番付発表とは、さあこれから場所が始まるといういわば合図だ。だが初日までまだ1カ月あるとはいえ、現時点で力士たちはとても場所に臨めるような状況にない。
3月の春場所から心身ともに疲弊し、協会内に感染者が出てからは“超濃密接触”となる申し合いやぶつかり稽古は禁止。芝田山広報部長はこの方針を28日以降も継続する方針を示した。人数が多い佐渡ケ嶽部屋では2部制を取り入れているが基礎運動が基本。他の部屋の親方も「接触しないようにしてますけど、うーん…。四つんばいになって土俵のまわりを歩いたり、基礎と体幹。でも体でぶつかり合わないと…」と嘆く。
緊急事態宣言が出される中で、春場所のように「1人でも感染者が出れば中止」と安直に言っていられない状況。番付発表が少しでも力士たちのモチベーションになればとも思うが、本格的な稽古再開ができなければ開催も赤信号が点滅するだろう。(岸本隆)
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