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【コラム 撃戦記】

プロボクシングの7月再開決定  その成功が東京五輪につながる【山崎照朝コラム】

2020年5月15日 14時31分

延期が決まっている東京五輪だが

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 新型コロナウイルスの感染拡大で市民生活が大きな影響と打撃を受けている。スポーツ界で一番影響を受けたのは、既に1年延期が決まっている東京五輪。開催について橋本聖子五輪相は5月1日、「コロナ収束が大前提」だと明言した。それは当然だろう。

 では来年、本当に開催できるのか。大会組織委員会の森喜朗会長はかねて「再延長は絶対ない」と断言している。ロイター電によるとIOCのコーツ調整委員長も「五輪を再延期する考えは無いという原則のもとに準備をしている」と語り、東京五輪へ意欲を見せたという。

 しかし以前、このコラムで書いたように、次のパリ大会も準備不足が予想されることもあり1大会順送りにする案も検討されているそうだ。これは有力な関係者からもたらされた情報だが、先行きが不透明である以上、トップが何を言おうと実務レベル者があらゆる可能性を探るのもこれまた当然のことである。

 感染者数などを見るとここに来てやや落ち着いてきているように見えるが、スポーツジムなどは“三密”になりやすいとされ、公共施設は多くが休館、ジムや道場も自粛要請を受けてほとんど閉められている。頼りの味の素ナショナルトレーニングセンターも閉鎖になったままだ。どんなに自主トレに工夫を凝らしても、前の状態に取り戻すのは至難で、限界に近づいているアスリートは多い。

 そんな中、出口を模索する動きも出てきた。プロボクシングの東日本協会は13日に開いたオンライン理事会で、興行を7月から再開する方針を決めた。プロモーターに感染防止策を提出させ、検討したうえで実施する。観客もある程度入れる予定だ。屋内競技でもあり、この興行が無事に開催できればプロ、アマ問わず他競技に与える影響は大きいだろう。

 夏場はウイルスの動きも低下すると期待されてている。その間に治療薬、ワクチンが開発されれば未来は一気に開けてくるはずである。東京五輪まであと約14カ月。収束を願うばかりである。(格闘技評論家=第1回オープントーナメント全日本空手道選手権王者)

 

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