ほぼ日刊イトイ新聞

2020-05-15

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・たがいに会えないけれど、同じチームの乗組員。
 この感じを味わいたくて、メールの他に、
 LINEのなかに広場みたいなものをつくっています。
 仕事のアイディアを吟味したり、感想を募集したり、
 プランに参加してくれる人に声をかけたり、
 おいしいテイクアウト情報を交換したり、
 広場みたいなものなので、そのときによって
 なんとなく自由に使っています。

 そのなかに、夜中にひょいと、こんな情報がありました。
 <Twitterでいま「MOTHER3」がトレンド入りしてます。
 この方がYoutubeでプレイ動画の配信をはじめたのが、
 きっかけみたいです。>
 これから「今日のダーリン」の原稿を書こうというとき、
 ちょっとのぞいてみようかなと思った出来心…。
 じぶんで言うのもヘンだけど、おもしろいんですよー。
 まずプレイヤーの女性が、プレイヤーとして優れている。
 人がゲームをやっている実況ですから、
 そのプレイヤーの話がつまらなかったら、ダメです。
 本気で「MOTHER3」を遊んでいるたのしさがあるんです。
 そのうえで、このゲームをつくっているときのじぶんが、
 「とにかくおもしろいものをつくりたい」と、
 真剣に仕事している姿勢と出会えた気がしたんです。
 力のある分以上には力も出せないし、
 ふつつかなワタシですから、ふつつかな作品になります。
 だけど、当時、力を出し切ろうとしていたことが、
 いま年齢を経てからのじぶんに伝わってくるんです。
 何度か言いましたが、若いときから、
 ぼくも、いろんな仕事をやってきました、
 くたびれただの、もう無理だだの、
 ブーブー言ったりもしてました。
 が、そのとき、やらなかったとしたら、
 「やらなかったその後=いま」になったんですよね。
 で、いまのぼくは「やったからあるその後」にいる。
 ほんとうに幸せなことだと思っています。
 「MOTHER」シリーズのことばかりじゃなく、
 夢中になってやった仕事は、「みんないい!」です。
 いま、2020年のいまも、後のじぶんに
 「やってよかったよねー」と言われる仕事を、
 夢中になってやろうと、あらためて思いました。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
小さな背丈なりの「自己肯定」が戻ってきた気がしてます。


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