」
homeには、その場所でご飯を食べたり、寝たり、遊んでいたりといったイメージが紐付いています。
そのため、homeが名詞として使われていても動きが感じられるわけです。
houseの語源は、雨風を防ぐために石や木材といった素材を集めてつくったシェルターです。
何かの目的のための要素を集めた枠組みのようなものであり、そこには動きは感じられません。
冠詞の有無
at homeは名詞homeの前に冠詞がありません。この状態を「無冠詞」と呼びます。一方で、in the houseは名詞houseの前に定冠詞theがあります。
ここでは冠詞とは何なのか、冠詞の有無がどのような違いをもたらすのか簡単に解説します。
冠詞の働き
冠詞の働きは「輪郭や外枠をかたどる」ことです。イメージで確認してみましょう。
- 冠詞あり:a fish(魚)
- 冠詞なし:fish(魚肉、魚料理)
a fishは冠詞aによってかたどられた輪郭の中に、名詞fishを入れています。これによって触ることができるような「輪郭を伴った魚」が描けるわけです。
一方でfishはそのような輪郭がありません。輪郭のない名詞fishが表すのは「魚の中身」になります。
魚の中身が何を表すかは文脈によりますが、たとえば “I ate fish yesterday.” と言えば、魚の中身は「魚肉」→「魚料理」となり、「昨日、魚料理を食べた」となります。
※魚の中身として、魚のコンセプトを表すこともあります。この魚のコンセプトとは、「魚とは何ですか?」と質問したときに出てくる回答だと考えるとよいでしょう。(例:水の中を泳ぐ、目や口やヒレがある etc)
※冠詞について詳しくは「英語の冠詞とは」をご参照ください。
定冠詞theのコアイメージ
さきほど冠詞が「輪郭や外枠をかたどる」ことを述べましたが、冠詞にもいろいろな種類があります。ここではin the houseに出てくる定冠詞theを確認しておきましょう。
theのコアイメージは「話し手と聞き手の間で一つに定まる」です。
theは話し手だけではなく聞き手にも依存しているのがポイントです。
無冠詞 home と the house の違い
homeは無冠詞なので「落ち着く、快適な場所」というコンセプトをそのまま表します。
※homeのコンセプトとは「homeと言われて何を思い浮かべますか?」への回答として出てくるものだと考えてください。
一方でthe houseは「話し手と聞き手の間で一つに定まるhouse」を指定しています。
theの枠によって他のhouseと区別していることに注意してください。
これで名詞部分の解説はおしまいです。少し長かったですね、おつかれさまです。あと少しです。前置詞の解説をしてしまいましょう。
前置詞atとinの違い
atのコアイメージ
atのコアイメージは「点に向かう」です。
単なる点だけではなく「ある地点での活動」もイメージに含んでいることに注意してください。
※前置詞 at の持つイメージ・意味についての詳細は「前置詞 at のイメージと意味・用法まとめ」をご参照下さい。
inのコアイメージ
inのコアイメージは「何かの中にある」です。
inは「内側に存在する」ことに注目がいきがちですが、inは「外側には存在しない」も表していることに注意してください。
※前置詞 in の持つイメージ・意味についての詳細は「前置詞 in のイメージと意味・用法まとめ」をご参照下さい。
at homeとin the houseの違い
例文:He is at home.(彼は自宅にいるよ)
at homeは「普段、住んでいる場所における活動」を表しています。つまり、自宅のベッドで寝転んだり、ご飯を食べたり、庭で遊んだりしているということです。
例文:He is in the house.(彼はその家の中にいるよ)
in the houseは「その家という建物内にいる(外にはいない)」ことを表しています。
話し手にとって「彼が建物の内部にいるのか、外部にいるのか」が重要なときに使う表現です。
なお、the houseがどの家を指しているのかは文脈に依存します。自宅かもしれませんし、友だちの家かもしれません。
at homeとin the houseを使うシーン
at homeとin the houseを使う場面をストーリーで確認しておきましょう。
N | 信一の家に太郎が遊びに来ています。信一の携帯電話へ友だちの武から電話がかかってきました。 |
武 | もしもし、信一?いまどこにいるの? |
信一 | 自宅だよ(I’m at home.)。どうしたの? |
武 | サッカーのゲームやりたくってさ。いまから行っていい? |
信一 | いいよー。太郎も来ているから一緒にやろう。 |
N | 信一が庭でサッカーのリフティング練習をしていると、武がやってきました。 |
武 | おーす!あれっ、太郎は? |
信一 | 太郎は家の中だよ(He is in the house.)。さあ、ゲームやろっか。 |
もし太郎が、太郎の自宅にいるときは、Taro is at home. と表現するのが普通です。
しかし、上記のように友だちの家で、さらに中にいることを伝えたいときは Taro is in the house. と表現するのが自然になります。
まとめ:at homeとin the houseの違い
フレーズ | イメージ | 補足 |
---|---|---|
at home | 自宅にいる(活動している) | ベッドで寝転んだり、ご飯を食べたり、庭で遊んだりしている。 |
in the house | その家の建物内にいる | 建物の外にはいない。その「家」は文脈によって変わる。 |
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今回の記事ではhomeとhouseと名詞が異なっていましたが、同じ名詞schoolを例に挙げて「inとatの違い」と「冠詞の有無」の4パターンを解説しているのが以下の記事です。
今回の記事でhomeには「動きが感じられる」と述べました。この動きのニュアンスがあるためにhomeは副詞としてもよく使われます。副詞のhomeに関しては以下の記事をご参照下さい。
コメント
長文とは思えない程、内容が充実していて、内容も面白かったです。どんどんと興味がわいてくる文章構成になっていて、途中で、aとtheの違いなど、説明を加えてくれることも凄く良かったです。
ここの記事を読むのが楽しみですし、読んだ内容は忘れないのでとても勉強になります。絵もシンプルですが、とてもかわいいので親しみやすいです。どんどん先が見たくなる、もっと勉強したくなる記事です。今まで読んだ難しい英語の教材とはくらべものにはなりません。なんといっても、見て、読んで楽しい記事に初めて出会いました。これからも楽しみにしています。
正直”at home”と”in the house”の違いをそこまで深く考えないで使用していました。今回の記事を読み、言われてみればなるほどと思う内容がいっぱいで大変参考になりました。特に、”home”の「普段、住んでいる場所」と”house”の「建築物としての家」のコアイメージは理解しやすかったです。
たしかにatとinの使い分けにはいつも悩まされていましたが”in”には中にいるという意味があるのですね。またhomeとhouseも同じ意味じゃないのかなと思ってその時によってあいまいに使っていましたが、図による説明で違いがよくわかりました。似たような意味を持つ2つの単語の使い分けが図で解説してあって役に立ちました。
at home とin the houseをそれぞれ前置詞、冠詞、名詞に細かく分けて解説することで、ひとつひとつのイメージがつかみやすくなり、結果、その違いが明確に理解することができた。
homeとhouseのコアイメージ画の中の文字の大きさが違うのが気になった。細かいところだが、最後のまとめで比較して載せたときに違和感があったので、統一してほしい。
冠詞ならびに前置詞を伴った時の名詞の持つ意味を、それぞれの名詞のコアイメージだけではなく、冠詞ならびに前置詞のイメージも合わせて説明があったので、頭の中が整理されました。簡単な英単語に、さらに簡単な冠詞・前置詞を適切に組み合わせて、意味やイメージの違いが表現できることを痛感しました。
homeとhouseの違いは、homeは「自宅」、houseは「家」ととてもわかり易かったです。
また、冠詞の有無も今までは意識したことがなかったのですが、大きな違いがあるように感じて、冠詞を意識することの重要性を感じました。
homeとhouseの違いはイメージができていました。わかりやすい記事だったので、理解していたことの確認ができたと思います。個人的には、aとthe、atとinの説明が一緒だったことにより、頭の容量からあふれてしまった感がありました。