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【大相撲】

八角理事長、大相撲夏場所中止は「大変残念」 名古屋場所の東京開催は「大人数による移動、長期滞在を避けるため」

2020年5月4日 21時0分

両国国技館

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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け日本相撲協会は4日、持ち回り理事会で大相撲夏場所(24日初日・両国国技館)の中止を決めた。本場所の中止は、戦争で破損した国技館の修復が間に合わなかった1946年夏場所、八百長問題で開催を見送った11年3月場所に続き3度目。7月19日から予定されていた名古屋場所も、場所を国技館に変更し無観客開催を目指すとした。

 夏場所初日を2週間遅らせ、開催への道を探ってきた。だが、政府が緊急事態宣言を延長。無観客で開催し、1人の感染者を出さずにやり遂げた3月の春場所とは明らかに状況が違う。

 今は国全体が一致団結するとき。政府の意向に沿う形で2011年春場所以来9年ぶり、不祥事を除けば、74年ぶりとなる中止を決断した。合わせて7月の名古屋場所を特別開催として場所を国技館に変更。10月の秋巡業も中止とした。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「相撲観戦を楽しみにしていらっしゃるファンの皆さまには、大相撲をお見せできる日が先になってしまい、大変残念に思います」とコメントを出した。

 名古屋場所の東京開催もファンや地域の方々を思ってのこと。開催すれば力士ら含め800人近い大所帯が移動する。八角理事長は「大人数による東京から名古屋への移動、長期滞在を避けるため」とした。

 夏場所中止、名古屋場所の開催地変更のたたき台を作った4月30日の執行部会議では、協会員に感染する恐れがあることではなく、地域住民を配慮する声が大勢を占めたという。ある親方は「名古屋場所の時もどうなっているか分からない。県外に出ないようにという中で地域の方へ迷惑をかけられない。地方場所は宿舎も分散する。そちらの方々にも迷惑をかけられない。地域の方へということが一番大きかったですね」と経緯を話した。

 名古屋場所が本場所となったのは6場所のうち一番遅い1958年。だがそれ以降、東京で開催されるのは初めて。異例の事態となるが、八角理事長は「開催できたあかつきには精いっぱいの迫力ある相撲をご覧いただけますよう、これからも取り組んで参ります」と思いを伝えた。

 

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