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中国の武漢市で「新型コロナウイルス」による肺炎の感染が拡大しており、1月21日までに確認されている報道では、感染した患者が200人を超え、死亡した人は4人になったと伝えられています。日本国内においても、16日、武漢市の滞在歴がある肺炎の患者から初めて新型コロナウイルスが検出されました。
今回は、この新型コロナウイルスの感染拡大により、今後注目が集まると思われる「臨床検査」関連銘柄を取り上げます。
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「新型コロナウイルス」は、さらなる感染拡大の恐れが!
日本のドラッグストアではマスクが品切れする懸念も!?
中国では、今週末の1月24日から30日まで、旧正月の「春節」にあわせた大型連休となります。連休中、中国本土では、帰省などで30億人が移動するとされているほか、経済発展もあって約4.5億人が国内外へ旅行に出かけると見られています。
人の移動が増えることから、中国の国家衛生健康委員会は、春節の期間中、特別態勢を組んで感染拡大を抑え込む対策を強化していく方針です。
米国では、武漢市から米国への渡航者に対し、空港で発熱、咳、呼吸困難などについて検疫を実施するようです。
日本でも、武漢市からの入国者に対し、発熱や咳などの症状がある場合は自己申告するよう求める掲示を空港などで行っているほか、サーモグラフィーを用いた発熱確認なども行っています。
しかし、今回国内で新型コロナウイルスの感染が確認された人は、空港のサーモグラフィーには引っかからず、最初の検査でも感染を否定されました。その後、熱が続いたために別の医療機関で再び受診し、2度目の検査でようやく感染が確認されたようです。
気がかかりなのは、今後の感染拡大でしょう。新型コロナウイルスは、咳などを通じて飛沫感染しやすく、人から人への感染が起きてもおかしくありませんが、今のところ感染力は高くはないと見られています。とはいえ、人混みに行くときはマスクを着用するなど、インフルエンザ対策と同様の衛生管理が必要とされています。
新型コロナウイルスへの不安から、ドラッグストアなどでは、すでにマスクが品切れする懸念も出ているようです。そのような状況を受け、ユニ・チャーム(8113)がマスクの増産を始めました。報道によると、複数の国内工場で1月16日から夜間操業を始め、17日には日中のみの通常稼働から24時間操業に切り替えたそうです。
「マスク」「クリーンルーム」「サーモグラフィー」の次は、
「臨床検査」への思惑が高まる可能性が!
新型コロナウイルスに関しては今後も報道を見守る必要がありますが、株式市場では、すでに「マスク」関連銘柄などが足元で人気化しており、短期的な値幅取り狙いの動きが活発化しています。
直近では、川本産業(3604)、ダイワボウホールディングス(3107)、シキボウ(3109)などの「マスク」関連銘柄が賑わったほか、「産業用マスク」関連銘柄の興研(7963)、重松製作所(7980)、「防護服」関連銘柄のアゼアス(3161)や、「クリーンルーム」関連の日本エアーテック(6291)、「サーモグラフィー」関連銘柄の日本アビオニクス(6946)などが物色されています。
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足元では、これらの銘柄に短期資金が集中していますが、今後も感染拡大への警戒が続く場合、次第に他の銘柄への波及が意識されてくるでしょう。そこで今回は、新型コロナウイルスの関連銘柄の一角として「臨床検査」に注目してみました。
「臨床検査」は、病院・診療所を中心とする医療機関から患者の検体を預かり、高度な技術を用いて分析する事業です。今後、中国での感染拡大など春節明けの動向次第では、「臨床検査」への需要増に対する思惑が高まると判断しました。
今回、「臨床検査」関連銘柄を絞り込むにあたっては、がん、食品などに特化している銘柄は除きました。また、札幌臨床検査センター(9776)も関連銘柄として挙げられますが、流動性の観点から除外しています。
【みらかホールディングス (4544)】
中国において「受託臨床検査」の需要増に期待!
みらかホールディングス(4544)は、臨床検査に使用する試薬・機器の製造販売を行う富士レビオと、臨床検査の受託サービスを行うエスアールエルとの経営統合により設立された「ヘルスケアグループ」です。中国の平安保険グループとの合弁で検査ラボを展開しており、国内のみならず、中国における「受託臨床検査」に対する需要増が期待されます。株価は、昨年11月25日の高値2787円をピークに調整が続いていましたが、75日移動平均線をサポート線として、足元ではリバウンド基調が継続しています。
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【ファルコホールディングス(4671)】
ウイルス・細菌による感染症や自己免疫性疾患の検査を手掛ける
ファルコホールディングス(4671)は、臨床検査事業や調剤薬局事業などを主な事業とする企業。抗原抗体反応を利用して、ウイルスや細菌による感染症や自己免疫性疾患の検査を実施しています。その他、グループとしては、ヒト遺伝子検査、治験研究検査、食品関連遺伝子検査なども行っています。株価は、昨年10月4日の安値1571円を底値にリバウンド基調が継続しており、上昇する25日移動平均線が下値支持線として意識されています。
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【ビー・エム・エル(4694)】
微生物学的検査では世界有数の検査数を誇る
ビー・エム・エル(4694)は、臨床検査受託の大手で、高度な臨床検査技術と豊富なノウハウを基盤に「営業」「ラボ」「システム」の3つのネットワークを構築しています。数多い検査項目の中でも、微生物学的検査(細菌)は世界有数の検査数を誇っています。株価は、昨年11月11日の高値3315円を天井に調整が続いており、足元では25日移動平均線が上値抵抗として意識されている一方で、3000円近辺での底堅さが見られます。
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【エイアンドティー(6722)】
臨床検査情報システムなどを手掛ける
エイアンドティー(6722)は、臨床検査情報システムや検体検査装置、試薬開発などを手掛けています。エイアンドティーの臨床検査情報システムは、臨床側へ早く正確に検査結果を提供するために、オンラインモニター上でリアルタイムでさまざまな情報を管理できる機能が搭載されています。株価は、昨年8月30日の安値930円を底値にトレンドが転換。直近では、25日移動平均線が下値支持線として意識されているほか、長期的に見ても75日移動平均線に沿った強い上昇トレンドを見せています。
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【シスメックス(6869)】
「検体検査」の分野では世界でもトップクラス
シスメックス(6869)は、血液や尿などを採取して調べる「検体検査」の分野で世界でもトップクラスの企業。「検体検査」に必要な機器や試薬、ソフトウェアの研究開発から製造、販売、サービス&サポートまで、一貫して行っています。株価は、2018年末の4810円をボトムに緩やかな上昇トレンドが継続。週足チャートで見ると、足元では13週、26週、52週移動平均線が下値支持線として機能しています。
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今後、新型コロナウイルスの感染拡大が続くようだと、今回挙げた銘柄から、次の「新型コロナウイルス」関連銘柄を探る動きが出てくる可能性も十分あります。物色対象の広がりには注目しておいてください。
とは言え、あくまでもテーマ株の一角として、銘柄選びの参考にする程度にしてください。新型ウイルス問題が鎮静化されてくる展開になれば、「新型コロナウイルス」関連銘柄から急激に資金流出する可能性もあるので、注意しておきましょう。
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