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制作・Mちゃんの制作日記・2001年 |
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「ストレスたまる2月だぴょ~ん」編 |
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2月12日(月)
今日は、全国的に休日。だが、アニメーション制作に休日はない。納期がある限り、血の汗流しUPさせるしかないのだ!…と、いきなりハイテンションの書き出しで始まった「ストーリーランド日誌」。だが本当に、アニメーション制作は、時間との戦いである。
ストーリーランドの場合、コンテINから大体2ヶ月で完成させなくてはならない。割り振りとしては、コンテに3週間、作画に3週間、その1~2週間後に撮影UP、編集、アフレコ、ダビングとなり、大体1週前に局に届けるというスケージュールである。そのため、最後は進行は寝ない日が続く。あと少しすれば、プロ野球シーズン。
多少楽になるぞということを期待し、今日も頑張るストーリーランド制作スタッフである。
2月13日(火)
神宮寺葉子シリーズのアフレコが行われる。まだ完全には出来あがっていないカットもあったが、役者さんの名演技に救われる。
作品にもよりけりだが、ストーリーランドの場合、大体15分物でアフレコ時間は4時間くらいが平均。とはいえ、4時間しゃべりつづける役者の方は大変な事だ。そんな中、昔から好きだった役者さんが出るという事もあり、このアフレコを楽しみにしていた担当制作のK氏。だが当日風邪をひいてしまい、行けなくなってしまう。進行にとって、こういったことも大事な制作上の楽しみだけに、K氏の落胆は大きいものがあったらしい。翌日から2日ほど寝込んでしまった。ご愁傷様。
2月14日(水)
「ストーリーランド制作班」と「とっとこハム太郎制作班」は同じスタジオの中にあるということもあり(スタッフも一部重なっていたりする)、ストーリーランド制作班は、ハムスターを飼っているのだ。
このハムスター、実は、『ハム太郎』の原作者である河井リツ子先生の飼われているハムスターの血を引く由緒正しいハムスター。だが先月、子供を3匹生んでしまう。
はじめはカワイかったのだが(もちろん今でもカワイイ)、あっという間に大きくなり、ひと月たった今では大人と変わらない。不幸なことにメスとオスが混じって生まれたため、子供を作らないうちに別々のケージに移すことにする。そのため部屋の隅は、はやハムスター団地と化してしまい臭いがすごい。責任者のM氏、管理者だろ、なんとかしろ!!
2月15日(木)
「お婆さんシリーズ」の色打合せが行われる。ここで大切なのは、いかに自然に見せるかということ。ストーリーランドの場合、特に中間色を多く使い、また、影の暗さを普通のアニメーションより抑え目にすることで、立体感、現実感を追求している(どちらかといえば、一昔前のアニメにちかい配色)。とはいえ、色は背景の色や奥行きといったものとの兼ね合いもあるため、一概に決められないのが難しいところ。日夜の研究、そして作品への愛が大切なのだ。
2月16日(金)
先日の日誌で書いたハムスターの一匹がついにもらわれていくことに。ささやかなおわかれ会をと思ったが、責任者のM氏の怠慢でお流れに…。
いるときは夜中じゅう滑車をまわしてうるさかったハムスターだが、いざいなくなるとさびしいものである。と、思ったら、どうやらメスの子供がすでに妊娠中らしいことが判明。
別のケージに移すのが遅すぎたのだ!!このまま増えると、ハムスター屋敷のスタジオになってしまうじゃないか、M氏のバカ~!! |
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「21世紀、あけましておめでとうございます!」編 |
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1月5日(金)
今日は21世紀最初の仕事日。本当は9日が始業日だが、TVは毎日放送されている。当然、普通に休んでいたらオンエアに間に合わなくなってしまう。
まあ、去年はまったく休みが取れなかったことを考えればよしとしなければならない。
1月6日(土)
朝10時から「女警部・神宮寺葉子 ミイラ殺人事件」のビデオ編集がある。
ビデオ編集というのはアニメ-ションの一番最後の工程で、音の入った絵を放送されるフォーマットに編集し、局に納品するためのビデオを作成すること。
つまり、これがオンエアされるのだ。これが最後の工程ということもあり、どこかおかしいところはないかと緊張する。
それにしても今回の話はみんな力を入れて制作したため、いい出来になっていると思う。あとは、視聴率だ。
1月8日(月)
新しい「お婆さんシリーズ」のキャラクターを依頼する。まあ、男の人が描くのだからというわけでもないが、やはり、女性キャラの方に力が入るのは仕方のないことか。
そういえば、アニメーターに出すカット袋などにもカワイイ女の子の写真を貼ったりするが、これが意外と重要。これ次第でアニメーターのやる気がまるで違う。当然、仕上がりのスピードも。制作はあの手この手でガンバッテいるのだ!
1月10日(水)
「お婆さんシリーズ」のコンテ修正打合せが行われる。日本テレビのディレクターを交えての打合せなのだが、アニメーションの場合、一度決まったことを直すのは非常に労力がいるため、ここでしっかりと打ち合わせておくことが重要。コンテがバイブルなのだ。
それにしても、スタッフのアイデアの多さには脱帽する。
1月11日(木)
設定の打合せを行う。コンテINの際にかなり綿密に打合せをするのだが、神宮寺みたいな推理物は設定がかなり重要になってくるため、非常に気を使う。
個人的には、やはり洋館など非日常的な建物の方が、作品的にも映える気がする。 |
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制作・Mちゃんの制作日記・2000年 |
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「年末だ!忘年会だ!いそがしいのだ!」編 |
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12月1日(金)
いよいよ12月。どこの会社でも同じだとは思うが、年末いそがしい。かくいうアニメーション業界も、年末特番で担当番組が2週分くらい飛べば、制作スケジュールも楽なのだが、特番が入らないと、スタッフの正月休みの分スケジュールきつくなる。まして、担当番組が特番を組むとなると…。
と、いうわけで(?)、「週刊ストーリーランド」も年始に特番を組むことに。ああ、スケジュールが…、楽しみにしてた正月休みが…。
12月2日(土)
「神宮寺葉子シリーズ」のビデオ編集が行われる。今まで「神宮寺葉子」を制作してきたスタッフではなく新しいスタッフで制作した話なので、どうなるか楽しみだったが、すばらしい出来。神宮寺葉子がカッコ良く描かれていて思わず拍手。
アニメーションは絵を描くという手作りの面が多い為、各スタッフの個性が画面に強く出る。このようにいい形ででると、本当にうれしい。スタッフの皆様、ありがとうございました。
12月6日(水)
「ストーリーランド・ハム太郎」制作ルームに新しいメンバーが加わった。それは、ハムスターの“リボンちゃん”。「ハム太郎」に出てくるリボンちゃんの様に真っ白なハムスターだ。もともとオスのハムスターを飼っていたのだが、やはりメスがいないとかわいそうというハム松プロデユーサーの一言で飼うことに。
さっそく見合いをさせてみると相性はいいようだ。が、問題は名前。“リボンちゃん”とするはずが、“ノロイちゃん※”から“ロコちゃん”まで皆、勝手な名前で呼んでいる。
2匹の様子は、またくわしく追っていくのでお楽しみに。
※ノロイ…東京ムービーが制作した「ガンバの冒険」に出てくる白いイタチ。ネズミの敵だ。
12月7日(木)
前回の日誌でストーリーランドの制作課程を書くと約束してしまったので、今日、シナリオが届いた「神宮寺葉子シリーズ」を追っていこうと思う。
ストーリーランドでは、TV局が作ったシナリオをもとにアニメーションをつくるのだが、まずは、スタッフを決めなくてはいけない。今回は、ベテランスタッフのO氏に絵コンテ・演出を、作画は神宮寺シリーズといえばこの人H氏に依頼することにした。今回もいいものが出来そうだ。
12月8日(金)
昨日届いた「神宮寺葉子シリーズ」の絵コンテに入るための打合せが行われる。何度か一緒にストーリーランドを作ってきたメンバーなので、緊張の中にも終始なごやかな雰囲気で打合せが進む。が、制作にとっては、ここで絵コンテを描く人に具体的なイメージを持ってもらわないといけないため結構神経を使う作業。文字を絵にするのは大変な作業なのだ。
この日、2本、絵コンテの打合せを行った制作M氏はぐったりして会社に帰ってきた。ご苦労様…。 |
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「11月だ!風邪をひかないようにね」編 |
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11月1日(水)
今日から11月…、というわけでもないが、いきなり冬服姿の人がふえる。そんな中、プロデューサーのハム松PDだけは、元気にシャツ一枚で出勤してくる。
が、ハム松PDのとなりに座っている制作M氏は風邪気味の様子。病気になってもそう簡単には休めないのが制作のつらいところ。皆さんも風邪には気をつけようね。
11月3日(金)
人の名前は難しい。制作M氏が、資料のため水○真紀の写真を探しに図書館にでかけるものの、名前が一字違いの水○美紀の資料を持って帰り、大ヒンシュクをかう。
どちらもカワイイので区別がつかなかったとはM氏の弁。いや、たしかに似ているとは思うんだけどね…そういう問題じゃないと思うけど。
11月4日(土)
制作にとって、意外と大変なのが資料集め。キュウリの種からアイドルの写真、あるいは陶芸の仕方から新聞の三面記事まで、ストーリーランドの場合、1つの作品で20以上の資料をあつめなくてはいけない。先日も制作S氏が、「検死報告書」の資料探しに大苦戦。
結局、警察官関係者を友達に持つI氏の力をかり、やっと手に入れる。日ごろから友達は大切にしないと。
11月6日(月)
最近「ストーリーランド・ハム太郎」班の中で話題のアニメが、某スタジオの制作している、アニメーション制作進行を主人公にしたアニメ。
まあ、スタジオによって制作進行のしている仕事というのはけっこう違うとは思うが、共通しているのは、朝が遅くて(だいたいPM2時ころ)夜遅くまで(AM2時とか)まで仕事をしているということ。「最近、出社すると、夕日がまぶしいんだよ」とは某担当の弁。
また、M氏の場合、親と同居にもかかわらず、日曜以外は顔を見ることがないとういう(親は共働き)。アニメが好きという想いだけが制作の支えだ。
11月8日(水)
プロデューサーのMZ氏が、サッカー観戦に国立競技場へ。
「このくそ忙しい時に…」という進行たちの白い目を尻目に、応援していたチームが勝利したこともあり非常にご機嫌の様子。
野球好きの私は、日米野球を観に行きたかったぞっと!!
11月10日(金)
今日は、ストーリーランドのダビングの日。ダビングと言うのは、絵と台詞や音楽といった音を合せていく作業。やはり、音が入ると迫力が違う。
普段は忙しくてあまり本編が放送されている時に作品を観る事ができないだけに、この時がけっこう感動ものだ。
と、言うわけで(?)次回は、ストーリーランドが出来るまでを、日記で書くのでお楽しみに。 |
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