新型コロナ、世界の感染者数93万人 米は21万人超

2020/4/2 4:15 (2020/4/2 9:01更新)

ニューヨークは米国の新型コロナの感染の中心地になっている=ロイター

ニューヨークは米国の新型コロナの感染の中心地になっている=ロイター

【サンパウロ=外山尚之、ニューヨーク=高橋そら】米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、米東部時間1日午後6時(日本時間2日午前7時)時点の新型コロナウイルスの感染者数は世界全体で約93万人となり、死者数も4万6千人を上回った。米国だけで感染者は21万人を超えた。ブラジルのアマゾン熱帯雨林に住む先住民の感染が確認され、世界的に拡大が止まらない。ドイツ政府が外出制限延長を決めるなど、対応は長期戦の様相を呈している。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は1日の記者会見で、新型コロナの急速な感染拡大について医療体制が脆弱なアフリカや中南米などへの打撃を懸念し、「社会、経済、政治の面で深刻な影響を及ぼす可能性がある」と述べた。

米国の感染者数は累計で約21万3千人、死者数は4700人を超えた。感染者数で世界の2割強、死者数で約1割を占める。米国の感染の中心地となっているニューヨーク州のクオモ知事は1日の記者会見で、同州と近隣のニュージャージー州、コネティカット州の3州合計で死者が2千人以上に達したことを明らかにし、「ニューヨークだけの問題ではない」と強調した。

感染拡大を防ぐため、クオモ氏は州内の遊び場を全て閉鎖すると発表した。「他の人と距離を取って公園を散歩するのは良いが(接触の多い)バスケットボールの試合はだめだ」と語った。米国ではフロリダ州やネバダ州も相次ぎ外出禁止令を発表した。

全米で集中治療室(ICU)に入院している患者数が増え続けており、病院の増床や仮設病院の設置、人工呼吸器の確保が急務となっている。米メディアによると、ニューヨークの病院で勤務する人々の間で大規模な感染が確認されており、医療関係者への影響も深刻化している。

一方、欧州ではスペインやイタリアで感染者の増加ペースが下落傾向にあり、スペインのイリャ保健相は「安定期に入った」と話す。ただ感染そのものは続いており、ドイツのメルケル首相は1日、外出制限を19日まで延長すると発表した。

ウイルスは震源地の中国から遠く離れた地域へも浸透しつつある。ブラジルでは1日までに、北部のアマゾン熱帯雨林に住む先住民の間で感染者がはじめて確認された。医療設備が脆弱な地域での感染が続けば、被害がさらに増えることが避けられない。

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