環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約
環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約(かんきようかいへんぎじゅつのぐんじてきしようそのたのてきたいてきしようのきんしにかんするじょうやく、英: Convention on the Prohibition of Military or Any Other Hostile Use of Environmental Modification Techniques、英略称:Environmental Modification Convention (ENMOD))は、1976年12月10日、第31会期国際連合総会決議31/72号で採択され、1978年10月5日に発効した環境保全と軍縮に関する条約。略称は環境改変技術敵対的使用禁止条約。通称、「環境改変兵器禁止条約」ともいう。
環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約 | |
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通称・略称 | 環境改変兵器禁止条約 |
起草 | 1976年12月10日 |
署名 | 1977年5月18日(ジュネーヴ) |
効力発生 | 1978年10月5日 |
寄託者 | 国際連合事務総長 |
言語 | 英語、アラビア語、中国語、フランス語、ロシア語およびスペイン語 |
主な内容 | 現在あるいは将来開発される技術により自然界の諸現象を故意に改変・軍事的敵対的に利用することの禁止を定める。 |
条文リンク | 環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約 (PDF) - 外務省 |
概要編集
環境改変技術敵対的使用禁止条約は、「現在あるいは将来開発される技術によりし(例えばやを人工的に起したりやの方向を変える)、これを軍事的敵対的に利用すること」の禁止を目的とする環境保全と軍縮に関する条約。具体的には「津波、地震、台風の進路変更等を人工的に引き起こして軍事的に利用すること」を禁止する内容(第1条)となっており、条約を遵守する締約国のとるべき措置(第4条)や、違反の際の苦情申し立ての手続き(第5条)を規定する。ただし、罰則規定はない。また、有効期間は無期限と規定されている(第7条)。
主な内容編集
本条約において締約国は、「自国の憲法上の手続に従い、その管轄又は管理の下にあるいかなる場所においても、この条約に違反する行為を禁止し及び防止するために必要と認める措置をとること」を誓約する。(第4条)
締約国・署名国編集
現在での署名・批准状況は次のとおり(アルファベット順)。
1977年の『外交青書』によると、日本政府は、条約は「禁止の対象が必ずしも現在の技術のみでないため具体的な技術の使用を禁止できず、そのため技術の使用の結果が「広範、長期、重大」なものを禁止しようとするもので、その意味であくまでも予防的軍備管理措置である」と捉えている。
改正編集
条約の改正は1984年と1992年に過去2度検討されたが、2013年11月現在改正はなされていない。国連欧州連合本部(ジュネーヴ)の記録によると、2002年までに次回の再検討会議を招集しない場合について、1992年の再検討会議で行われた合意に基づき、国連事務総長は、2013年3月20日付けで各締約国に書簡を送付。書簡では、条約の規定(第7条3項)により、三分の一あるいは10か国が招集に応じた場合は、第2回再検討会議を開催する旨を通知し、条約の締約国に対し、2013年5月1日までに回答することを求めた 。