安旨ウイスキーの第七弾は、バーボンの定番の一つ、アーリータイムズです。

昔ながら、開拓時代へ思いを寄せるボトル

ert2020_英語で"early times"とは、「遠い昔」「昔ながら」「古き良き時代」という意味がありますが、特にアメリカでは「開拓時代」という意味合いもあります。

1860年にアーリータイムズ・ステーションという村に蒸溜所が作られ、そこで古くからの製法を守るバーボンとしてアーリータイムズが作られました。

この当時、アメリカでは南部と北部が分断される状況であったため、創業者は開拓時代を思い出せ、という意味でも、アーリータイムズという名前をつけたのかも知れません。

1920年に禁酒法が施行されると、多くのバーボンの蒸溜所は閉鎖に追い込まれました。
しかしアーリータイムズは、医師が処方する薬用酒として認可してもらうことで、バーボンの製造を維持することに成功しました。
数少ないバーボンの生き残りとして、指折りのブランドとして今日に至っています。

現在、日本で販売されているのは、今回飲むレギュラーのイエローラベルと、原酒と濾過方法を変えて作られたブラウンラベルの二種類になります。

なお、アメリカ国内では、バーボンの基準である新樽での熟成では無く、一度使用した樽を再利用して熟成させた原酒を加えているため、バーボンとして販売できない状況にあります。

では、実際に飲んでみます。

ストレート

アルコールの刺激と共にメロンや接着剤の香りが一気に広がります。刺激が収まるにつれ、リンゴやバニラの甘い香りが広がっていきます。

味わいは、かなり辛みが強く、後から酸味が強烈に広がります。後味はかなり苦みが目立ちます。

ちょっとストレートで飲むにはかなりきついかも知れません。

ロック

アルコールの刺激は抑えられるものの、エステリーな香りはまだ強く、後からライム、栗、バニラの香りが訪れます。
加水が進むと、石けんを思わせるフローラルな香りが広がってきます。

味わいは、渋みが強く、かなり後になってから甘みが見えてきます。
ストレート同様に、かなり癖が強く感じられるでしょう。

水割り

1:4で割ると、接着剤っぽさは軽減されてメロンを思わせるものとなり、その後にリンゴ、ライム、バニラと続きます。
味わいは、苦みが抑えられ、甘さもほのかに感じられます。

あまりバーボンを水割りで飲むことはありませんが、アーリータイムズだと水割りでもいけるように思えます。

ハイボール

1:3で割ると、メロンの香りが広がり、奥からリンゴ、ナッツ、バニラと続きます。
味わいは酸味がメインとなり、後から甘みも加わります。
ほかの飲み方がきつい印象なのに対して、ハイボールはとても飲みやすく変わります。

まとめ

バーボンとしてもかなり癖のある部類に入ります。
ストレートやロックだと、そもそもバーボンを飲み慣れてない人にはきついと思います。
パンチの効いたバーボンを飲りたいのであれば、これらの飲み方の方がいいでしょう。

一方で水割りやハイボール、ロックに1:1ほど水を加えてハーフロックにすることで、苦みが抑えられてかなり飲みやすく変わります。
  • メーカー:ブラウン・フォーマン(輸入元:アサヒビール)
  • 容量:700mL
  • アルコール度数:40度
  • 香り:メロン、接着剤を思わせる香りが先立つ。バニラ、リンゴ、栗が後から続く。
  • 味わい:苦みが強い。加水で甘みと酸味が前に出る。
  • ストレート D: アルコールの辛みと渋みが強い。
  • ロック C: 飲み始めは苦さが強い。時間が経つとマイルドになる。
  • 水割り B: 1:4で甘みが出て飲みやすくなる。
  • ハイボール A: 酸味が主体で、甘みが後味に感じる。