“n番の部屋”事件に加担した19歳の容疑者、実名と顔が公開される…資金担当か

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改めて“悪魔の平凡性”を思わせる姿だった。

韓国を震撼させた“n番の部屋”事件で最も悪質とされる“博士の部屋”の運営者チョ・ジュビン(24)を支援し、未成年者を含む女性を脅迫してわいせつ映像や動画の制作・配布に積極的に加担したカン・フン(18)が、検察送致に先立って4月17日、ソウル鍾路警察署の前でフォトライン(取材エリア)に立った。

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マスクなどを着用していないカン・フンは、頭を下げたまま謝罪し、そのほかは何も語らなかった。カン・フンは未成年者の被疑者として身元情報が公開された初の事例だ。

未成年の被疑者として初の事例

ソウル地方警察庁サイバー安全課は4月17日、児童・青少年の性保護に関する法律違反などの疑いで、4月9日に拘束されたカン・フンを検察に送致した。

(写真=ソウル新聞)4月17日、検察に送致される前にフォトラインに立ったカン・フン

同日午前8時頃、ソウル鍾路警察署の留置場から検察に移動する過程で、取材陣と向き合ったカン・フンは「申し訳ない。本当に心から謝罪を申し上げる」と述べた。

ソウル地方警察庁は前日の4月16日、身元公開委員会を開いてカン・フンの名前と年齢、顔を公開することを決めた。警察は「犯罪手口が緻密で計画的であり、児童・青少年を含む多数の被害者に継続的に深刻な被害を引き起こすなど、犯罪が重大」とし、「国民の知る権利、同種犯罪の再犯防止と犯罪予防から、公共の利益に合致する」と公開の理由を説明した。

カン・フンは4月16日午後、ソウル行政裁判所に身元公開処分を取り消してほしいという訴訟と執行停止申請を出したが、裁判所は執行停止申請を棄却した。

裁判所は「カン・フンの行為、それによる被害者の大きな被害は、その行為に対する非難の可能性の程度、同一の犯行を防止しなければならない社会的必要性が非常に緊要である」とし、「カン・フンの行為は社会的に高度な害悪性を持つ重大な犯罪であるだけでなく、社会・文化的側面からも非凡性を有するもの」と説明した。

有料会員の入場料をチョ・ジュビンに伝達

2001年生まれのカン・フンは未成年だが、今年19歳になる予定で、青少年保護法上の青少年ではない。

(画像=YTN)

“ブタ”というニックネームを使ったカン・フンは、“博士の部屋”の参加者を募集・管理し、犯罪収益をチョ・ジュビンに伝達した疑い(児童・青少年の性保護に関する法律違反など)を受ける。

カン・フンは、有料会員たちが入場料の名目で仮想通貨を入金すると、それを現金化してチョ・ジュビンに伝達するなど、一種の“資金担当”の役割を担っていたとされる。

チョ・ジュビン側は、“ブタ”など3人と“博士の部屋”を共同運営したと主張している。しかしカン・フン側は容疑を概ね認めながらも、“博士の部屋”を共同運営した点などチョ・ジュビン側の主張は事実と異なる面があると主張している。

検察は、カン・フンに対して補強捜査を行うと予想される。

韓国で大問題となっている“n番の部屋”事件とは、女性を脅して撮影したわいせつ映像や画像を数十万人がSNSで共有していた事件のこと。組織的なデジタル性犯罪で、20万人以上の有料会員がいたという。被害女性は未成年者を含む70人以上に上る。

そのなかでも“博士の部屋”というチャットルームを運営していたチョ・ジュビン(24)は、アルバイトなどと称して女性を募集し、応募時点で個人情報や顔が映ったわいせつな画像を受け取り、それを口実に脅し、さらに過激な動画を撮影させたとされる。