ブログ黎明期から「ブロガー」として活躍し、SNSを使いこなしながら独自の発信で新しい時代の生き方を先導されてきたはあちゅうさん。

現在は妊娠生活を送られているはあちゅうさんに、家事代行の利用方法や、ご自身が考える育児スタイルについて伺いました。

■自分をアップデートさせるアウトソーシング術

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―今日はよろしくお願いいたします!キッズラインの家事代行をご利用いただいているはあちゅうさん。普段どんな形で活用されていますか?

2週間に1回程度、掃除をお願いしています。今は2人暮らしでそこまで汚れることがないので、ちょうどいいペースです。主に、私自身があまり得意でない水回りの掃除やキッチンの整理整頓、洗濯物たたみなどをお願いしています。

各部屋にあるゴミをまとめるとか、家具をちょっと磨くとか「名前をつけられない家事」をやっているだけでも、意外と時間が経ってしまうので、人の手を借りるようになって、自分の時間が増えました。

それに家事代行をお願いすると、発見がいろいろあるんですよ。

―発見…。例えばどんなことでしょうか?

「パンツってこうたたむとシルエットがきれいになるんだ!」とか。何年も家事をされてきたプロのやり方を見ると学ぶことが多いです。家事って、自分の母のやり方を見るくらいで、改めて習うことってないですよね。なので、人に頼むと新しい発見がある。そんな風に、「習ったことのないこと」にお金をかけてみるっていいな、と思いました。

家事代行を頼むことに罪悪感を感じる、という方もいるかもしれないですが、効率的な家事をするプロに頼んでみると、自分の家事もアップデートできると思います。

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―なるほど。はあちゅうさんにとっての「アウトソースのライン」はどういったものですか?

自分の不得意なことや、自分ができることでもテンションがあがらないことは外注しています。例えば、今挙げた「洗濯物たたみ」は後者にあたります。できないことではないのですが、やっていてもテンションが上がらない。

あと、私は税金関係などの数字周りが苦手なので、秘書と税理士さんに外注しています。こちらもプロにお願いすることで、自分ではたどりつけないような情報を教えてもらえたりするので、自分をアップデートさせる外注の一つだと思っています。

■仕事と育児の両立、そして子供とインターネットの関係どうする?

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―ご出産後の育児と仕事の両立について、イメージはありますか?

実はあんまりイメージできないんですよね(笑)妊娠でいっぱいいっぱいで、産後のことはまだ考えられないというか…。
でも、近い時期に出産した友達を見ていて思うのは、人の助けを借りながら、上手いバランスを自分自身の中で見つけてやっていきたいな、ということです。

あとは、子供ができても、夫婦の時間も大事にしていきたいです。今も月に1〜2度食事をしたり、たまに旅行したりしているのですが、そうやって彼と2人で将来の見通しを立てたり、ビジョンを新たにしたりする時間は大好きなので、これからも取っていきたいですね。

―育児について、旦那さんとの分担はどう考えていますか?

正直、そこまで旦那に大きい期待は抱いてなくて。彼はたぶん「生き物を育てる」ということが、得意ではない気がしています。あくまで先入観で、やらせてみたら実はすごく上手いかもしれませんが(笑)

でも、旦那は家でよく勉強をしていたり、クイズが好きだったりと色々なことに好奇心が強い。だから、なんとなくイメージしているのは、子供がしゃべれるようになるくらいまで「守り育てる」役割のメインは私で、「教育」というステージになると彼が活躍してくれるんじゃないかなと思っています。子育て期間って長いので数年スパンの役割で考えたいです。

会社員時代、自分の子供を可愛いと思えないと言っていた男性の先輩が、「子供が喋るようになってから、急に可愛くなった!!」って子育てにハマるパターンを目の当たりにしたので…。

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―なるほど。「教育」に関わることとして、はあちゅうさんといえば「インターネット」のイメージが強いですが、お子様のインターネットとの付き合い方について、教育方針はありますか?

全部本人の意志に任せたいと思います。

スマホも本人が欲しいと言うなら持たせますし、特にインターネットも規制せず、むしろ自分で使ってみて、良い使い方を学んでいってほしいです。

iPadやYouTubeも本人が見たいなら見せようと思います。ただ、もちろん目の負担などについては、ある段階まで親がケアしていく必要があると思うのですが。

子供ってどこからでも影響を受けると思うので、変にフィルターをかけるというよりは、色んな物に触れさせて、自分の意思で「何か楽しいのか」といったことも判断できる子になってほしい、というのが私の考え方です。そういう判断を繰り返して、自分で決断できる子になってほしいですね。

■昭和型育児で育った自分と、これからの令和型育児とは

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―お話を伺っていると、お子様の「決断力」を大切にされたいということがとても伝わってきます。はあちゅうさんご自身もそういった教育を受けてこられたのでしょうか?

いえ、むしろ私は昭和的な子育てで育ってきたと思います。知らないうちに親の理想を先読みして、自分の意志で考えることをあまりせず、期待に応えようとしてきたな、と。

そういう生き方を続けていると、私自身、人の顔色を伺おうとして、一見優等生っぽいけど、突然何かがプツンとなって自分がわからなくなってしまうようなこともあったので。子供は自我が強くて、自己肯定感が高い子に育って欲しいですね。

―「昭和的な子育て」という言葉がありましたが、これからの令和の子育てについてはどうあってほしいとお考えですか?

令和の育児は、もっとみんなが豊かで優しい気持ちで育児できたらいいな、と思います。最近はほんとにちっちゃいことで至るところで炎上していて、女性タレントさんが「子供がよく寝る」と言っただけで批判されたりしていますよね。「夜泣きをする子を持つママの気持ちを考えてください」とか「子育てが楽だというイメージを拡散しないでほしい」とか。

特に育児に関する発信には小さなことで批判が巻き起こりがちですが、大変な時期がいつ来るのかは人それぞれですし、誰かが「楽だ」と言うことが、自分の権利を脅かすものでもない。

細かなことを批判したり、誰かの揚げ足を取ったりするのではなく、楽な人も辛い人も両方が幸せに調和して、お互いを理解しながら、良い育児ができる時代になればいいなと思います。

■批判的な世の中をどうにかしないと、新しい価値観は根付かない

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―育児に関する発信は批判が起こりやすい、というお話がありましたが、はあちゅうさんの中で、「発信しづらくなったな」と思う場面はありましたか?

妊活していることを公表していたので、妊娠発表時には、たくさんの祝福コメントの裏で、「ファッション妊活」「不妊治療をしている人への冒涜」「一緒に頑張ってると思ってたのに、裏切られた」と批判が来たり、デマを流されたり、「流産しろ」と死んだ赤ちゃんの写真を送られてきたりしました。医療関係者を装って「うちの病院にもし来たら、どうしてやろうか」といった脅しも受けました。

私が炎上体質なせいだと思っていましたが、不妊治療を公表している人には、一定数そういう脅しや批判はくるものだとメディア関係者に聞き、私だけじゃないんだとほっとしたような、寂しいような……。

あとは、妊娠糖尿病であることを発表した時に、過去のインスタグラムの写真に外食写真が多かったことから「この食事なら、なると思ってました」「自業自得」といったコメントもありました。
(※実際は、妊婦の食生活と妊娠糖尿病に因果関係はありません))

日々の発信でも、「この表現を、こんなふうに捉えられてしまうのか…」と悲しくなるような、揚げ足とりに近い批判をする人はいます。

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でも発信は悪いことばかりではなく、助けられたり、気づけることもあるんです。妊婦生活で「私はこうでした」という先輩ママたちのコメントはすごく勉強になります。コメントも熱量がかなり高くて、妊娠・出産関連のインスタ投稿には1記事に対して100件以上のコメントが来ることも多いのですが、それだけの量のコメントが全部優しくて、嫌なコメントが1つもなかった時は、嬉しくて泣きそうになりました。

誰かの発信に助けられることもあるので、私自身も発信のペースはこれまでと変えないでいたい。SNSが監視ではなく、見守りや助け合いのスタンスになるといいなと思います。

―なるほど。はあちゅうさんの妊娠によって「妊婦さん」が身近になったという読者さんもいたそうですね。

私自身が妊娠することによって、妊婦さんの気持ちがわかるようになり、視野が広がった気がします。体の不自由さとか、社会と切り離される心境とか、聞いてはいたものの実際に我が身で体験すると、実感が伴います。今まで、目に入っていなかった妊娠、出産、子育てに関するニュースにも敏感になりました。

私は、自分の世界はいつも「半径5メートル」だと思っていますが、新しい経験をすることで、私の半径5メートルから見える景色が移り変わっていく。その景色を発信し続けることで、誰かの役に立てたらうれしいですね。

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―これまで、時代を先駆ける生き方をされているはあちゅうさん。子育ての未来についてはどうお考えですか?

子育てに関しては、10年後もあまり変わらないと思うんです。これまでの10年も教育の制度に根本的な変化ってなかったですよね。それはある意味日本らしいというか、みんなの価値観が変わらないことには、教育は変わらないと思うんです。

どうしても変化に批判はつきものなので、私の周りを見ても、先進的な子育てをしている人は隠していることが多い。例えば、子供を預けて夫婦の時間を作っていても、あえてそのことを言わなかったりとか。そうして、批判を恐れて新しいライフスタイルについて発信しないと、知られる機会もないので広まっていかない。

まずは批判的な世の中をどうにかしないと、新しい価値観は根付いていかないと思います。

■人の力を借りることは、自分の人生を豊かにする

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―最後に、「アウトソース」に関してはあちゅうさんの考え方をお聞かせください。

私は「人の力を借りることは、自分の人生を豊かにすること」だと思っています。そういう観点で、キッズラインを利用しているママはすごくバランスの取れた育児をされているように思います。

自分で家事も育児も全部しなきゃと思っていると、その思い込みがさらに苦しさを加速させてしまう。キッズラインが広まることによって、「人の力を借りるってこんなに楽なことなんだ」とか「自分の人生を豊かにするんだ」と気づく人が増えるといいなと思います。

家事代行を8000円分頼むとき、元を取らなきゃ!と逆に気持ちが焦ってしまう人もいるかもしれませんが、8000円分の自由時間を買って本1冊でも読めたなら、それだけで自分を肯定して良いと思うんです。「生産的なことをしよう!」と気負わなくても、自由な時間、自分の時間、旦那さんとの時間って、それ自体が、お金に換えられない価値だと思うんです。

人の力を借りることに、罪悪感を伴わない生き方が広まっていけばいいなと思います。

はあちゅう:ブロガー・作家。「ネット時代の新たな作家」をスローガンに読者と直接つながって言葉を届ける未来の作家の形を摸索中。
著作に「とにかくウツなOLの、人生を変える1か月 」「半径5メートルの野望」、「通りすがりのあなた」など。事実婚のパートナーであるAV男優しみけん氏との生活を綴ったイラスト・エッセイ「旦那観察日記」が好評。

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(取材・文)平 理沙子(@riiiii_moo