裁判所=ゲッティ

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 新潟薬科大(新潟市秋葉区)の元准教授の男性(47)が12日、大学でパワーハラスメントを受けた上に不当に解雇されたとして、同大を運営する学校法人新潟科学技術学園に、解雇の無効や准教授としての地位確認、賃金など約1800万円の支払いなどを求めて新潟地裁に提訴した。

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 新潟市内で記者会見した男性は「研究者としての道が歩めると思って赴任した。やりたかった仕事ができないことが悔しい」と話した。

 訴状などによると、学園側は、男性と同じ研究機構に所属する男性教授らが出席を求めた研究発表などを行うセミナーに参加しなかったなどとして、3月31日付で准教授を普通解雇した。

 しかし男性によると、2014年に採用された後から、この男性教授らに研究費や器材の取り上げ、系列の専門学校への降格異動などのパワハラを受け、執拗(しつよう)に退職を迫られたという。男性はこれらのパワハラについても19年2月に地裁に提訴している。男性はこのセミナーも「教授らと同席するような形では出席できない」と弁護士を通じて改善を申し入れており、「これまで受けてきたパワハラの総仕上げとしての解雇だ」と主張した。

 同大の担当者は「訴状が届いていないので、まだ何もコメントできない」と話した。【露木陽介】