94光年のかなたに高度な文明? 「非常に強い信号」を観測
一方、地球外生命体の発見をめざす「SETI研究所」の上級研究員、セス・ショスタック氏は、こうした文明が存在するとした場合、「どうして我々の太陽系へ向けて強い信号を送ろうとしたのか、その理由は理解しがたい」と話す。発信源とされる恒星系は地球から遠く離れていることから、「地球の文明を示すテレビやレーダーの存在も把握されていないはずだ」という。
バコッチ氏によると、METIインターナショナルは今後、パナマの天文台からレーザーを使ってこの恒星を観測する予定。SETI研究所も米カリフォルニア州の電波望遠鏡網を使って恒星を調べている。
信号の観測は今のところ1回限りで、その後確認されていない。このためバコッチ氏は、技術的な干渉か、あるいは惑星などの背後から来る信号が重力で増幅される現象だった可能性もあるとの見方を示す。
ショスタック氏も「信号が地球外文明から送られたと考えることももちろんできる」としたうえで、現段階で言えるのは「興味深い」という感想にとどまると話している。