鹿島平和研究所
国力研究会/安全保障外交政策研究会
+有志
*1 本緊急提言は、「鹿島平和研究所国力研究会/安全保障外交政策研究会」の一部メンバーや有志の責任で発表するものであり、鹿島平和研究所としての公式見解を示すものではない。なお、本提言は、添付の長文論稿(小黒・関山)における分析を参考にまとめられたものであり、賛同者はこの提言の趣旨に同意するものであるが、論稿の個別の箇所については賛同者の間にもさまざまな意見があることを付記しておく。
*2 陰性の判断は、擬陰性の問題に対処するため、連続2回検査を行って連続2回陰性のときに「陰性」とし、それ以外は「陽性」とする対応も考えられる。
*3 2020年版の中小企業白書(4月20日閣議決定)では、「宿泊業・飲食サービス業では、今後半年間で資金繰り難が深刻化する可能性」を指摘している。また、2018年度の法人企業統計調査(財務省)によると、資本金1千万円~5千万円の中小企業が保有する現預金は運営コストの約3か月分しかない。
*4 PCR検査に限らず、抗原検査や抗体検査を含め、高精度で有用性が高い検査は積極的に取り入れる。また、検査は訓練を受けた技術人材が実施する。PCR検査キットの価格が1キット1.5万円の場合、このキットで1日1000万回のPCR検査を365日行ったときの経費は54兆3850億円。これを全額国庫負担で予算を5兆円程度まで圧縮するには、キット単価を約10分の1に下げる必要あり。他方、全額自己負担で検査を2週間に1回受ける場合、国民一人当たり年間36万円(年24回×1.5万円)の負担となるが、キット単価を3分の1に引き下げれば負担は12万円となり、政府が9兆円の公費投入でその5割を補助すれば負担は6万円となる。
*5 2017年10月22日の第48回衆議院議員総選挙では5695万人が投票したことを考えると、1日1000万件の検査は、その約5分の1の規模の全国行事。同総選挙の経費は597億円、うち市町村への投開票作業委託経費は437億円(うち、投票所人件費等は129億円と推計される)。以上から推測するに、1日1000万件の検査を行う検査所運営経費の規模感は、単純計算で日額約80億円(人件費は約25億円)。したがって、1日1000万件の検査を365日行うための検査所経費の規模感は、ごく粗い試算で約3兆円(人件費は約9000億円)と見込まれる。なお、現行のPCR検査と異なり、抗原検査キットであれば、医師等の検査員がその場で10~15分で感染の有無を判定できる。検査員1名が1時間で5名(1日8時間で40名)を検査でき、1000万件の検査には、25万人の検査人材の確保の必要がある。検査員1名の時給が1250円(日当1万円)の場合、1日で25億円(365日で9125億円)の人件費がかかる。
小黒一正(法政大学教授、鹿島平和研究所理事)
関山健(京都大学准教授)
秋山昌廣(秋山アソシエイツ代表、元防衛事務次官)
青木玲子(一橋大学名誉教授、元九州大学副学長)
朝比奈一郎(青山社中株式会社代表CEO)
愛宕伸康(岡三証券チーフエコノミスト)
稲垣誠一(元厚生労働省)
小笠原泰(明治大学教授)
小此木政夫(慶應義塾大学名誉教授)
小原凡司(笹川平和財団上席研究員)
神谷万丈(防衛大学校教授)
亀井善太郎(PHP総研主席研究員、立教大学大学院特任教授)
小林慶一郎(慶應義塾大学客員教授、東京財団政策研究所研究主幹)
渋谷健司(キングス・カレッジ・ロンドン教授、元東京大学教授)
島澤諭(公益財団法人中部圏社会経済研究所研究部長)
瀬尾傑(スマートニュースメディア研究所所長、スローニュース代表取締役)
高橋亮平(NPO法人Rights代表理事、日本政治教育センター代表理事、一般社団法人 生徒会活動支援協会理事長)
徳田安春(群星沖縄臨床研修センター長)
田中秀明(明治大学公共政策大学院教授)
德地秀士(政策研究大学院大学客員教授)
中里透(上智大学准教授)
浜田敏彰(関西大学客員教授、岩手保健医療大学理事)
原岡直幸(一般財団法人国際経済交流財団専務理事)
松井孝治(慶應義塾大学教授、一財・創発プラットフォーム理事)
森信茂樹(東京財団政策研究所研究主幹、ジャパン・タックス・インスティチュート理事長・所長)
山本秀男(中央大学戦略経営研究科教授)
渡部恒雄(笹川平和財団上席研究員)